43 / 125
第一章 冒険者編
第42話 調査依頼開始
ほどなくして目的地の近くに到着し、これより先は馬車で向かうのは困難になった。
街道を外れた静かな森の中で、エリナは馬と馬車に加護を施し、強力な結界魔法を展開した。
テリーは持ってきた魔道具に魔石をセットすると、その魔法は数時間持続することになり、彼らが安全に戻るまで魔物から守る盾となる。
かなり高価なのだが、そこはゴールドランク冒険者。色々な便利アイテムを持っている。
馬の安全を確保すると、6人はスライムが生息する湿地に足を踏み入れ、先を進む。すると程なくしてスライムが現れた。
先頭を進むテリーは剣を抜き、戦闘態勢に入ろうとしたが、ロイはテリーを制止した。
「テリーさん、別の倒し方があるので、スライムは僕とソニアに任せてください」
「別の倒し方ですか?興味がありますね。分かりました。私は周りの警戒をしましょう」
このイケメン戦士は細身だが凄腕の剣士だ。
ミスリルのブロードソードを愛用し、パワーより一瞬で間合いに入り急所に剣を振るう戦闘スタイルが有名だ。
いつものようにソニアを庇いつつ接近し、網で捕まえてから触れる。
そうして液体状のスライムを確保し、今回ロイはそのスライムに魔石を砕いて混ぜることを行った。
「魔石を抜き取った後、そのまま収納してしまうと体液が固まるんです。でも魔石を入れると固まらず、更にこうして魔石を砕くと品質が上がるようなんです。ただ、これは僕のような魔石抜き取りのギフトにて可能な技なんですけどね。中級や上級回復ポーションの材料になるんです」
テリーは疑問を抱きながらも、ロイの説明を聞いて納得した。
「そうか。最近、この町のバーモント商会で品質の高いポーションが売っていたのはひょっとしてロイ君たちのお陰かい?」
結局のところ、リックガントとコナリスが作った回復ポーションは、テリーたちによって購入されていたことが分かり、世の中は狭いなとロイはしみじみと感じた。
「僕らが作ったポーションを買って頂いたのですか!」
「ひょっとして上級もそうなのかい?」
「昨日バーモント商会に納品しましたが、まさか・・・それもですか?」
「ああ。あれは中々買えなくてね。売っているのを見付け次第、買っているんだ」
あれはそんなにホイホイと買える値段じゃないのになと驚きつつ、買ってくれたテリーに感謝した。
「ちょっとロイ様、何なの?兄貴から聞いたけど、アタイに飲ませたのってこうやって捕まえたスライムなの?」
「ミランダさん、お腹は大丈夫でしょ?このスライムの体液なら、初級回復ポーションと中級回復ポーションの間の効果があると思いますよ」
「アタイはスライムに生かされたんだ」
「そうだ。からだの調子が良くなるので、飲んで、更に食べてください!ミランダさんのお肌も荒れているから、これを食べればソニアのような綺麗な肌になるよ。ミランダさんは元々整った顔をしているようだから、街を歩くと、多くの人が振り向くようになると思うな」
そんなふうにロイが口説いているのか?と誤解される物言いをしていたが、ソニアは黙って固体化したスライムを出した。
おもむろに取り出したナイフでロイは切り分け、ソニアと共に先に食べた。
そして今倒したばかりのスライムの体に体液を抜き取る道具を突き刺すと、抜き取った体液を美味しそうに飲んでみせた。
その様子を見て顔を青くするミランダとエリス。
テリーはロイを怪訝そうな目で見ていた。
「ミランダさん、エリスさん、このスライムの身は食べるとお肌が私のように艶艶になるんですよ!それに美味しいので騙されたと思って口にしてみてください」
「なら私から頂こう」
テリーが申し出て、ベリーズもそれがしもと口にした。
「な、なんだこれは?美味いな。君たちも食べてみると良いよ」
「ミランダ、食べてみろ。美味いぞ」
その普段の言質とは裏腹にビビリなミランダが恐る恐る手に取り、ママヨ!と唸り口にいれ、体液も口に含む。そして一気に飲み干し、プハーと満足顔になった。
「美味しいし!何だこれは!すっげぇ美味いぞお!」
ミランダは一瞬迷うも覚悟を決めて飲み干したが、直ぐにテンションが高くなっていた。それを見たエリスも意を決して口に入れる。
「す、すごいです!スライムがこんなに美味しいだなんて!」
「でしょ!美容に良く、美味しいとよいこと尽くめなんだ」
しばしスライムの身のことを話していたが、小休止を終えて6人は再び歩みを進めるのだった。
街道を外れた静かな森の中で、エリナは馬と馬車に加護を施し、強力な結界魔法を展開した。
テリーは持ってきた魔道具に魔石をセットすると、その魔法は数時間持続することになり、彼らが安全に戻るまで魔物から守る盾となる。
かなり高価なのだが、そこはゴールドランク冒険者。色々な便利アイテムを持っている。
馬の安全を確保すると、6人はスライムが生息する湿地に足を踏み入れ、先を進む。すると程なくしてスライムが現れた。
先頭を進むテリーは剣を抜き、戦闘態勢に入ろうとしたが、ロイはテリーを制止した。
「テリーさん、別の倒し方があるので、スライムは僕とソニアに任せてください」
「別の倒し方ですか?興味がありますね。分かりました。私は周りの警戒をしましょう」
このイケメン戦士は細身だが凄腕の剣士だ。
ミスリルのブロードソードを愛用し、パワーより一瞬で間合いに入り急所に剣を振るう戦闘スタイルが有名だ。
いつものようにソニアを庇いつつ接近し、網で捕まえてから触れる。
そうして液体状のスライムを確保し、今回ロイはそのスライムに魔石を砕いて混ぜることを行った。
「魔石を抜き取った後、そのまま収納してしまうと体液が固まるんです。でも魔石を入れると固まらず、更にこうして魔石を砕くと品質が上がるようなんです。ただ、これは僕のような魔石抜き取りのギフトにて可能な技なんですけどね。中級や上級回復ポーションの材料になるんです」
テリーは疑問を抱きながらも、ロイの説明を聞いて納得した。
「そうか。最近、この町のバーモント商会で品質の高いポーションが売っていたのはひょっとしてロイ君たちのお陰かい?」
結局のところ、リックガントとコナリスが作った回復ポーションは、テリーたちによって購入されていたことが分かり、世の中は狭いなとロイはしみじみと感じた。
「僕らが作ったポーションを買って頂いたのですか!」
「ひょっとして上級もそうなのかい?」
「昨日バーモント商会に納品しましたが、まさか・・・それもですか?」
「ああ。あれは中々買えなくてね。売っているのを見付け次第、買っているんだ」
あれはそんなにホイホイと買える値段じゃないのになと驚きつつ、買ってくれたテリーに感謝した。
「ちょっとロイ様、何なの?兄貴から聞いたけど、アタイに飲ませたのってこうやって捕まえたスライムなの?」
「ミランダさん、お腹は大丈夫でしょ?このスライムの体液なら、初級回復ポーションと中級回復ポーションの間の効果があると思いますよ」
「アタイはスライムに生かされたんだ」
「そうだ。からだの調子が良くなるので、飲んで、更に食べてください!ミランダさんのお肌も荒れているから、これを食べればソニアのような綺麗な肌になるよ。ミランダさんは元々整った顔をしているようだから、街を歩くと、多くの人が振り向くようになると思うな」
そんなふうにロイが口説いているのか?と誤解される物言いをしていたが、ソニアは黙って固体化したスライムを出した。
おもむろに取り出したナイフでロイは切り分け、ソニアと共に先に食べた。
そして今倒したばかりのスライムの体に体液を抜き取る道具を突き刺すと、抜き取った体液を美味しそうに飲んでみせた。
その様子を見て顔を青くするミランダとエリス。
テリーはロイを怪訝そうな目で見ていた。
「ミランダさん、エリスさん、このスライムの身は食べるとお肌が私のように艶艶になるんですよ!それに美味しいので騙されたと思って口にしてみてください」
「なら私から頂こう」
テリーが申し出て、ベリーズもそれがしもと口にした。
「な、なんだこれは?美味いな。君たちも食べてみると良いよ」
「ミランダ、食べてみろ。美味いぞ」
その普段の言質とは裏腹にビビリなミランダが恐る恐る手に取り、ママヨ!と唸り口にいれ、体液も口に含む。そして一気に飲み干し、プハーと満足顔になった。
「美味しいし!何だこれは!すっげぇ美味いぞお!」
ミランダは一瞬迷うも覚悟を決めて飲み干したが、直ぐにテンションが高くなっていた。それを見たエリスも意を決して口に入れる。
「す、すごいです!スライムがこんなに美味しいだなんて!」
「でしょ!美容に良く、美味しいとよいこと尽くめなんだ」
しばしスライムの身のことを話していたが、小休止を終えて6人は再び歩みを進めるのだった。
あなたにおすすめの小説
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~
リーフレット
ファンタジー
「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」
帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。
アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。
帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。
死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。
「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」
追放された無能鑑定士、実は世界最強の万物解析スキル持ち。パーティーと国が泣きついてももう遅い。辺境で美少女とスローライフ(?)を送る
夏見ナイ
ファンタジー
貴族の三男に転生したカイトは、【鑑定】スキルしか持てず家からも勇者パーティーからも無能扱いされ、ついには追放されてしまう。全てを失い辺境に流れ着いた彼だが、そこで自身のスキルが万物の情報を読み解く最強スキル【万物解析】だと覚醒する! 隠された才能を見抜いて助けた美少女エルフや獣人と共に、カイトは辺境の村を豊かにし、古代遺跡の謎を解き明かし、強力な魔物を従え、着実に力をつけていく。一方、カイトを切り捨てた元パーティーと王国は凋落の一途を辿り、彼の築いた豊かさに気づくが……もう遅い! 不遇から成り上がる、痛快な逆転劇と辺境スローライフ(?)が今、始まる!
出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた
黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆
毎日朝7時更新!
「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」
過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。
絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!?
伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!?
追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!