12 / 89
12 命令です
しおりを挟む
エドウィンに結界を解いてもらってから扉を開けると、血相を変えたニスカーナンが転がるように部屋に飛び込んできた。宰相自ら来ちゃったのか。それに後ろにぞろぞろ騎士も付いて来てる。
「神子様? 何かお気に召さない事がありましたか? 直ぐに対処いたしますのでどうかお静まりください!」
うん、まあ、お気に召さない事はあったな…。でもそれを言っちゃうとエドウィンとロデリックが命令違反したことがバレてしまう。
「ああ、大丈夫です。前の世界で殺された時の事を思い出したら感情が高ぶってしまって雷が落ちたようです。護衛二人の顔を見ていたら落ち着きました」
お騒がせしてすみません、と肩で息をしているニスカーナンに笑顔を向けたら、見る見るうちにホッとした表情に変わっていった。
「さようでございますか。何事も無くて安心いたしました」
突然押しかけたことを詫びてニスカーナンは騎士たちを引き連れて帰っていった。
今はまだ内緒話中だから、さっさといなくなってくれないと困る。感情を上手くコントロールしないとまた騒ぎになるだろうから気を付けなくては。
「ニスカーナンも帰った事だし、もう少し質問に付き合ってくれる? あ~っと違うな、これも命令だから。正直に答えるように」
宰相であるニスカーナンが来たためか二人は護衛モードで俺の後ろに立っていた。
いつの間にかロデリックは兜も被っている。俺の『命令』に笑いを堪えてる様子の二人を即してまたソファーに座ってもらい質問を再開した。
「過去の神子たちの資料とかないかな? 講師の人、ええと…、クルサード侯爵の説明は偏っているだろう? 他に知る方法があれば教えて欲しい」
クルサード侯爵は神子について質問しなければ優秀な講師として対応してくれていると思う。でも神子に関しては駄目だ。まともな答えが返ってくる気がしない。
「代々の神子様についてはクルサード侯爵が最も詳しいのですが、あの方は先々代の神子様に相当怖い目に合わされたという噂があるのです」
「そして恐らくニスカーナン様からの命令も受けていると思います。ですがアキラ様が『命令』すれば答えてくれるかと…」
二人がまた悪い笑顔になってる。格好いいなぁ、もう! 君たちに向けた『命令』をクルサード侯爵にもカマせばいいんだろ? ならさっそくやってやろうじゃないか!
で、本日のお勉強時間がやってきました~。
図書室内にあるサロンでいつものようにこの国に関する資料なんかを持ってきた侯爵の助手をサロンの外に下がらせて、クルサード侯爵に最初の確認を取る。もちろん、エドウィンに目配せして結界を発動してもらってからだ。
「クルサード侯爵、俺が王様と同等の身分だということは知っていますね?」
「…は? は、はい。もちろんでございます。あの、なにか…」
連れてきた助手は追い出され、いきなり結界を発動したこともあって既に怯えた表情になっているけど仕方がない。
「じゃあ命令です。この場で俺が質問したことに正直に答えてください。エドウィンとロデリックはクルサード侯爵の答えが合っているかを俺に知らせるように」
侯爵の後ろには全身甲冑のロデリックが立ち、俺の後ろには帯剣したエドウィンが立っている。クルサード侯爵はガタガタと震え出した。
う~ん、少し怖がらせ過ぎたかもしれない。
「神子様? 何かお気に召さない事がありましたか? 直ぐに対処いたしますのでどうかお静まりください!」
うん、まあ、お気に召さない事はあったな…。でもそれを言っちゃうとエドウィンとロデリックが命令違反したことがバレてしまう。
「ああ、大丈夫です。前の世界で殺された時の事を思い出したら感情が高ぶってしまって雷が落ちたようです。護衛二人の顔を見ていたら落ち着きました」
お騒がせしてすみません、と肩で息をしているニスカーナンに笑顔を向けたら、見る見るうちにホッとした表情に変わっていった。
「さようでございますか。何事も無くて安心いたしました」
突然押しかけたことを詫びてニスカーナンは騎士たちを引き連れて帰っていった。
今はまだ内緒話中だから、さっさといなくなってくれないと困る。感情を上手くコントロールしないとまた騒ぎになるだろうから気を付けなくては。
「ニスカーナンも帰った事だし、もう少し質問に付き合ってくれる? あ~っと違うな、これも命令だから。正直に答えるように」
宰相であるニスカーナンが来たためか二人は護衛モードで俺の後ろに立っていた。
いつの間にかロデリックは兜も被っている。俺の『命令』に笑いを堪えてる様子の二人を即してまたソファーに座ってもらい質問を再開した。
「過去の神子たちの資料とかないかな? 講師の人、ええと…、クルサード侯爵の説明は偏っているだろう? 他に知る方法があれば教えて欲しい」
クルサード侯爵は神子について質問しなければ優秀な講師として対応してくれていると思う。でも神子に関しては駄目だ。まともな答えが返ってくる気がしない。
「代々の神子様についてはクルサード侯爵が最も詳しいのですが、あの方は先々代の神子様に相当怖い目に合わされたという噂があるのです」
「そして恐らくニスカーナン様からの命令も受けていると思います。ですがアキラ様が『命令』すれば答えてくれるかと…」
二人がまた悪い笑顔になってる。格好いいなぁ、もう! 君たちに向けた『命令』をクルサード侯爵にもカマせばいいんだろ? ならさっそくやってやろうじゃないか!
で、本日のお勉強時間がやってきました~。
図書室内にあるサロンでいつものようにこの国に関する資料なんかを持ってきた侯爵の助手をサロンの外に下がらせて、クルサード侯爵に最初の確認を取る。もちろん、エドウィンに目配せして結界を発動してもらってからだ。
「クルサード侯爵、俺が王様と同等の身分だということは知っていますね?」
「…は? は、はい。もちろんでございます。あの、なにか…」
連れてきた助手は追い出され、いきなり結界を発動したこともあって既に怯えた表情になっているけど仕方がない。
「じゃあ命令です。この場で俺が質問したことに正直に答えてください。エドウィンとロデリックはクルサード侯爵の答えが合っているかを俺に知らせるように」
侯爵の後ろには全身甲冑のロデリックが立ち、俺の後ろには帯剣したエドウィンが立っている。クルサード侯爵はガタガタと震え出した。
う~ん、少し怖がらせ過ぎたかもしれない。
266
あなたにおすすめの小説
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
完結|ひそかに片想いしていた公爵がテンセイとやらで突然甘くなった上、私が12回死んでいる隠しきゃらとは初耳ですが?
七角
BL
第12回BL大賞奨励賞をいただきました♡第二王子のユーリィは、美しい兄と違って国を統べる使命もなく、兄の婚約者・エドゥアルド公爵に十年間叶わぬ片想いをしている。
その公爵が今日、亡くなった。と思いきや、禁忌の蘇生魔法で悪魔的な美貌を復活させた上、ユーリィを抱き締め、「君は一年以内に死ぬが、私が守る」と囁いてー?
十二個もあるユーリィの「死亡ふらぐ」を壊していく中で、この世界が「びいえるげえむ」の舞台であり、公爵は「テンセイシャ」だと判明していく。
転生者と登場人物ゆえのすれ違い、ゲームで割り振られた役割と人格のギャップ、世界の強制力に知らず翻弄されるうち、ユーリィは知る。自分が最悪の「カクシきゃら」だと。そして公爵の中の"創真"が、ユーリィを救うため十二回死んでまでやり直していることを。
どんでん返しからの甘々ハピエンです。
転生した気がするけど、たぶん意味はない。(完結)
exact
BL
11/6〜番外編更新【完結済】
転生してきたのかなーと思いつつも普通に暮らしていた主人公が、本物の主人公と思われる人物と出会い、元の世界に帰りたがっている彼を手伝う事こそ転生の意味だったんだと勝手に確信して地道に頑張る話。元同級生✕主人公(受け)。ゆるーっと話が進みます。全50話。
表紙は1233様からいただきました。
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
悪役のはずだった二人の十年間
海野璃音
BL
第三王子の誕生会に呼ばれた主人公。そこで自分が悪役モブであることに気づく。そして、目の前に居る第三王子がラスボス系な悪役である事も。
破滅はいやだと謙虚に生きる主人公とそんな主人公に執着する第三王子の十年間。
※ムーンライトノベルズにも投稿しています。
腐男子♥異世界転生
よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。
目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。
トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる