ダンジョンから始まる異世界生活〜異世界転移した勇者なのに誰も拾ってくれませんから、ダンジョン攻略しちゃいます〜へなちょこ勇者の成長記

KeyBow

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第5章

攻略前日

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 ボス部屋に辿り着いた翌日は完全な休業日とし、皆思い思いの休日を過ごす。晃は珍しく朝から走り込みをしていた。以前は日課だったのだが、最近の状況から中々出来ずにいた。やっぱり走るって気持ちいいよな!そんなふうに思いながら走る晃の後ろにはソレイユが付き従っていた。

 晃のランニングについて来れるのは彼女しかいなかったのである。
 今までも時折ランニングはしていたのだが、皆晃についていくのを断念していた。早くて追いつけないからだ。

 朝のランニングを終わった後 ソレイユとシャワーを浴びていた。いつの頃だろうか、ダンジョンから帰った後や、訓練をした後は晃と晃の周りの女性達が一緒にシャワーを浴びている。勿論晃はその裸体を見たいという欲求になんとか抵抗し、なるべく見ないようにはしていた。晃は他の男の冒険者と彼女達を一緒にシャワーを浴びさせる事を嫌がったので 、ソレイユ達は晃に大事にされているのだなと感じていた。

 この世界の冒険者は男女が一緒にシャワーを浴びるのは当たり前である。冒険者として行動する時には同じ布団に入ったり、同じテントの中で着替えなければならない。いちいち異性の裸を見て興奮している暇はないのである。冒険者は冒険者として行動している時は異性の裸を見ても何とも思わない。そんな当たり前の事を基本的に晃にはできない。

 そのように出来るようにならなければならないのだが、冒険時以外の場合で、普段のお風呂は勿論男女別である。

 当初ダンジョンから帰った時に、女性陣が晃と一緒にシャワーを浴びる為に肌になり浴室に入っていく。 晃は女性達が 晃を挑発し、性的な目で自分達を見て貰い、娶って貰おうとする策略かと思っていたのだ。だがある日ターニャに正座させられ、晃は説教されていた。

「こういった時に男性は性的に反応していると言うのが分かり易いので、性的に反応してしまうのは私達相手には別に良いけれども、もし一般の冒険者達と一緒に時にいる時に女性の裸や着替えを見てしまった時に性的に反応してしまうのは大顰蹙なのよ」

 とターニャに珍しく真面目に説教をされていた。その為冒険者としての訓練とし、お風呂も時折桜やエニー達と一緒に入っている。

 オフの時は流石に恥ずかしがるが、冒険者として行動している時は頭の中の意識が切り替わり、恥ずかしさがない。恥ずかしがっていると、命がいくつ有っても足りないのだ。

 ターニャを始め、晃が大事だと思う女性達は皆に断りを入れ、晃の訓練だよと、その場合はお風呂の入り口に晃の冒険者訓練中、入浴禁止の看板を立てておいている。

 本来屋敷のお風呂は男女別である。その為晃の訓練中は晃と女性陣達の貸切である。流石に湯船に浸かる時に裸の女性がそこにいると訓練とはいえ必ず興奮してしまうので、バスタオルだけは巻いてもらっていたりした。女性と風呂に入るのが、冒険者としての時は当たり前だというような事を訓練していた。

 その甲斐あってか時折女性達がシャワーを浴びている姿が目に入ってしまうのだが、裸の女性を見ても興奮しなくなってきた。

 そしていつしか晃も入浴ではなく、ダンジョンから帰ってきて直ぐのシャワーや、訓練の後のシャワーについては裸の女性達がいてもスルーできるようになってきた。

 生殺しの苦行もあった。裸で立っているエニーや桜を1時間以上見続ける事も行っていた。流石に女性陣も恥ずかしかったが、協力を惜しまず、晃が冒険者としての時は、裸の女性を男性と一緒にシャワーを浴びに行っているのと同じ感覚になるまで付き合ってくれていたのだ。

 そして今日は決戦前夜で、皆にせがまれて皆でデートに行く。本来は一対一を皆望みたいのだが、そうも言っていられないから朝早くからみんなで弁当を作っていた。

 ただ何を持っているかというのを伝えずに、晃にこれを収納に入れておいてと言って収納に入れて持って行く。晃の収納もレベルに上がった時だったかに、無限収納に進化していた。

 今日は見晴らしの良い高台に出掛けるのだが、その前に服を買いに行く事になっていた。主に女性陣達の服である。晃の収納が無限収納に変わったと聞いてから、何かがあった時に服がないのはまずいので、予備の服を収納に入れておくとなった。

 万が一着の身着のままで国を追われたり、何かでここを離れる時を考慮して、最低限の服類は晃の収納に入れておくような感じになっていた。

 そしてた高台でのピクニックであった。周りに誰もいないので皆あきらにベタベタだった。晃も悪い気はしないのだが、明日は大変な1日になるので皆が不安なのだろうと晃は存分に皆に甘えさせていた。勿論食事をする時は晃は自分では一切食べない。そう皆にあーんされているのだ。

 これ私が作った卵焼きだよとか、私がコネコネした肉団子なの等、各自1品を作ってそれを積め合わせてきており、その1品を食し、都度感想を述べさせられるというような、そんな食事でもあった。食事をし皆と話をしていたが晃はついウトウトしてしまった。エニーが


「晃様?私のお話を聞い頂いていますか?」

 と声を掛けた時には、

「らあたりょうぶら」

 と言った感じで呂律も回っていない。チャンスとばかりにエニーは晃を膝元に抱き寄せ、膝に頭を乗せる。いいなあと皆から言われいたが、エニーは晃を膝枕でしばらく寝かせていた。


 小一時間ぐらい寝ていたと晃は後で聞かされたのだが、ふと目覚めエニーが膝枕をしてくれている事に気がつく。

 晃は照れてはいたが、あまりの心地良さに癖になりそうだった。そこからは皆が膝枕をするんだと言い出し、晃が


「ハイハイ、順番に10分ずつぐらいならね」といい、結局皆に膝枕をしてもらっていた。なぜだか耳掻きを持っているものがたり耳を掃除していたり、爪を研いでくれたりと至れり尽くせりであった。

 皆は皆で晃の世話ができるので嬉しかったりする。

 晃もそうだが、今日は私服である。皆思い思いの服を着、晃はみんなに服装の感想を述べていた。

 実はターニャとエニーの服装のセンスが絶望的で、おしゃれにうるさいアルテミスに説教をされていたりする。その為に出掛ける時間が少し遅くなったのだが、持っている服の中で晃が喜びそうな服をという事でアルテミスがチョイスをしていた。

 基本的に皆ミニスカだったりする。晃は脚を見るのが好きだ。特に鍛えていてすらっとしている脚が好きだと知られていたからだ。

 晃はこの期に及んでまだ誰か一人とのみ結婚する事を考えていた。なので皆を娶るという考えがなかった。

 晃が中々周りの女性達に手を出さなかったのはひとえに誰か一人に決めなければならない、そうすると選ばなかった者達に手を出していると、修羅場と化す、そんなふうに思っていたからである。


 それはともかく夕方近くまでみんなでピクニックを楽しみ、屋敷に戻った後は早めの夕食、風呂、そして早目に寝るという事を行い、明日のダンジョン攻略に備えるのであった。
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