ダンジョンから始まる異世界生活〜異世界転移した勇者なのに誰も拾ってくれませんから、ダンジョン攻略しちゃいます〜へなちょこ勇者の成長記

KeyBow

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第4章

襲撃

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 裏路地に入った所で晃はつけられているこ事に気が付く。桜がつけられているのか晃がつけられているのか考えていた。しかし、晃には判らなかった。自分か桜のどちらがターゲットになっているのかと。殺気があったのだ。

 付けて来ている者を撒こうと色々な道を進んだが、誘導されているかの如く下町の裏路地の奥深くへとどんどん入っていってしまった。そして数本のナイフが飛んできた。晃は咄嗟に腰に差してた短剣を抜き、ナイフを弾く。

 一人だとどうという事はないが今は桜がいる。襲撃をされた為、足を止めて周りを警戒する。すると建物の上の方から網が投げられた。しかし鎌鼬によって網を切り裂き、網から逃れる。晃は桜の手を引き走り出す。桜は足手まといにならぬ様に声を出さず、晃の指示に黙って従う。晃がいるから恐れていなかった。

 声が聞こえてきた。「女には傷をつけるなよ。男は殺しちまえ」

 晃には分からなかった。桜を攫うのに、一緒にいる男として晃を殺そうとしているのか、それと晃を殺し、戦利品として一緒にいる女を無傷で手に入れようとしているのか。しかし雄叫びと共に斬りかかってきた。そいつ等の反応で分ったのだ、晃がターゲットだと。

「死に晒せ冒険者晃!」 

 と叫んできたからだ。そうこいつらはソレイユが尾行していた男達であった。

 いかにもお金を持ってますというような貴族の格好をしていたが、剣の腕は晃よりも上だった。晃は防戦一方になっていた。そう彼はアルテミスのファーストである。醜く歪んだ顔に、細ほっそりとし、ひょろ長い体。そんな感じの影の薄い陰気な印象だ。しかし彼は最大手の団を率いる団長で、レベルは8であった。

 性質はともかく、仮にもこの街の最大勢力であるアルテミスのファーストを務めているだけのこ事はある。陰湿な者であり、

「オラオラ死ねよ!おれ様のシリカを横取りしやがって!楽に死ねると思うなよ!」

 収納から出した剣で対峙するが、晃の攻撃はことごとく弾かれた。相手はきちんと剣技を習っていて、レベルも8なのだ。ステータスはほぼ互角の筈であるが、剣技が全く違う。晃はだんだん追い込まれていった。晃は必死だった。

 今まで戦ってきた誰よりも強かったからだ。相手は邪道な感じの泥臭い剣技も合わせて使うのだが、晃は押され、捌ききれずに切り傷をどんどん付けられていく。


 そして奴の仲間の誰かが桜を捕らえようとするが、桜の持っていたナイフで反撃にあ合い、咄嗟に後ろに避けて、反射的に反撃としてナイフを投げてしまった。投げた奴もあっと思ったのだ。そう想定外に反撃され、咄嗟に、そう反復動作のようなものでナイフを投げたのだ。


 晃は弾くには遅いと思い、咄嗟に転移して腕を伸ばしナイフから桜を守る。と言っても受け止めるのは間に合わず、伸ばした手で桜を庇い結果としてナイフが晃の手に刺さる。晃は痛みに唸り、声を上げる。

 桜が捕らわれようとしていた。晃が必死に桜を捕らえようとしている奴等に対峙するが、先に戦っていた奴に背を向ける形になり、そんな隙きを見逃さずナイフを数本投げられた。腕や脚等に刺さり、苦悶の声を上げる。しかしなんとか桜の隣まで来れていたから、桜を捕らえようとしていた者達を倒していく。晃は必死だった為に加減ができず、結果桜を囲んでいた4人を袈裟掛け、首を落とす、心臓を突き刺す等をして次々に殺していった。背後から逃げるんじゃねえ!と言う声が聞こえてくるが、晃は桜を連れて必死に逃げる。漸く真っ直ぐに行けば大通りに出るという所に来て、

「桜、通りで助けを求めるんだ」

 と言って送り出し、追手に対して対峙する。既に満身創痍である。晃は右手だけで戦っていた。左手は剣が握れないのだ。何合か斬り結んでいたが、晃は辛うじてかすり傷を負わせるのが精一杯であった。逆に晃は足に剣を刺され、ついに立てなくなった。尻餅をついた所に致命傷となると分かる大振りの剣が振られてきた。晃は咄嗟に左腕で庇い、剣の軌道を逸す事ができたが、左腕を失ってしまった。晃はぐあーと叫ぶが、奴は勝ち誇った顔で止めを刺そうとする。晃は何とか後ろを向き、転移で通りの方に跳んだのだが、血まみれの晃を見て通りの人達が騒然となる。襲撃者は糞がと唸りながら生き残った仲間を引き連れてその場を去っていった。たまたまギルドに向かっていた女神アルテミスと同行者のガブリエルが桜を保護していた。そして桜から事情を聴いている最中にアキラが通りに飛んできたのだ。アルテミスの顔が青ざめる。普段は冷静沈着で何にも物怖じをしない感じなのだが、満身創痍で死に掛けている晃を見て狼狽えていた。

 ガブリエルは眉をピクピクさせていた。アルテミスはガブリエルに


「晃を連れて敷屋に急いで帰るわよ。治療師はいた筈よね?」

 そうして晃を連れて行く途中、ローラン達と遭遇し、ローランが

「晃どうしたんだ?」

 桜は

「はい、そこで暴漢に襲われまして、この方達が助けてくれたんです。今は晃様が重症を負い治療の為に屋敷に向かっている最中です」

 ローランは

「レオナ、一緒について行って、屋敷に着いたらホームに俺達を呼びに来てくれ。場所が分からないんだ。俺は大輔さん達に救援を要請するよ」

 そして一行は晃を救うべく奔走するのであった。
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