40 / 95
第一章 冒険者編
第39話 ゴールドランク冒険者テリー
しおりを挟む
ベリーズとミランダの話が終る頃、エリナの心は重い罪悪感に包まれていた。
これまでの自分の無力さを痛感し、彼女は申し訳なさそうに俯くと深い後悔の念に駆られた。
「本当にすみませんでした。皆さんに迷惑をかけてしまい・・・」
エリナは自責の念にかられながらロイに謝罪した。
しかし、ロイはそのように謝罪するエリナに対して、優しく微笑みを浮かべ、温かい言葉をかけた。
「大丈夫だよ、エリナさん。今こうして無事に皆が集まれているのも、互いに助け合った結果だから。これからも、そんな絆を大切にしていけばよいと思うよ。それにエリナさんは後衛のバッファーであって、前衛じゃないんだから」
そう言葉をかける。
エリナはロイの慰めに少しだけ安堵し、感謝の意を込めて微笑みを返した。
その後、ギルドマスターが重要な話を進めるために声をかける。
「それでは、昨日のオークの群れとの戦いについて、ベリーズ、ミランダ、そしてエリナから詳細な報告を聞かせて欲しい」
ギルドマスターの問にベリーズは真っ先に口を開いた。
「実は、我々が遭遇したオークの群れが異常に活発だったのには、ある理由があるのだと思います。その地域はオークたちにとって聖地に近い場所ではないでしょうか?我々が特別な木材を求めてその地に足を踏み入れたことが、彼らの怒りを買ったのです」
ギルドマスターはその話を聞き、顔をしかめた。
「聖地か・・・それは確かに厄介だ。しかし、魔物が土地を神聖視するなどとは聞いたことがない。奴らはその地を守るために、通常以上に攻撃的になったということか。しかし、それだけでなく襲ってきたオークの数が異常に多かったことも気になる。何か他に原因があるのではないか?」
ミランダがその疑問に応えるように言葉をつ紡いだ。
「実を言うと、オークたちが何者かに操られているような気配を強く感じたんだ。あいつらの目には、普段見せない狂気が宿っていたと感じたんだ」
ロイも構成がおかしかったなと、違和感を感じてはいた。
ギルドマスターは深刻な表情でうなずき、思案にふける。
「狂気か・・・これは単なる襲撃以上の何か大きな問題を示している可能性がある。今の話から推測するに、何者かがオーク共にその地、又は木を守らせていたのだろう。この件についてはさらに詳細な調査が必要だ。さてどうしたものか?」
ギルドマスターの言葉に皆沈黙するしかなかった。
そんな中、これまで沈黙を守っていたゴールドランク冒険者であるテリーがようやく言葉を発した。
「その調査、私が引き受けよう」
「さらなる調査の必要性があるのはあるが、良いのか?ゴールドランクのお前さんに動いてもらうのはありがたいが、それほどの調査費は出せんぞ」
その言葉は重く、部屋の空気を一変させた。
「今回は私の身内がしでかしたことです。ロイ君と言ったね。私の名前はテリー。ゴールドランクの冒険者で、『グリフォンズブレイド』というパーティーのリーダーです。私たちはゴールドランクパーティーとして、各地を旅しながら依頼をこなしています。だが、最近耳にしたのは、私の弟たちの悪行の噂なのです。彼らは各地で問題を起こしていて、私は彼らを追っているんです。正義を守り、家族の名誉を清算するために。私は辺境のある子爵家の3男で、弟は5男。ベリーズ君の護衛依頼を受け、君たちに押し付けて逃げようとしたようです。弟はずる賢く、グレーゾーンを巧みに利用して仮に悪巧みが露呈しても言い逃れできるようにし、最悪、町から追放されることになってもそれ以上のことがないようにしている。奴らは5人組だが、今回は3人で依頼を受けていたのが気になる。そんな風に数多くの町を渡り歩いてきたのです。身内が迷惑をかけました。申し訳ない。勝手な言い草だが、今回、パーティーではなく私テリー個人が依頼を引き受ける。申し訳ないがベリーズ君には案内を頼みたい。もちろんベリーズ君の護衛は別に雇います」
ロイたちはその申し出に驚くしかなかった。
これまでの自分の無力さを痛感し、彼女は申し訳なさそうに俯くと深い後悔の念に駆られた。
「本当にすみませんでした。皆さんに迷惑をかけてしまい・・・」
エリナは自責の念にかられながらロイに謝罪した。
しかし、ロイはそのように謝罪するエリナに対して、優しく微笑みを浮かべ、温かい言葉をかけた。
「大丈夫だよ、エリナさん。今こうして無事に皆が集まれているのも、互いに助け合った結果だから。これからも、そんな絆を大切にしていけばよいと思うよ。それにエリナさんは後衛のバッファーであって、前衛じゃないんだから」
そう言葉をかける。
エリナはロイの慰めに少しだけ安堵し、感謝の意を込めて微笑みを返した。
その後、ギルドマスターが重要な話を進めるために声をかける。
「それでは、昨日のオークの群れとの戦いについて、ベリーズ、ミランダ、そしてエリナから詳細な報告を聞かせて欲しい」
ギルドマスターの問にベリーズは真っ先に口を開いた。
「実は、我々が遭遇したオークの群れが異常に活発だったのには、ある理由があるのだと思います。その地域はオークたちにとって聖地に近い場所ではないでしょうか?我々が特別な木材を求めてその地に足を踏み入れたことが、彼らの怒りを買ったのです」
ギルドマスターはその話を聞き、顔をしかめた。
「聖地か・・・それは確かに厄介だ。しかし、魔物が土地を神聖視するなどとは聞いたことがない。奴らはその地を守るために、通常以上に攻撃的になったということか。しかし、それだけでなく襲ってきたオークの数が異常に多かったことも気になる。何か他に原因があるのではないか?」
ミランダがその疑問に応えるように言葉をつ紡いだ。
「実を言うと、オークたちが何者かに操られているような気配を強く感じたんだ。あいつらの目には、普段見せない狂気が宿っていたと感じたんだ」
ロイも構成がおかしかったなと、違和感を感じてはいた。
ギルドマスターは深刻な表情でうなずき、思案にふける。
「狂気か・・・これは単なる襲撃以上の何か大きな問題を示している可能性がある。今の話から推測するに、何者かがオーク共にその地、又は木を守らせていたのだろう。この件についてはさらに詳細な調査が必要だ。さてどうしたものか?」
ギルドマスターの言葉に皆沈黙するしかなかった。
そんな中、これまで沈黙を守っていたゴールドランク冒険者であるテリーがようやく言葉を発した。
「その調査、私が引き受けよう」
「さらなる調査の必要性があるのはあるが、良いのか?ゴールドランクのお前さんに動いてもらうのはありがたいが、それほどの調査費は出せんぞ」
その言葉は重く、部屋の空気を一変させた。
「今回は私の身内がしでかしたことです。ロイ君と言ったね。私の名前はテリー。ゴールドランクの冒険者で、『グリフォンズブレイド』というパーティーのリーダーです。私たちはゴールドランクパーティーとして、各地を旅しながら依頼をこなしています。だが、最近耳にしたのは、私の弟たちの悪行の噂なのです。彼らは各地で問題を起こしていて、私は彼らを追っているんです。正義を守り、家族の名誉を清算するために。私は辺境のある子爵家の3男で、弟は5男。ベリーズ君の護衛依頼を受け、君たちに押し付けて逃げようとしたようです。弟はずる賢く、グレーゾーンを巧みに利用して仮に悪巧みが露呈しても言い逃れできるようにし、最悪、町から追放されることになってもそれ以上のことがないようにしている。奴らは5人組だが、今回は3人で依頼を受けていたのが気になる。そんな風に数多くの町を渡り歩いてきたのです。身内が迷惑をかけました。申し訳ない。勝手な言い草だが、今回、パーティーではなく私テリー個人が依頼を引き受ける。申し訳ないがベリーズ君には案内を頼みたい。もちろんベリーズ君の護衛は別に雇います」
ロイたちはその申し出に驚くしかなかった。
応援ありがとうございます!
531
お気に入りに追加
1,881
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる