外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

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第一章 冒険者編

第18話 リラの涙

 ロイとソニアの二人は意気揚々と解体場に向かった。本来ならば受け付けを経由してからなのだが、ロイはまだギルド職員でもあるので、解体場に直接持ち込み、解体後ガレスが納品書にサインしそれを受付に持っていく。
 今回依頼通りの5匹を渡してきたが、その状態の良さに大いに驚く。

「これは凄いな。俺も長いことやっているが、無傷なのは初めて見たぞ。角もそのままあるじゃないか」

「ほら、僕の特技は魔石を抜きとることじゃないですか。そこにソニアの収納ギフトを組み合わせた結果です」

「こりゃあ好事家が食いつくかもな」

「好事家ですか?」

「知っての通り、ホーンラビットは死を悟ると死ぬ間際に道連れにすべく、自分を倒した相手に角を飛ばす。だから基本は首を落とす。それだと素材として価値のあるところを潰しちまう。だからといって首を落とさずに殺そうとすると、致命傷を負ってから暫く生きていて、道連れを求めて闇雲に発射することもある。そうなると角は使い物にならねぇ。だがこいつは違う。今にも動き出しそうだ。剥製が作れんじゃねぇか?」

 そんな会話もあったが、パーティーを結成したことを祝われ、ほらよと査定書を手渡された。それを受付に持っていけば依頼完了の手続きを行い、お金を得ることができる。

 今回は魔石を売らなかった。加護の検証を行う為に手元に置きたかったのと、ひょっとして戦いの場にて使えるかもと思ったからだ。もちろんガレスには魔石を抜き取り済みなのと、ソニアにも話して了解されている。
 そして受付に向かう。

 リラはソニアとロイがホーンラビットの納品を完了させた後、彼らに向かって謝罪の言葉を口にしたかった。
 彼女は自分の過去の行動に深く反省し、二人の冒険者としての姿勢に敬意を表したかったが、まだその一歩を踏み出せずにいた。
 リラは数ある受付嬢の中で、彼らが自分を選んだ理由がわからず、不安と戸惑いを隠せなかったのだ。

 ロイとソニアの行動から学ぶべきことがあると感じていたが、どの面を下げて話を切り出せばよいのか分からなかった。

 ふと周りを見るといつもの取り巻きがいない。いれば厄介事になるから確認したのだ。
 しかし、昨日のことがあるから、今だ!と、謝罪をしようと意を決して言葉を発っしたが、その口から出たのは言おうとしたのとは違う言葉だった。

「なんで?なんでなの?なんで私なの?」 

 突然リラが詰め寄ってきたので、ロイはまた何かやらかしたかな?とビクンとなる。

「ご、ごめんなさい。また僕、何かやっちゃいました?」

「そうじゃないの!何故恨み言の一つも言わないの?私まだ昨日のことについて、まだお礼を言ってもいないのよ」

 ロイはやらかしたのではないと分かりホッとした。
 リラの頬に涙を見たのと、周りの注目を集めているのを見たソニアはリラに提案する。

「リラさん、人目もあるので別のところでお話しをしませんか?私が間に入るので少し落ち着いて下さい。多分誤解か何かがあるので、ちゃんと話をしましょうよ」

 リラが頷いたので3人で一旦会議室に向かった。

 ロイは以前からリラに言葉で足蹴にされたり、罵声を浴びせられたりしても、それが自分の遅さや未熟さが原因だと考え、リラに対する恨みは持っていなかった。彼女は毅然とした態度で、自分を成長させるための過程の一部として指導している。それにより厳しい扱いを受けているのだと受け入れていたのだ。 
 確かに文句を言われているときは辛かったが、言われた通りに己の行動を直すと、他の職員からの文句が減ったので、有益かつ適正な指導をしてくれていると感謝すらしていた。 
 ただ、もう少し優しく言ってくれたらなぁと思う所はあった程度で、他の受付嬢と違い良い人だなぁと、リラとロイとでは相手に対する印象があまりにも違いすぎたのだった。
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