異世界ロマンはスカイダイビングから!

KeyBow

文字の大きさ
20 / 135
第1章

治療

しおりを挟む
 食堂に入った当夜はまずは重傷者から順に治療をしていった。殆どの者が治療を待っていたり、手の施しようがなく死を待っている状況だ。ただし当夜がいなければだ

 村の人口はおおよそ800人と言う。
 300人位が戦いに参加したのだと思う。鍬や包丁、鎌で応戦した者も多いだろう。
 当夜は部位欠損までは治療できなかったが、接合はできた。つまり腕を切り落とされていても、腕を持ってきて切断面に押し付けながら治療をすると接合可能なのだ。
 かなり高度な治療らしく、国全体でもおそらく1名いるかいないかの高度な治療だったらしい。そんな治療を行っている最中に見たのはシャクラ達と同じ位の歳で、死にかけている金髪の上品で可愛らしく綺麗と思われる女の子がいた。放って置けば数時間と持たないだろう。可哀想にと当夜は嘆いた。
 腕を切断されていて、刺し傷や顔に大きな裂傷がある。冒険者だろうか?上品な皮鎧を着ているが傷だらけだ。幸い切断された腕があり、酷だがアモネスに傷口を洗って泥を落とすようお願いした。まず切断面を綺麗にする必要がある。包帯を取り、クリーンを掛ける。顔を見せる拭いてあげたりしているとアモネスが水で洗った腕持ってきた。
 クリーンを唱え腕を切断面に当てながらヒールを強く唱えると、腕が接合され、顔の傷も無くなった。少し呻いていたがもう叫ぶ体力が無かったようだ。治療が終わるとクリーンを唱え、顔を見るときれいな肌が見えていて、かなり整った顔だとわかった。女性の顔の一生傷は酷いから、治って良かったと強く思う当夜だった。
か細い声で感謝され名前を聞かれたので、
当夜「冒険者の当夜と言います。もう命に別状は有りませんが、血を流し過ぎています。よく食べ休んで下さい。それと、貴女の可愛い綺麗なお顔の傷ももう無いから安心して休みなさい。心配ないからね」

 そんな風に接合をしたり治療を行っていた。

 治療をするとあちこちから平伏し崇め奉られてしまい、当夜は驚いていた。
 それと誰も気にしなかったが、100人位を治療しているがケロッとしているのは異常なのだ。大怪我を治すのは通常の治癒術士でも10人が限界になるという。

 全員の治療を終えると既に夕方になっていた。町から兵士1000人位と100人を超える冒険者がようやく辿り着き、死体の処理を手伝っていた。

 今回の魔物は1200匹を超えていて、概ね900匹を当夜達のパーティーが倒した事となった。
 一度魔物達のボスの死体を見る事となり、キング種の死体を検分していて、
当夜「ファンタジー物って主人公は大抵無限収納とか持ってるよな。俺も持っていないかな。収納って言ったら出来たりして。収納」

 とボスの死体を確認しながら【収納】と言うと収納しちゃいました。
 見ていたシャクラが腰を抜かしていたが、当夜自身が一番驚いていたのだ。
 これができる者は国宝級の扱いを受けるという。
 とりあえず上位個体を中心に収納をしていくとガンガン行けてしまう。
 既に治療で目立ってしまっているのと、これだけの魔物を倒した力は隠しようがないのと、どうせいずればれるだろうと思い、堂々と使用する事とした。
 時間停止ができるのか不明だったので、熱いお湯を入れたタライを収納して魔物を一通り収納して回り、1時間位してから出してみると収納した時の温度そのものだった。
 つまり時間停止があるのだ。ただ、容量が無限なのか有限なのかわからなかった。
 少なくともルナが倒した400匹前後は収納できた。門を出て単騎で打って出たので、他の者が倒した死体がないのでわかりやすいから収納していったのだ。当夜自体も400は倒しているのだが。陣取った家の外に400近く、家の中に50位死体があったから判明したのだ。
 オークの肉は食卓の人気な肉の為適量ならば売れるのだが、それなりに重いので馬車のない冒険者は自分が食べるくらいしか持って帰れない。今回は数が多過ぎてどうにもならない為に焼却処分するしかなく、当夜が肉屋に卸す為にどんどん収納しても問題ないのだ。

 オークの死体を集めて焼き払うというので、死体を回収して回ると感謝された。燃やさないと腐って大変な事になるし、燃やすにも薪などが必要でお金がかかるからだ。

 魔石は兵士や冒険者で抜き取りをしてくれていて、誰が倒したか良くわならない村の中の死体から取り出した分の魔石は三等分して村、当夜達のパーティー、町の兵士や冒険者の三つに分け与え、破棄予定の魔物の死体は当夜がすべて回収して回っていた。
 兵士達の分は事後処理や、魔石の解体の費用の代わりにする事になった。
 当夜が一旦収納した自分達が倒した分の死体からもシャクラ達の立会の元、魔石の抜き取りと討伐証明部位を切り分けていって貰ったのである。

 一通り魔物の処理が終わり、残りは住人の死体の埋葬になり、兵士達と共に当夜達は町に帰る事となった。一部の兵が残り、その他は町に帰る事となったのだった。
 理由は単純で宿泊する事が出来る場所が殆んどないので、確保できた人数だけが暫く村に残る事となった。
 また当夜達も馬車に乗せて貰える事となり、夜に町に着き宿に戻ったのだ。部屋を一度出てしまうと風呂付の部屋がなかなか取れない事が分かり、勿体無いがクエスト中も費用を払っていたから町に戻る事となったのだ。
 皆疲れており、風呂に入った後はひたすら眠たくて、順次休んでいったのだ。ギルドへは翌日報告に行く事にし、皆泥のように眠っていったのだ。 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

処理中です...