ダンジョンから始まる異世界生活〜異世界転移した勇者なのに誰も拾ってくれませんから、ダンジョン攻略しちゃいます〜へなちょこ勇者の成長記

KeyBow

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第4章

祭りの終わり

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 屋敷に戻ると晃はヒーローだった。
 特に女性達の心をがっちり掴んでしまっており、皆晃を褒め称えていた。しかし晃は魔力の使い過ぎで疲れており、早々に寝たかったのだが、中々皆に寝かせてもらえなかった。

 特にエニーが晃の魔法の使い方、発想がありえない!どうしたらそんな発想が出来るのかと根掘り葉掘り聞いていた。疲れていてうんうんと言っていて、段々と話が暴走していったエニーが遂に

「じゃあ今すぐ私を娶ってください」

「うんわかった」

「本当にいいのね?」

「うんわかった」

「じゃあ今から私と夫婦の契りを交わしましょう?了承なら、うんわかったと言って!」

「うんわかった」

 こんな調子である。エニーは晃の肩を揺さぶる。

「ちょっと晃様、今私が言った事に対して了承の旨のお返事をして頂いたのを分かっていますか?ちゃんと分かっていて何に対して了承の旨の 返事をしたのか理解していますか?」

 エニーは晃の肩を揺すっていたが、晃はついに皆がいるにも関わらずエニーをベッドに押し倒したのだ。そしてその顔に顔を近付け、唇が重なる。手はエニーの今までどんな男にも触れる事を許さなかったその胸を鷲掴みにして押し倒したのだ。

 エニーは倒された時にキャーと短い悲鳴を上げるが、唇が重なったままそこから先は何も起こらないのだ。胸を揉むでもなく、唇を、貪るでもない。エニーは期待半分、怖さ半分だか、晃の行動を黙って受け入れようとして目を瞑った。そんな感じで晃が自分の体を求めるなら、このまま身体を差し出し、今まで守り通した純潔を捧げようと思っていた。

 皆がいる前で恥ずかしいけれど、ここで私はついに女になるのかしら?。本当は二人っきりが良かったな。でも女として愛する男性に求められ嬉しいなと思っていた。しかし皆がいるのよ!とおろおろしていた。

 そして桜達もそうである。えっ!まさか今こんなふうに、皆が見ているのにエニーと愛し合うんだ?きゃーと思ったのだが、どこからともなくいびきが聞こえてきた。そう晃のだった。

 晃がエニーをベッドに押し倒したのではなく、物凄い眠気と疲労から立ったまま眠ってしまったのだ。エニーに向かって倒れこんだ結果として、それが晃が押し倒した状態になり、エニーを求め押し倒したかに見えたのだ。呆れ顔のレヴィが

「晃さん?もしもし?」

 返事がない。勘違いだと悟ったエニーが泣き出した。

「そんな、ひ、酷いよ。晃様がついに私の事を全力で愛してくれると思ったのに。恥ずかしいけど受け入れたのに。うえーん」

 皆がエニーの頭をこつき始めた。痛い、痛い、痛いよーと言っているが、

「晃くんが皆の前で誰かを抱く訳がないでしょ!エニーともあろうお方が頭にお花畑が沸いちゃったんですか?」

 とイザベラに窘められた。そして更にイザベラは辛辣な事を言う。

「あのねえ、貴女が誰にも負けない位に晃くんの事を愛しているのは分かっているけれども、晃くんを叱るべき所は叱らないと駄目だよ。私は少なく共2人きりの所で初めての時を過ごしたいよ。勿論皆の前で求められたら張り倒すわ。ちゃんと私だけを見て愛されたいの。例え皆を平等に愛すると分かっていても、せめて始めて肌を重ねる時はね」

 確かにエニーは晃を止めようとしなかった。皆の前でも求められれば受け入れようとさえしてしまったのだ。それ程までに晃の事を愛してしまったといえばそれまでなのだが、自分がどういった状況で晃の事を受け入れたのかを皆から言われてしまい、冷静になった今は穴があれば逃げ込みたい位の恥ずかしさで一杯だった。

 何はともあれ、晃の様子は疲労感からか睡眠を必要としているのが分かった。その為ベッドに寝かせた。

 寝かせてから優しく布団を掛ける。そして女性達の盛大なバトルが始まった。握りこぶしや平手が飛び交う。3回程やりあった後、最初の勝者が決まった。やりぃー!とくるっと1回転したソレイユが

「じゃあ私は左ね」

 と晃の左側の布団に入った。

 晃は左側を下にして寝る癖があるので、左側に行くということは、晃に抱きつかれるという事である。ぐうと皆唸ていた。そして盛大なバトルが再会した。皆がパーを出している中、ただ一人チョキを出していた桜が

「やりましたわ!うふふ!お背中いただきます」

 と晃の背中にぴたっと張り付いて行った。

 そう添い寝番を巡り、誰が添い寝をするかをじゃんけんで決めたのだ。晃の意思は関係ない。そう気絶してからの添い寝だからである。

 そうして女性達にちやほやされる晃ではあったが、祭り自体はつつがなく終わっていた。また、全ての神が契約者を見付ける事が出来たのだが、全員が契約できた訳ではない。

 そう女神と既に契約している者はダンジョンをクリアし、男性の神との契約枠を 増やさないと契約ができないのだ。契約相手が見付かったが契約できない!一部の神はそんな状況下に置かれていたのだ。ギルドにて契約予定者達と協議した結果、契約保留中の神は契約予定者の所に身を寄せる事になったのであったのである。
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