異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow

文字の大きさ
108 / 241
第2章

第108話 side さくら7

しおりを挟む
 決闘のルールは単純。

 剣は手持ちのを使う。
 ただし、魔法付与がされている武器は、その魔法を使う事が禁止されていて、使えば負けなんだって。

 勝利条件は、相手が死ぬ、相手が敗北宣言する、そして気絶したりした時に闘技場の審判が戦闘続行不能と判断した時点で終わる。勿論気絶した側の敗北。
 敗北宣言は
【負けを認める】
 ただ一言、それだけを言うのがルール。例え命乞いをしても、【負けを認める】を言うまでは続行。

 とます君は大丈夫だと言っていたわ。剣道をしているのと、それを活かす為のスキルを取ったと。

 それとちょっと臭い事を言っていたわ。

「さくらの為なら命は惜しくない!だから・・・行ってくるよ」

 だからの後は、何よ?ようやく告白する気にでもなったの?気になったじゃなく、言いなさいよ!ひょっとしたら早い者勝ちかもよ?

 彼のスキルはこう。
【見えるクン】
 2秒だけだが、相手の攻撃の軌道が可視化できる。スキル発動時は魔力を消費する。

【ヒーロー】
 仲間や大切な人を守る時に絶大な力が発揮される。想いの丈により変動あり。常にヒーローであろうとするように意識が変わる。

 ヒーローは良く分からないけど、彼は剣道部。見えるクン・・・内容は凄いけど、ネーミングセンスがダサいわ。
 私の父と同じレベルで、オヤジギャグ臭がするわね。

 相手の剣はとます君のより長いわね。

 お互い身構え、審判がコインを投げて地面に落ちたら開始ね。
 と言っても、10m程離れているから、フライングしても奇襲にはならないわね。

 とます君は前方へ剣を突き出す形で、片足を前にしていて剣道でよくみる構えね。なんか少し格好良いかも。
 私の取り巻きの男の子って、見た目は十把ひとからげで、どこにでもいる子ばかりなのよね。

 コインが地面に落ちると、早速向こうが駆けてきたわ。

「うっひょ~!死ねやー」

 ジャンプして上段から斬りつけて来たけど、ほんの僅かだけ横にズレ、剣で相手の剣の側面を撫でたわ。
 すると地面に剣が当たり、とます君は蹴りを入れたわ。

 血と歯を撒き散らしながらのけ反り、なんとか倒れずに踏みとどまったわ。って倒れなさいよ!

 口を手で拭い、手に着いた血を見て表情が余裕ぶった感じから、怒りくるった顔になったわ。

「てめぇ!よくもやりやがったな!楽に死ねると思うなよ!お前の目の前であの2人を散々犯してやる!」

 ここからさくら視線一旦終わり。

 怒りに任せて剣を振るのかと思いきや、冷静だった。

 下段から斬り上げ、返す剣で首を払いに来た。

 しかしとますは軽く剣を合わせるだけで躱す。

 とますはすかさず喉に突きを入れた。

「うおっ!」

 ロンベルは情けない悲鳴をあげながら後退ってなんとか躱した。

「ちょこまかと!」

 ロンベルは懐から投げナイフを掴むと、即時に投げた。とますの頬をかすって血が滲むも、薄皮1枚が切れただけ。

 ちっ!っと舌打ちをしつつ、地面に手を付けたかと思うと、砂を顔に投げた。とますは躱しきれなかった為に砂が目に入った。

「馬鹿め!終わりだ!」

 上段から袈裟斬りを仕掛けてきた。

「いやー!」

 さくらが叫ぶ。

 しかし、目を瞑ったまま、屈むと、下段から上方に剣を振った。すると、敵が袈裟斬りに振っている手の下から剣が振られ、剣を握った両手首の所から切断した。

 丁度ランバラルが操るグフの懐に潜り込んだガンダムが、グフの両手を切断したように。

「いぎゃゎー!痛い!痛い!俺様の手が!」

 とますは左手に剣を持ち、右手で殴りつけた。
 蹌踉めきながらも蹴りを繰り出してきた。

 とますは避けると回し蹴りを繰り出す。もろに入り、倒れ込む。ロンベルは敗北をさとった。相手を見誤ったのだ。

「い、命だけは助けてくれ!嫌だ!死にたくない!」

 とますは容赦なかった。
 頭に対して剣で突きを放ったが、体を回転させてなんとか躱し、這いつくばって逃げ出した。

「ギィゃー!だ、ダズげでぇ!お、俺のま・・・」

 無様に這いつくばって逃げながら命乞いを始めたが、最後まで言えなかった。
 とますは文字通り、剣で頭をかち割ったからだ。さくらはとますが命乞いをしていた相手を殺した事に対して少し驚いたが、それよりも、とますが無事だった事が嬉しかった。

 さくらもスキルを使用していたのだが、その影響から人の生き死にについて希薄になっていた。
 仲間が人を殺した事に対して、極悪人だからまあいっか!位になっていた。
 他の仲間はとますのした事にショックが大きかった。

 脳漿を撒き散らしているので助からない。暫くの間ロンベルの体はピクピクし、血がドピュー、ドピューと吹き出していたがやがて動かなくなった。

 騒ぎを聞き付けた騎士団が駆け付け、とますはあっと言う間に身柄を拘束され、連行されてしまった。

 貴族派の公爵家の息の掛かった部隊だった。ロンベルが勝った後、戦った相手を投獄する為に闘技場の外で待機していたのだ。

 そう、ロンベルの従者の1人がいつもの事として、子飼いの騎士達を連れてくる為にいつの間にか消え失せていたのだ。

 本来決闘は禁止されているのだが、闘技場の者も買収されており、訓練と称して場所を貸しただけとするのが常套句だ。

 対戦相手が逃げないようにと、国王派の騎士が近付かないように、貴族派の騎士が兵を引き連れて闘技場の外で待機していたのだ。

 近日中に裁判をするとし、さくら達が文句を言うも相手にされなかった。

 さくら目線に戻る。

 多勢に無勢でその場は離れたんだけど、シャルル様の館に着いた頃にはひろし君がいなかったのだけれども、ひろし君が戻ってくるまでその事に気が付かなかったわ。

 また、シャルルは不在で、困った事に夕方まで帰ってこないの。
 取り敢えずシャルルが戻るまで部屋で待機となり、あてがわれた部屋にて過す事になったわ。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

モブ高校生と愉快なカード達〜主人公は無自覚脱モブ&チート持ちだった!カードから美少女を召喚します!強いカード程1癖2癖もあり一筋縄ではない〜

KeyBow
ファンタジー
 1999年世界各地に隕石が落ち、その数年後に隕石が落ちた場所がラビリンス(迷宮)となり魔物が町に湧き出した。  各国の軍隊、日本も自衛隊によりラビリンスより外に出た魔物を駆逐した。  ラビリンスの中で魔物を倒すと稀にその個体の姿が写ったカードが落ちた。  その後、そのカードに血を掛けるとその魔物が召喚され使役できる事が判明した。  彼らは通称カーヴァント。  カーヴァントを使役する者は探索者と呼ばれた。  カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。  しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。  また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。  探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。  つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。  数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。  月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。  彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。  そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。  勿論二世だ。  斗枡が持っている最大の能力はカード合成。  それは例えばゴブリンを10体合成すると10体分の力になるもカードのランクとコストは共に変わらない。  彼はその程度の認識だった。  実際は合成結果は最大でランク10の強さになるのだ。  単純な話ではないが、経験を積むとそのカーヴァントはより強力になるが、特筆すべきは合成元の生き残るカーヴァントのコストがそのままになる事だ。  つまりランク1(コスト1)の最弱扱いにも関わらず、実は伝説級であるランク10の強力な実力を持つカーヴァントを作れるチートだった。  また、探索者ギルドよりアドバイザーとして姉のような女性があてがわれる。  斗枡は平凡な容姿の為に己をモブだと思うも、周りはそうは見ず、クラスの底辺だと思っていたらトップとして周りを巻き込む事になる?  女子が自然と彼の取り巻きに!  彼はモブとしてモブではない高校生として生活を始める所から物語はスタートする。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

処理中です...