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第1章 入試篇
第30話 出た
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フォルクスがオークのリーダーと思われる死体から魔石を抜き取っていたが、それを見ていたリズが指摘をしてきた
「フォルクス殿、既に気が付かれているとは思いますが、これはオークの上位種ではないか?魔石の大きさが一回り違うし、色も少し違うと思うのだが」
「そのようだね。しかしいきなりだったから焦ったよ」
シーラがフォルクスの体をベタベタ触ってきた
「ちょっと、あんた大丈夫なの?さっき吹き飛ばされていたでしょ?」
「ああ、肋が何本かやられたけど、俺がヒールを使えるのを忘れてないか?」
「だ、大丈夫なのよね?心配したんだからね!痛くないの?」
「シーラは優しいな。うん、大丈夫たよ。ヒールを使う前は痛かったけど、今はもう大丈夫だよ。よし、死体を回収しようか。シーラが倒したのは何かいい匂いがするな」
フォルクスの前にラティス、後ろをカーラとシーラが警戒し死体を回収して回る。べソンとリズは周辺の偵察に出た。リズに軍隊仕込の斥候術を教えるのもあり、二人で向かっていった。
今は魔石を取り出してからの回収を後回しにし、魔石を抜き取らずに死体の回収に徹する事にした。
「あいつの収納ってつくづく便利よね。一家に一人欲しいわ」
「あらあら、フォルクスさんは一人しかいませんわよ。私もフォルクスさんの収納には同意見ですけれども」
ラティスも話に入って来た
「私も同じ意見だぞ」
「あらあら困りましたわね。フォルクス様は一人。でも私達は皆フォルクスさんを必要としてます。さてどうしましょう」
「じゃあ、3人でフォルクス殿を共有すれば解決ではないか!幸い私達は3人共フォルクス様殿のモノなのだから。これで一家に一人!」
「そうですね。私は依存ありませんよ。勿論シーラもそうですよね?」
シーラは真っ赤になりながら頷くが、丁度回収が終わったフォルクスが3人に問うた
「ほらそこ、おしゃべりなんかしている暇はないぞ。所で何を熱く話し合っているんだ?」
「はい、フォルクス殿を私達3人で共有すれば問題解決ではないか!と話していた所なのだ」
「えっ?共有すればってどういう事?」
「うふふ。フォルクスさんが私達3人を娶るって事ですのよ!」
「ちょっと待って?なんの事だ?えっと、そのなんだ、話の展開についていけないんだけど?」
「はいはい、お話をしている暇はないから、もうお話はお終いなんだから。ほら、リズ達が斥候から戻って来たわよ」
釈然としないフォルクスだが、べソン達と話をしなければならないので3人には周りの警戒をお願いした。
今の所皆は各々自分の長所を活かし、そこから可能な役割を自ら考えてくれていた。その為現段階でフォルクスは最終調整だけで済んでいた。3人に警戒をお願いをしこそしていたが、実際は既に警戒をしていたので彼女達の選択を追認した形だ。
「もう2、3分で奴が、一つ目の巨人が来るぞ!来るぞ来るぞ!」
べソンか珍しく興奮しながら半ば叫んでいた。
目撃例だと約4 m位という。とてもではないが、まともにやりあって勝てる相手ではない。少なく共今の彼らの実力でまともにやりあって勝てる筈は無いのだ。
だがフォルクス達には作戦が有った。昨夜のうちに皆で話し合い、決めた内容があるのだ。
「よし、作戦通りここで迎え討つ。ただ、少し修正を加える。シーラ、さっきのフレイムランスはまだ行けるか?」
「問題ないわ」
「うん。シーラが使う魔法はフレイムランスで、そうだな、ありったけの魔力を込め奴の目を撃ち抜いてくれ。胴体に向って魔法を放つのを止めて、目に対して大魔力のフレイムランスを撃ち込むのに変更だ。」
「分かったけど、聞いている背の高さだとまず当たらないわよ」
「大丈夫だ。俺がシーラを抱き抱えてジャンプするから。しっかり抱いているから俺を信じるんだ。怖くなるから下は見ない方が良い」
フォルクスの真剣な顔にシーラは頷く。
シーラの魔力がおそらく切れてしまうので、リズにシーラの面倒をお願いした。そしてべソンはそんなシーラ達の護衛だ。
シーラは最初の一撃を放った後休ませ、その後フォルクスで倒す事になる。ラティスには結界をお願いをしてあるので、攻撃に参加するのが厳しい。だが最初の一撃が決まった後はシーラを安全な所に行かせ、結界が不要になった後はラティスがシーラを守る。
そうするとべソンが戦闘参加可能になる。そういう予定ではあるがあくまで計画に過ぎない。
べソンは先程斥候に出た時に丁度サイクロプスを見付けたのだ。理由は分からないが、先程のオーク達と同じルートを辿ってこちらに向かって来ているようで、まもなく来るというのだ。先ずはフォルクスが色々な属性の魔法を放って足止めを試みる。その間にシーラがフレイムランスの発動の詠唱等を行うのだが、フォルクスの魔法が戦闘の合図という事になる。
やがてそのサイクロプスが道に現れた。先頭にいたフォルクスと目が合い
「がおおぉー」と叫び出し、手に持っていた棍棒を振りかぶって威嚇してきた。背丈は4 mに少し届かないだろうか、フォルクスが思っていたのよりは一回り小さいが、それでもフォルクスの倍以上の背丈がある。
まともに組み合えばあっさり吹き飛ばされるであろうというような膂力の持ち主である。フォルクスはファイヤーボール、ウォーターボール、アイスショット、ウォーターショット、ストーンショット、ウインドカッターなどを次々と放つ。
どの属性魔法が効くのかが分らないから、色々な魔法を投げつけとりあえず試したのだ。そして複数の魔法を同時に放つという離れ業をやってのけたのだが、どれも魔法名を唱えるだけであった。
ただ、これは事前の調査不足にしか過ぎない。ギルドの書庫にちゃんと弱点が書かれている本があったのだが、時間がないというのもあり調べ無かったのだ。土属性の性質で、苦手は水。風と火は少し耐性があり、土は逆に活性化させる。
フォルクスが知っていて今使える魔法の中では一番貫通力があるのがフレイムランスだったのだが、最初に放ったフォルクスの魔法で得意属性は分かったが、今更変更できないので続行になった。
詠唱が無いのでシーラは感心していた。シーラはと言うとフレイムランスをありったけの魔力を使って絞り出し、一つの大きな槍を作っていた。
そしてサイクロプスはフォルクスの魔法に対する防御姿勢をとった為に、足が止まったのでフォルクスはラティスに叫んだ
「ラティス、今だ!」
そう言うとサイクロプスの頭だけを出す形で結界が張られた。
「30秒も持たないぞ!」
ラティスが不安げに言うが、それで十分だ。
それだけを言いフォルクスはシーラを抱き抱え、ジャンプと心の中で思う。するとシーラを抱えて飛ぶのに十分な風を足元に感じ、シーラと二人してサイクロプスの目の高さまで飛んだ。
今だと言う必要はなかった。
シーラは自分の役目が分かっており、
「いっけー」
と言いながら、ありったけの魔力を込めたフレイムランスを魔法陣から引き抜き、一気に目を目掛けて投げつけたのであった。
「フォルクス殿、既に気が付かれているとは思いますが、これはオークの上位種ではないか?魔石の大きさが一回り違うし、色も少し違うと思うのだが」
「そのようだね。しかしいきなりだったから焦ったよ」
シーラがフォルクスの体をベタベタ触ってきた
「ちょっと、あんた大丈夫なの?さっき吹き飛ばされていたでしょ?」
「ああ、肋が何本かやられたけど、俺がヒールを使えるのを忘れてないか?」
「だ、大丈夫なのよね?心配したんだからね!痛くないの?」
「シーラは優しいな。うん、大丈夫たよ。ヒールを使う前は痛かったけど、今はもう大丈夫だよ。よし、死体を回収しようか。シーラが倒したのは何かいい匂いがするな」
フォルクスの前にラティス、後ろをカーラとシーラが警戒し死体を回収して回る。べソンとリズは周辺の偵察に出た。リズに軍隊仕込の斥候術を教えるのもあり、二人で向かっていった。
今は魔石を取り出してからの回収を後回しにし、魔石を抜き取らずに死体の回収に徹する事にした。
「あいつの収納ってつくづく便利よね。一家に一人欲しいわ」
「あらあら、フォルクスさんは一人しかいませんわよ。私もフォルクスさんの収納には同意見ですけれども」
ラティスも話に入って来た
「私も同じ意見だぞ」
「あらあら困りましたわね。フォルクス様は一人。でも私達は皆フォルクスさんを必要としてます。さてどうしましょう」
「じゃあ、3人でフォルクス殿を共有すれば解決ではないか!幸い私達は3人共フォルクス様殿のモノなのだから。これで一家に一人!」
「そうですね。私は依存ありませんよ。勿論シーラもそうですよね?」
シーラは真っ赤になりながら頷くが、丁度回収が終わったフォルクスが3人に問うた
「ほらそこ、おしゃべりなんかしている暇はないぞ。所で何を熱く話し合っているんだ?」
「はい、フォルクス殿を私達3人で共有すれば問題解決ではないか!と話していた所なのだ」
「えっ?共有すればってどういう事?」
「うふふ。フォルクスさんが私達3人を娶るって事ですのよ!」
「ちょっと待って?なんの事だ?えっと、そのなんだ、話の展開についていけないんだけど?」
「はいはい、お話をしている暇はないから、もうお話はお終いなんだから。ほら、リズ達が斥候から戻って来たわよ」
釈然としないフォルクスだが、べソン達と話をしなければならないので3人には周りの警戒をお願いした。
今の所皆は各々自分の長所を活かし、そこから可能な役割を自ら考えてくれていた。その為現段階でフォルクスは最終調整だけで済んでいた。3人に警戒をお願いをしこそしていたが、実際は既に警戒をしていたので彼女達の選択を追認した形だ。
「もう2、3分で奴が、一つ目の巨人が来るぞ!来るぞ来るぞ!」
べソンか珍しく興奮しながら半ば叫んでいた。
目撃例だと約4 m位という。とてもではないが、まともにやりあって勝てる相手ではない。少なく共今の彼らの実力でまともにやりあって勝てる筈は無いのだ。
だがフォルクス達には作戦が有った。昨夜のうちに皆で話し合い、決めた内容があるのだ。
「よし、作戦通りここで迎え討つ。ただ、少し修正を加える。シーラ、さっきのフレイムランスはまだ行けるか?」
「問題ないわ」
「うん。シーラが使う魔法はフレイムランスで、そうだな、ありったけの魔力を込め奴の目を撃ち抜いてくれ。胴体に向って魔法を放つのを止めて、目に対して大魔力のフレイムランスを撃ち込むのに変更だ。」
「分かったけど、聞いている背の高さだとまず当たらないわよ」
「大丈夫だ。俺がシーラを抱き抱えてジャンプするから。しっかり抱いているから俺を信じるんだ。怖くなるから下は見ない方が良い」
フォルクスの真剣な顔にシーラは頷く。
シーラの魔力がおそらく切れてしまうので、リズにシーラの面倒をお願いした。そしてべソンはそんなシーラ達の護衛だ。
シーラは最初の一撃を放った後休ませ、その後フォルクスで倒す事になる。ラティスには結界をお願いをしてあるので、攻撃に参加するのが厳しい。だが最初の一撃が決まった後はシーラを安全な所に行かせ、結界が不要になった後はラティスがシーラを守る。
そうするとべソンが戦闘参加可能になる。そういう予定ではあるがあくまで計画に過ぎない。
べソンは先程斥候に出た時に丁度サイクロプスを見付けたのだ。理由は分からないが、先程のオーク達と同じルートを辿ってこちらに向かって来ているようで、まもなく来るというのだ。先ずはフォルクスが色々な属性の魔法を放って足止めを試みる。その間にシーラがフレイムランスの発動の詠唱等を行うのだが、フォルクスの魔法が戦闘の合図という事になる。
やがてそのサイクロプスが道に現れた。先頭にいたフォルクスと目が合い
「がおおぉー」と叫び出し、手に持っていた棍棒を振りかぶって威嚇してきた。背丈は4 mに少し届かないだろうか、フォルクスが思っていたのよりは一回り小さいが、それでもフォルクスの倍以上の背丈がある。
まともに組み合えばあっさり吹き飛ばされるであろうというような膂力の持ち主である。フォルクスはファイヤーボール、ウォーターボール、アイスショット、ウォーターショット、ストーンショット、ウインドカッターなどを次々と放つ。
どの属性魔法が効くのかが分らないから、色々な魔法を投げつけとりあえず試したのだ。そして複数の魔法を同時に放つという離れ業をやってのけたのだが、どれも魔法名を唱えるだけであった。
ただ、これは事前の調査不足にしか過ぎない。ギルドの書庫にちゃんと弱点が書かれている本があったのだが、時間がないというのもあり調べ無かったのだ。土属性の性質で、苦手は水。風と火は少し耐性があり、土は逆に活性化させる。
フォルクスが知っていて今使える魔法の中では一番貫通力があるのがフレイムランスだったのだが、最初に放ったフォルクスの魔法で得意属性は分かったが、今更変更できないので続行になった。
詠唱が無いのでシーラは感心していた。シーラはと言うとフレイムランスをありったけの魔力を使って絞り出し、一つの大きな槍を作っていた。
そしてサイクロプスはフォルクスの魔法に対する防御姿勢をとった為に、足が止まったのでフォルクスはラティスに叫んだ
「ラティス、今だ!」
そう言うとサイクロプスの頭だけを出す形で結界が張られた。
「30秒も持たないぞ!」
ラティスが不安げに言うが、それで十分だ。
それだけを言いフォルクスはシーラを抱き抱え、ジャンプと心の中で思う。するとシーラを抱えて飛ぶのに十分な風を足元に感じ、シーラと二人してサイクロプスの目の高さまで飛んだ。
今だと言う必要はなかった。
シーラは自分の役目が分かっており、
「いっけー」
と言いながら、ありったけの魔力を込めたフレイムランスを魔法陣から引き抜き、一気に目を目掛けて投げつけたのであった。
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