先輩いい加減にしてくださいっ！～意地っ張りな後輩は、エッチな先輩の魅力に負けてます～

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五十五 どういうのが好き？

　吉永をベッドに寝かせ、覆い被さる。肌をまさぐりながら唇を重ね、舌を絡ませる。吉永は俺の背に腕を回し、脚を俺の太股に擦り付ける。どういうのが好きなのか、解っていらっしゃる。

「あんま煽るなって」

　ちゅ、と音を立てて唇を離し、頬に目蓋にキスをする。

「煽ってねえだろ。意味わかんないこと言うな……っ」

「嘘つけ、わざとのクセに」

　言い合いながらキスを繰り返す。わざとじゃなかったら、なんだってんだ。誘うの上手いくせに。ビッチめ。

　首筋に唇を這わせ、キスをする。首、鎖骨、胸とキスを降らせ、舌を這わせた。

「っ、ん……」

　吉永の声が甘い。その声をもっと聴きたくて、突起に舌を伸ばす。ちゅぱ、ちゅぷと吸い付きながら先端を舌先でくすぐると、ツンと赤く腫れ上る。

「んぁ、んっ……！　あ、ん……」

　甘い声を聴きながら弄くると、美味く思えてくるから不思議だ。ねっとりと舌を這わせ、丹念に味わう。吉永の羞恥の表情も相まって、非常に興奮する。

「乳首感じるようになっちゃって、困らない？」

「っ、別、に」

「そうかなぁ」

　指先でカリッと引っ掻くと、ビクッと身体が跳ねる。

「こう、うっかり触っちゃうとかないの？」

「ぅ、あっ……ん……っ！」

　吉永はかなり、敏感だと思うんだけどな。まあ、他所でこんな顔されちゃ、吉永が困らなくとも俺が困る。他のやつに見せたくないのに。

「あん、ま、弄ん、なぁっ……！」

「何で。気持ちイイだろ？」

「ひぅっ、んっ！」

　ビクッ、ビクン。身体が跳ねる。ちょっとだけ、オモチャを持ってくれば良かったと思う。吉永は嫌がらないだろうし、身体はむしろ喜んでいるように見える。この身体を好きに出来るのは自分だけだと思うと、余計に興奮した。

「今度、乳首用のバイブ買おうよ」

「っ、勝手に、しろっ……あ、あっ！」

　快感に、吉永の腰が揺れる。本当に、エロい身体だ。

（勝手にして良いのか）

　開発されちゃっても、構わないらしい。行くところまで行ってしまったら、どうするんだろう。

　まあ、その時は――その時でなくとも、責任はとるつもりだけど。

（もう、手放す気、ないし）

　漠然と、吉永とはもう離れることはないのだと確信している。吉永以上に好きになるひとに出会えると思えない。吉永以上に相性が良い相手に出会えるとも思えない。俺が今、燃え上がっているからそう思うだけなんだろうか。今まで付き合って来た相手は、ファッションみたいな飾り物のような恋人ばかりで、のめり込んだ経験がない。なんとなく付き合って、なんとなく別れた。大抵は相手から別れを切り出されて、「別れたい」と言われたら「良いよ」と返していた。そんな時彼女が、どんな顔をしていたのか思い出せない。

　吉永に別れたいと言われたら――。

（死ぬな）

　クスと笑って、腹にキスをする。吉永が不審な顔で俺を見た。

「何？」

「何でもない」

　不満そうに顔を顰めたが、追及はしてこなかった。

「あっ、ん……。航平、また、イっちゃう、から……」

「平気だろ？」

「……」

　吉永の手が、下腹部に伸びる。穴に指を這わせ、自分で拡げるようにして見せつける。

「――」

「こっちで、イきたい……、から」

　ゴクリ。喉を鳴らす。

　そんな風に誘われて、理性的でなんかいられるわけがない。

　ローションの袋を開けて、入り口に塗り付ける。吉永はピクっと膝を揺らして、自分から左右に脚を開いた。

（エロいんだから……）

　風呂場で弄ったから、濡らせば入るだろう。コンドームを着け、それにもローションを塗りたくる。

「吉永は、後ろ弄られんの好きだよな」

「悪い、かよ」

「いや、悪くない。むしろ、良い」

「なんだそれ」

　良いに決まってる。セックス出来んのも、付き合うようになったのも、それが理由だ。否定する必要なんかない。吉永が俺しか誘わないのなら、何の問題もない。吉永は俺のものになったのだし。

　荒い呼気を吐き出して欲情した顔の吉永を見下ろす。吉永は色んな表情を見せる。先輩みたいな頼りになる顔。一緒に馬鹿やってる時の、悪ガキ見たいな顔。もたれかかって、甘えて来る顔。拗ねてそっぽを向いた顔。俺を誘惑して、蠱惑的な笑みを見せる。蕩けて、欲望にまみれた顔。どの顔も、たまらなく愛おしい。

（泣き顔も好きだけどな）

　そっと頬に触れ、一度キスをする。濡れた性器の先端をアナルに押し当てる。

「んぁ」

　ぬぷ、と肉輪を割り開き、奥へと挿入する。僅かな抵抗を感じながら、奥へと押し込む。吉永は太腿をぴく、ぴくんと震わせながら、息を大きく吐き出す。

「――は、っ、ん……は……ぁ」

　途切れ途切れに吐き出された声が、色っぽい。何度繋がっても、何度吉永のナカを侵しても、欲望は尽きることがないようだった。

　もっと欲しい。貪欲な感情が胸の内をじわじわと占めていく。

「吉永っ……」

　名前を呼びながら、太腿をぐっと掴んで引き寄せる。ぐぷっ、と腰を押し込め、奥へと突き刺した。

「んぅっ！」

　ずん、と鈍く響かせて、ずっぽりと尻穴に性器を突き刺す。ドクドクと、つながった部分が脈打った。吉永の中は熱く、呼吸のたびにくぷ、くぽと肉棒に吸い付いてくる。

（挿入れてるだけで、気持ちい……）

　ぜぇ、と呼吸を鳴らして息を吐き出す。吉永がハァハァと声を漏らす。落ち着いてきたのを見計らって、腰を揺り動かした。

「あ――、ん……航…平」

　じゅぷ、ずぷっと、音が鳴る。はじめはゆっくりと。奥をぐりぐりと捻じ込むように。先端で良いところを擦るように。何度も挿入を繰り返す。

「あ、あっ……！　んっ……、あ！」

　突き上げる度に、吉永が鳴く。同時に脚が宙を掻く。

「吉永っ……、すげ……、良い……」

「ひぅっ、んっ…！　あ、あ、あっ！！」

　ずん、ずんと突き上げる。ビクビクと身体を震わせながら、吉永が腕を伸ばす。吉永の身体を掻き抱きながら、唇を重ねた。

　何度もキスを繰り返しながら、突き上げる。このまま二人、混ざり合ってしまいそうだ。

　やがて、吉永がビクンと身体をしならせ、精液を吐き出す。同時にアナルがきゅうっと締まる。

　その刺激に促され、俺も同時に果てたのだった。