異世界ロマンはスカイダイビングから!

KeyBow

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第1章

現状確認

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     今いるのは何処かの街道か何かで、周りには草木があり、桜に似た木がまばらに生えている。草原というやつだろう。日本では見られない風景だ。

 周りを観察していると、仮称ドール1が当夜の所に来て手を差し出し

ドール1「マスターさあ参りましょう。チャージを」

 しかし当夜はその手を握れないので

当夜「すまないが俺は以前の怪我により首から下が動かせないんだ」

 彼女は当夜の額に手を当てて

ドール1「理解しました。神経の損傷を確認しました。私では治療不可ですが、マスターが自由意志で動く方法が有ります」

当夜「どういう事?」

ドール1「マスターの人形使いのギフトにより私は召喚されました。マスターはもう一体ドールを召喚出来ます。私とはタイプが違い、何かに憑依して操るタイプです。それと私はマスターのナビゲーションも兼ねております。仮称としてドール2としますが、マスターの能力をドール1と2に振り分ける必用があります。割合は最低でも30%ですが、それだけあればマスターの体を動かす事が出来ます。ドール2を使いマスター自身の体を人形として操ります。ただし、わたくしドール1の戦闘能力がドール2に使う比率により著しく落ちますのでご注意下さい」

 その後色々教えてもらった内容は

 当夜は傀儡と言うか人形使いの能力を持っていて、ドールを二体出せる。

 ドール1が彼女でドール2は当夜が直接操り何かを乗っ取り、それを操る力の為、己の体自身も操る事が可能。歩いたりする事が出来る。

 2体のドールへはドールの能力値を合計100%で振り分ける。
    自立して稼働しうるのには最低でも30%必要で、各ドールに30%だと一般人レベル、ドール1は生存可能なのが30%で、それより下だと今の彼女が死んでしまう。次に発動すると別の命が宿るのだ。
 これはかなり大事な事だ。彼女には俺の命を救ってくれた恩義が有るし、関わりを持ったのだ。
 基本的に彼女は当夜から魔力を得る事で生きている。人道的にドール1を消す事が出来ない。消すと彼女が死ぬ事を意味するからだ。ただし振り分ける力の比率は自由に変更できる。また希望すれば彼女は子を成す事も出来るという。基本的に人間の体なのだ。
 彼女は人間と精霊の融合体と言うが、当夜は現状では子供を作る事ができない。ドール2では体を動かせても生殖能力をコントロール出来ないと伝えられた。
 もし姓行為をしようとしても当夜の生殖器が使用できないと当人にはかなりショックな事を伝えられた。

 ドール1は40%で中級冒険者位で、60%で上級冒険者と渡り合える程度。
 彼女は当夜の相棒になったのだが、当夜からの召喚にとても感謝していた。
 詳しくは命令がないと言わないそうだが、一族の掟を破り、罰により存在抹消の処分待ちの所だった。当夜からの召喚を受け入れ、当夜の天寿が全うするまで仕える事によって罪を免除される赦免を与えられ、再び生まれ故郷に戻るチャンスを貰ったという。

 この世界は魔法が有り、彼女が剣で戦い、当夜は魔法で戦うか、剣で戦うかになる。
 彼女の話では、冒険者というのが有り冒険者ギルドで冒険者登録を行い、まずは冒険者として、生きて行く為のお金を得る事を薦められた。

 また、当夜が持っている能力はかなりレアで強力という。ステータス等は見えないがレベルが有り、冒険者に登録するとレベルの恩恵が受けられる祝福を授かる。レベルが上がると当夜の人形使いの能力も上がり、彼女も強くなる。ただしレベルが上がり戦闘能力が上がっても肉体強度は大して上がらないので防具に頼らないといけない。そんな感じだ。

 彼女は当夜が異世界から来たのは理解しているが、何故この世界に来る事になったのかは知らないし、当然誰が当夜を召喚したのかもだ。
 異世界から来た者は大抵特殊なギフトやスキルを複数持っているが、自らがその力に気が付くしかないというのだ。どんな力を授かっているか調べる術がない為に、死ぬまで力に気づかない事も有りうる。当夜も特殊な力を多分幾つか、少なくともあと一つか二つは何かの力を持っている可能性が高いというのだ。

 まずは彼女に名前を付けなければだが、精霊には名前が存在しないので当夜が命名する必要があった。

 彼女には "ルナ" と名付けた
 能力値を40%返して貰おうとしたが、本来は体のどこかに触れるとチャージを開始できるのだが、当夜は体を動かす事が出来ない為触れない。おでこを合わせてもダメだった。

ルナ「口づけはどうでしょうか?マスターの体で、自由意思で動かせるのは舌位だと思います。マスターの舌にて、ギフトに頼らず己の意思で動かして触れている、との自覚が必要かと思います」

「申し訳ない。それしかなさそうだな。来てくれ」

 そう言い、キスでは無いのだが単なる接吻を行うがダメで、舌を彼女の口の中に入れるディープキスでようやく発動し、当夜の中に40%が戻ったと理解できた。
    後で検証したが舌と舌を接触する必要があり、お互い舌を伸ばすのはきつかったので接吻で行う事になった。
 そして当夜がドール2を発動すると己自身を傀儡として操作対象とするように選択したのだが、当夜は改めて思うのだが、ルナを見た時もそうだが、何かディスプレイのような画面が頭の中に浮かんできて、『ゲームかよ!』と思う状況だった。

 そして当夜は自分自身をドール2で操る事を試すが、難無く立ち上がれ、あまつさえ歩くことが出来た。嬉しくて泣きながらルナを抱きしめたのだが、そっと俺を抱きしめて頭を撫でてくれていたが、感覚が妙だった。抱きしめられている感じが頭部には感じ取れたが、体の方は感覚が殆どなかったのだ。

 とりあえず動けるようになり、コツが居るが小便も出来るのと、排便と排尿のコントロールが可能だった。有り難い事に一人で出来たので、直ぐに病院で付けられていた色々な管を体から引き抜いたのだ。

 ようやくルナをちゃんと見れた。
 165cm位でスラッとしたボディーラインだがDカップと抜群のスタイルだ。
 髪は金髪ロングのストレートで碧眼。目を見張る美人で当夜の超好みだった。 
   正確に言うと、召喚された時に当夜の好みを再現されているから当たり前○のクラッカーな状態なのだが、その不自然な美貌さに疑問を持つ余裕は今の当夜にはなかった。
 服装は白い丈の短い清楚なワンピース。丈が合わないので超ミニスカ状態だ。履物は黒い色をしたパンプスのような物だった。不思議なのは、ルナは盗賊から武器を奪い、その剣で切り裂いていた筈だが帰り血がどこにも無く、服にもシミ一つ無い。

 とりあえず倒した盗賊の片付けを行う事となり、体を動かす訓練を兼ねて当夜も動くようにしたのだった。


別作品  
エラーから始まる異世界生活
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