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37 秘匿案件
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応接間に着くと今日はマーカスが来るから他の護衛騎士も待機していて、俺が抱っこされて運ばれてきたことに驚かれてしまった。成人男性が抱えられて運ばれてたら、そりゃあ驚くよね。うう、そんな情けない姿を見られてしまったぁ。
「エド、恥ずかしいから…」
慌てて下りようともがいても力強い腕はびくともしない。
「エドウィン、アキラ様の体調が優れないなら、マーカスとの面会は取りやめた方が良いのではないか?」
「これはアキラ様への愛情表現だから問題ない」
「あ、愛? はぁ?」
ありゃー、心配して進言してくれた騎士が固まっちゃってるよ。そんなことは意に介さないエドは俺を抱えたままスタスタとソファーまで歩いていく。
優しくソファーに下ろされた俺は手で顔を覆ってしまった。うう、恥ずかしい。
「アキラ様は甘え上手なのに恥ずかしがり屋なのですね」
甘え上手? それって俺が四人兄弟の末っ子だからかな? 末っ子だっていうと「やっぱり」とか「だと思った」って言われるからあまり自分から言わないようにしてたんだけど、言動でバレていたってことかなぁ。
「ロデリックの顔の傷が、無い?」
俺たちの後ろから歩いてきたリックの顔の傷が消えているのに気付いた騎士が声を上げると、他の三人の騎士も確認するみたいに凝視している。そのうちの一人がエドの方へ視線を向けて目を瞠った。
「エドウィンの傷も消えてる…?」
髪がかかるため解りづらかったエドの傷も消えていることに、騎士たちは驚きを隠せないようだ。今まで決して消えないと思われていた傷もちの傷跡が、綺麗に治っているのだから当たり前の反応かもしれない。
「二人とも、なぜ傷跡が消えたんだ? もしや…」
最初に気付いた騎士がリックと俺を交互に見ながら質問してきた。俺が治したって思っているんだろうな。まあ、正解なんだけど。
「傷跡に関しては陛下とニスカーナン様に報告をしてからでないと答えられない」
「マーカスとの面会の後にニスカーナン様にお会いすることになっているから口外しないでもらいたい」
有無を言わせないリックとエドの答えに騎士たちもそれ以上聞けなくなった。
そうか、これって秘匿案件なのか。神子のチート魔法だもんな…。
それから時間通りにマーカスが訪ねてきて、早速まとめてくれた陳情書について報告をしてくれた。
「王宮から遠い領地からのものがほとんどです。かなり切迫しているのはこちらの二つの領地になります」
マーカスは入って来て直ぐ、リックの傷跡が無いのに気付き驚いた顔を見せたけど、その後は何事もなかったように報告をはじめた。以外に大物なのかもしれない。
それに、切迫している領地だと提示してきたものに彼の実家の領地は含まれていなかった。私情を挟まずきちんと情報整理してくれたのがわかる。
「それじゃあその二つの領地に真っ先に向かうとして、その前にお試しでマーカスの実家に行きたいんだけどいいかな? 転移魔法陣ある?」
「実家に魔法陣はありますが、あの…、お試し、ですか?」
「この前転移魔法陣を見に行って、試してみたらエドとリックと跳べたんだよ。その時は隣の神殿だったから、遠方にも跳べるのか実験したくて。だから、お試し」
転移に使う魔力は距離によって変わるけど、国内であればそこまで大きな差は無いとクルサード侯爵から聞いた。でも実際に領地を回りはじめる前に確認した方がいいと思うんだ。そこで、マーカスの実家がいいんじゃないかって思いついたわけだ。
「三人で転移したのですか?! 兵士一人に二十人以上必要だったはずでは…?」
あの過去の実験って結構知られているんだな。二十人分の魔力ってどのくらいなんだろう? あの時は三人で神殿まで往復しても魔力が減ったのか解らなかったんだよな。これも神子のチート能力なんだろうか。
マーカスには実家に連絡を取ってもらい、いつ実行するかうちの護衛二人と連絡を取り合って決めてもらうことになった。
「エド、恥ずかしいから…」
慌てて下りようともがいても力強い腕はびくともしない。
「エドウィン、アキラ様の体調が優れないなら、マーカスとの面会は取りやめた方が良いのではないか?」
「これはアキラ様への愛情表現だから問題ない」
「あ、愛? はぁ?」
ありゃー、心配して進言してくれた騎士が固まっちゃってるよ。そんなことは意に介さないエドは俺を抱えたままスタスタとソファーまで歩いていく。
優しくソファーに下ろされた俺は手で顔を覆ってしまった。うう、恥ずかしい。
「アキラ様は甘え上手なのに恥ずかしがり屋なのですね」
甘え上手? それって俺が四人兄弟の末っ子だからかな? 末っ子だっていうと「やっぱり」とか「だと思った」って言われるからあまり自分から言わないようにしてたんだけど、言動でバレていたってことかなぁ。
「ロデリックの顔の傷が、無い?」
俺たちの後ろから歩いてきたリックの顔の傷が消えているのに気付いた騎士が声を上げると、他の三人の騎士も確認するみたいに凝視している。そのうちの一人がエドの方へ視線を向けて目を瞠った。
「エドウィンの傷も消えてる…?」
髪がかかるため解りづらかったエドの傷も消えていることに、騎士たちは驚きを隠せないようだ。今まで決して消えないと思われていた傷もちの傷跡が、綺麗に治っているのだから当たり前の反応かもしれない。
「二人とも、なぜ傷跡が消えたんだ? もしや…」
最初に気付いた騎士がリックと俺を交互に見ながら質問してきた。俺が治したって思っているんだろうな。まあ、正解なんだけど。
「傷跡に関しては陛下とニスカーナン様に報告をしてからでないと答えられない」
「マーカスとの面会の後にニスカーナン様にお会いすることになっているから口外しないでもらいたい」
有無を言わせないリックとエドの答えに騎士たちもそれ以上聞けなくなった。
そうか、これって秘匿案件なのか。神子のチート魔法だもんな…。
それから時間通りにマーカスが訪ねてきて、早速まとめてくれた陳情書について報告をしてくれた。
「王宮から遠い領地からのものがほとんどです。かなり切迫しているのはこちらの二つの領地になります」
マーカスは入って来て直ぐ、リックの傷跡が無いのに気付き驚いた顔を見せたけど、その後は何事もなかったように報告をはじめた。以外に大物なのかもしれない。
それに、切迫している領地だと提示してきたものに彼の実家の領地は含まれていなかった。私情を挟まずきちんと情報整理してくれたのがわかる。
「それじゃあその二つの領地に真っ先に向かうとして、その前にお試しでマーカスの実家に行きたいんだけどいいかな? 転移魔法陣ある?」
「実家に魔法陣はありますが、あの…、お試し、ですか?」
「この前転移魔法陣を見に行って、試してみたらエドとリックと跳べたんだよ。その時は隣の神殿だったから、遠方にも跳べるのか実験したくて。だから、お試し」
転移に使う魔力は距離によって変わるけど、国内であればそこまで大きな差は無いとクルサード侯爵から聞いた。でも実際に領地を回りはじめる前に確認した方がいいと思うんだ。そこで、マーカスの実家がいいんじゃないかって思いついたわけだ。
「三人で転移したのですか?! 兵士一人に二十人以上必要だったはずでは…?」
あの過去の実験って結構知られているんだな。二十人分の魔力ってどのくらいなんだろう? あの時は三人で神殿まで往復しても魔力が減ったのか解らなかったんだよな。これも神子のチート能力なんだろうか。
マーカスには実家に連絡を取ってもらい、いつ実行するかうちの護衛二人と連絡を取り合って決めてもらうことになった。
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