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めでたしめでたし
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いつかどこかの、東の地。
今日も風変わりな店で麗人は生きている。
ほんの少し外観は西洋を取り入れたが、それでも白と黒だけで造られた屋敷はそこにあり、奇矯な客ばかりをもてなしていた。
そんな店の戸をくぐる、一つの影があった。
「すみません。こちらに、鬼道の……魔法使いがいるって聞いたんですけど」
勝気そうな、若い女の声だった。
いつか聞いたような、懐かしい色を帯びている。
「――お客さんかな」
男とも女ともつかない装束を纏った古き鬼道は、外つ国に倣って『魔法使い』と名を変えながら、変わらぬ笑みで呵々と笑った。
「ここにゃ名前もねえが……用があるなら気楽にゆっくりしていくといい」
金無垢の目が、美しい笑みを描いて客を手招く。
「我にはいくらでも時間があるからね。気が済むまで付き合うとも」
笑うその目に、ひらりと舞う青い蝶が映っていた。
今日も風変わりな店で麗人は生きている。
ほんの少し外観は西洋を取り入れたが、それでも白と黒だけで造られた屋敷はそこにあり、奇矯な客ばかりをもてなしていた。
そんな店の戸をくぐる、一つの影があった。
「すみません。こちらに、鬼道の……魔法使いがいるって聞いたんですけど」
勝気そうな、若い女の声だった。
いつか聞いたような、懐かしい色を帯びている。
「――お客さんかな」
男とも女ともつかない装束を纏った古き鬼道は、外つ国に倣って『魔法使い』と名を変えながら、変わらぬ笑みで呵々と笑った。
「ここにゃ名前もねえが……用があるなら気楽にゆっくりしていくといい」
金無垢の目が、美しい笑みを描いて客を手招く。
「我にはいくらでも時間があるからね。気が済むまで付き合うとも」
笑うその目に、ひらりと舞う青い蝶が映っていた。
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完結、お疲れさまでした!
樹鶴にもう会えないのが寂しいです。
ゆったりとして、美しく、悲哀の世界観が好きでした。
次回作も楽しみにしています!
再びのコメントありがとうございます!
お陰様で無事完結することが出来ました。
寂しいと言っていただけるほどに、樹鶴のことや世界観を好いていただけたこと、本当にうれしいです。
あの麗人の人生はとても長いので、またどこかで皆様の前に登場してもらうことがあるかもしれません。そのときはまた、親しんでいただければと思います。
次回作も楽しんで頂けるよう、精いっぱい執筆いたしますね!
重ね重ね、応援ありがとうございました。
はじめまして。
たゆたうお弟子さん、導く師匠、とても優しい物語で面白いです。
お気に入り登録してみました。
更新楽しみにしています。
はじめまして。
感想ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです。
お気に入り登録もありがとうございます。
更新頑張りますね!