異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

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第3章

第166話 どうしてこうなった?

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 あれよあれよと言う間に、何の問題もなくシャルワルー国の王都に着いた。
 何もなかったのは良い事だよね!?
 フラグを立ててしまった事をこの後後悔する。

 王都まで残り1日という時に、遠目に大型の魔物が見えるとの護衛の報告があり、アイリーンとみっちゃんを連れて飛んでぺったんこさんを1度した以外、俺は戦闘をしなかった。
 皆もう慣れたのか、俺が飛ぶ様を見ても何も言わなくなったが、相変わらずあっさりと大型の魔物を駆逐するので一部の女性陣にうっとりと見られる位だった。

 しかし王都に入れば俺の出番は余りない。
 昼過ぎに到着したが、やはりニーナの存在に門番が騒いでしまった。

 本当は市井の民に紛れて入りたかったが、甘かった。
 そのまま馬車で並んだのがそもそもの間違いだったんだ。
 馬に繋ぐ馬車は、最後の休憩時にグレードを落としたのにしたが、纏まって動いていたから悪目立ちし、門番が臨検に来てしまった。

 シャルルが他国とはいえ王族であり、それで慌てていたところに、ニーナの顔を知っている者がいたのだ。
 王族の護衛としてニーナが護衛依頼を受けていても不思議ではないのだが、門の警備担当者の混乱に拍車を掛ける結果となった。

「け、剣聖がいるぞ!すげー!」

 若い門番がついつい他の門番に叫んで呼んでいたのだ。
 その為、人だかりができてしまいそのまま城に案内された。

 しかもだ、謁見している最中の謁見の間に表敬訪問する事になった。
 流石に市井に紛れるつもりだったのでシャルルの服は旅のそれの為、客間を借りて着替える事にした。
 勿論この手の時の服は俺の無限収納に入れてある。

 しかし、何故かみっちゃんとアイリーンはセーラー服だ。
 打ち合わせにない行動に俺の頭は痛かった。
 誰の作戦か分からないが、今更セーラー服から別の服に着替える時間はない。
 シャルルが仕切ると言っていたが、俺達がというか、俺が何か話す場合、シャルルが指示してくれる事になっている。

「レオン様、貸1つですわよ!後でレオン様の誠意あるお礼を期待していますわ!」

 城の中なので俺の事は様付けを許したが、最近は漸くレオンと呼んでくれるようになった。それと誠意あるお礼って何だ?マッサージか?でもそれだとガッツリお触りしてしまうから、俺へのご褒美だな。
 後で考えないとだな。
 ただ、エンピアルだけは言う事を聞いてくれない。
 自己主張が出てきており、お願いは却下され、命令がなければイヤですわと言われていた。

 俺にも意地があり、戦闘時や命に関わる時以外命令は絶対に出さないと決めている。

 そして今回の事態は予測外だった。
 俺が城に入ったり王族と会う事があったとしても、王都に着いてすぐの事ではないはずだった。
 予めシャルルが城に謁見の申請をして、シャルルとアウィンと誰かが護衛として行く予定で、俺の出番は城に行く要請が無ければなかったはずだ。
 その場合も、マナー、ルール、所作等を覚える時間はあるはずだったから、現時点で国王に会う為の所作はまったく知らない。

 ニーナも着替えており、その間俺は所在無さげにセレネの尻尾をモフっていた。
 セレネはその場で清楚なワンピースに着替えており、準備万端だ。
 但し俺の心の準備以外は。

 そうこうしていると、謁見の間の扉に着いてしまった。そして扉が開くのを待っていたが、取り敢えずニーナの真似をしようと思う。
 今この場でシャルルにもう聞けないしな。
 アイリーンとみっちゃんは気軽なもんだ。
 初めての事にワクワクしていて、これっぽっちも緊張感が感じ取れない。

 そして分かっているからか、セレネがまっさきに裏切りやがった!
 なんとシャルルのドレスの裾を持つのを買って出たのだ。ベルガール?といったか?

 しかし、エンピアルだけは俺の味方だった?。
 そっと腕に手を添えて囁いた。

「臣下の礼は必要ございませんわ。レオン様は誰にも仕える必要はありません。我らの王たらんと堂々となさいませ」

 あかん!そそのかすやつだった・・・
 一応血の兄弟から仕立て服を貰っていて、慌てて着替えたが、その、真っ白の生地に金のステッチや、何かの紋様が刺繍されていてまるでエラいさんの服だ。

 そうこうしていると、中から司会?の声がした。

「サルベル国王女シャルル・アルベル・サルベル様と剣聖ライザット・ニーナ様、そして勇者レオン様一行の御入来ぃぃ!」  

 仰々しく来訪者の訪れを告げ扉を儀仗兵が開けていく。
 中が見えたが、数百人は絶対にいる!と思われる人々が見え、俺の事を勇者だと教えた奴は誰だ?後でシメちゃる!と思うも、中の様子に俺は冷や汗が出て、足がガクガクと震えていた。
 そして、どうしてこうなった!と心の中で叫ぶのであった。

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