神獣使いは魔法の使えない魔法使い!〜異世界召喚された魔法使いはヌンチャクの使い手だった!奴隷少女と格闘派魔法使いの異世界成り上がり物語!〜

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第三章 新天地編

第57話 ぷちお茶会

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 紗代子に充てがわれている部屋は12畳ほどの広さがあり、ダブルベッドが1つと小さな机、小さな丸いテーブルと椅子が4脚と作り付けのクローゼットと何故か食器棚がある。

 照明等は豪華な装飾が施されている。三郎はこの部屋って多分最上級の客間なんだろうなと感じ、紗代子が如何に大事に扱われているのかが分かり、心の中で感謝をした。

 そうそう、部屋に入る時にリーナとルーナにクリーンを掛け、綺麗にするのを忘れない。

 紗代子がアッと唸り、この子達の足を拭かなきゃと呟いたので、クリーンを掛けているから大丈夫だよと伝えた。

 本来、部屋の中でも靴を履いて過ごす文化圏だが、紗代子は我儘を聞いてもらい、ドアのマットの所で靴を脱いで過ごしていたからだ。

 ドアを開けたところのマットとスリッパの位置関係から三郎は裸足で過ごしていると判断し、そのまま部屋の中に入ろうとしたソフィアとアルテミスの腕を掴んだ。

「ちょっと待って!ここで靴を脱ぐんだよ。紗代子、ここで靴を脱いでいるんだろ?」

「ごめん!言うの忘れてた!そうなの。どうも西洋風の部屋の中で靴を履くっていうのは馴染めないのよね。って事でソフィア、アルテミス、この部屋では靴を脱いでね!それといらっしゃい」  

 二人は不思議そうに靴を脱いで部屋に入った。

 紗代子は丸テーブルに皆を案内した。

「ちょっと待っててね。お茶会にしましょう!このテーブルはね、お茶会の為に有るんですって!それとお茶会のルールはホストが自らお茶を淹れるんですって。だからお茶を淹れるから座って待っていてね!」

 紗代子が生き生きと話してくれた。

 3人は言われるがままに座り、机でお茶を淹れている様子を見ていた。
 その紗代子の姿に女を見た。こいつこんなに女らしかったかな?と。

 席次は1番大切な者と対面になると後で知った。もしもお茶会を目にしたら座っている席次を見れば、その人間関係が見えてくるのだ。

 どうぞ!

 そう言われ食器棚にあった茶菓子も持ってきた。

 リーナとルーナにも茶菓子を出し、頭を撫でていた。

「もふもふね。ねえ三郎君、リーナちゃんに私も乗りたいな!」

 リーナはわふ!と軽く嘶いた。

「気に入られたようだな!」

「嬉しい。ささ、冷めないうちにおちゃをどうぞ」  

 そうやって出されたお茶は紅茶のようだ。

 アルテミスもソフィアも美味しいとぼそっと言った。

「あっ!美味いな。香りもダージリンティーに近いな」

「でしょ!そうなの。勿論違うのだけど、ここだと最上級のお茶らしいわ」

「なあ、良くしてもらっているのか?」

「うん。良くされ過ぎているかな」

「そう言えば、これ誰のカバンだっけ?」

 三郎がカバンを出した。

「あっ!これ私のよ!中身見た?」

「いや、見る暇は無かったよ。ポケットにあった手帳だけはメモとして使ったが、ソレ以外は観ていないんだ。そうか、お前のだったか」

「なんで私のカバンを持っていたの?」

「ほら、海に飛び込んだろ?浮きの代わりにならないかなって思い、近くにあった背負える鞄を俺用で背負い、もう一つをお前用に咄嗟に取ったんだよ」

「そっか。私のは由里子のだったの。服はサイズが合うから使わせて貰ってたわ」

「そうか。ところで何が入っているんだ?やたら重かったぞ!」

「教えてあげない!女の子の持ち物は詮索しないの!」

「チェッ。しまったな。見とけばよかった!くぅ」

 はははと笑うしかなかったが、アルテミスとソフィアは三郎が笑う姿を初めて見た気がした。

 三郎はあれ?っと思った。時折体がゾクッとなるのだが、気の所為か間隔が短くなってないか?と。疲れかな?位にしか思わず、話を続けていた。

 そうして主に紗代子と三郎の向こうの、特に火災の時の事を話していたので、アルテミスとソフィアは黙って聞いていた。

 するとドアがノックされ、すうっと扉が開いたのであった。
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