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44 そんなに変かな
「こちらは我が国に降臨された神子様のヤマダアキラ様です。ご存じかと思いますがアキラ様は国王陛下と同等の御身分になります。くれぐれも粗相の無いようにお願いいたします」
騎士団長たちの挨拶を受けて、リックが嫌味たっぷりに俺を紹介してくれる。今回俺からは積極的にしゃべらなくて良いと言われていて、エドとリックが話を進めることになっている。気になったところだけ発言すれば良いらしい。
この場で話し合った内容は他言しないように釘を刺してからエドが説明をはじめた。
「今回の面会では神子様が地方に赴くにあたっての護衛についての話合いを予定していましたが、内容について少々の変更が必要になりました」
「変更? そう言えばニスカーナン様から馬車の準備を少し待つように言われたが…」
エドの説明に対する騎士団長の発言で、ここにもニスカーナンが手をまわしてくれていたことがわかった。あの人本当に優秀だよな。
「アキラ様は移動に転移魔法陣をお使いになるかもしれませんので、その場合騎士団から護衛を出さなくても良い事になります」
「なっ、その変更は少々ではないだろう?!」
変更内容に騎士団長だけでなく俺たちの後ろにいる護衛たちも動揺しているのが伝わってくる。大人数で移動するのは大変なんだから、魔法陣でぱっと行って帰ってくれば時間もかからなくて良いと思ったのに、そんなに変な発想なのかなぁ。
まあ、変なんだろうなぁ。騎士団長がエドに詰め寄っているもんなぁ。
「だいたい人の転移には膨大な魔力が必要なはずだ!」
「アキラ様は専属護衛である私たちと共に隣の神殿までの転移を実現しました。遠方への転移を試して問題無ければ移動は全て転移魔法陣を使うことになります」
エドの発言にサロン内の騎士からもざわめきが起きた。人の転移はそれだけ実現が難しいものなんだろう。転生チートのおかげだな。
「とても信じられない。人が、しかも複数人での転移など無理に決まっている!」
騙されているとでも思ったのか騎士団長が声を荒げて否定してきて、俺の周りの騎士たちから不穏な気配が漏れてきた。特に両隣からのものがヤバい。これ、魔力が漏れてないか?
「実際に私たちは転移を体験していますが?」
「その発言はアキラ様を侮辱することになるのでは?」
ちょっと威圧出てるかもしれない二人に言い返されたのが気に入らなかったのか、騎士団長の顔が怒りで赤く染まっていく。
「傷もちが私に意見するな! 傷が消えた途端いい気になりおって。私は侯爵だぞ!」
――は? 今、何て言った?
「そっか、俺と二人の護衛で転移に成功したのに、騎士団長は信じられないんだ?」
急に俺が発言してみんな驚いたのかサロンが静まり返っている。おかげで空がゴロゴロと鳴っているのが良く聞こえる。
「それに、俺の専属護衛を侮辱していたみたいだけど?」
「や、あれは、言葉のあやでして…」
誤魔化そうとする騎士団長に余計に腹が立つ。このままだと雷が落ちてしまうのに、気持ちを落ち着けようとしても収まってくれない。魔力が動いているのも感じるから威圧も出ているみたいで騎士団長の顔色が悪くなっていく。
ああああ、まずい。なんとか気持ちを発散しないと……
「よし! 決めた! 神子権限で傷もちに対する差別を禁止する!」
傷が消えてもこんな扱いを受けるなら、根本から無くせばいいんだよ。
「司祭だって穢れなんか残って無いと言っていたよ。どんなに説いても差別が無くならないと嘆いていた。だったらもういっそのことそういう法律を作ればいいのか?」
とにかく発散しないとまずいから、思っていることを口に出して言ってみる。目の前の騎士団長の顔色が戻ってきたし、威圧はもう出てないのかな?
「この国の法律って誰が決めているの? ニスカーナンに相談すればいい?」
うん、だんだん冷静になってきたぞ。
そうだ、せっかくだから俺の推しの素晴らしさを教えてやろう!
「だいたい傷が有っても無くてもエドとリックは最高に格好いいし、その上性格まで良いんだぞ。それにすっごく強いし、魔法だって得意だし」
更に模擬戦で見た技の凄さや身のこなしに至るまでを称賛しまくった。
「とにかく、俺のエドとリックを侮辱するのは許さない!」
言いたいことを言えてすっきりしたら、雷鳴も聞こえなくなっていた。
前を見れば騎士団長は唖然とした顔で固まってるし、副団長は下を向いて肩を震わせている。そしてエドとリックは両手で顔を覆っていて、指の隙間から見える頬も耳も真っ赤に染まっていた。
騎士団長たちの挨拶を受けて、リックが嫌味たっぷりに俺を紹介してくれる。今回俺からは積極的にしゃべらなくて良いと言われていて、エドとリックが話を進めることになっている。気になったところだけ発言すれば良いらしい。
この場で話し合った内容は他言しないように釘を刺してからエドが説明をはじめた。
「今回の面会では神子様が地方に赴くにあたっての護衛についての話合いを予定していましたが、内容について少々の変更が必要になりました」
「変更? そう言えばニスカーナン様から馬車の準備を少し待つように言われたが…」
エドの説明に対する騎士団長の発言で、ここにもニスカーナンが手をまわしてくれていたことがわかった。あの人本当に優秀だよな。
「アキラ様は移動に転移魔法陣をお使いになるかもしれませんので、その場合騎士団から護衛を出さなくても良い事になります」
「なっ、その変更は少々ではないだろう?!」
変更内容に騎士団長だけでなく俺たちの後ろにいる護衛たちも動揺しているのが伝わってくる。大人数で移動するのは大変なんだから、魔法陣でぱっと行って帰ってくれば時間もかからなくて良いと思ったのに、そんなに変な発想なのかなぁ。
まあ、変なんだろうなぁ。騎士団長がエドに詰め寄っているもんなぁ。
「だいたい人の転移には膨大な魔力が必要なはずだ!」
「アキラ様は専属護衛である私たちと共に隣の神殿までの転移を実現しました。遠方への転移を試して問題無ければ移動は全て転移魔法陣を使うことになります」
エドの発言にサロン内の騎士からもざわめきが起きた。人の転移はそれだけ実現が難しいものなんだろう。転生チートのおかげだな。
「とても信じられない。人が、しかも複数人での転移など無理に決まっている!」
騙されているとでも思ったのか騎士団長が声を荒げて否定してきて、俺の周りの騎士たちから不穏な気配が漏れてきた。特に両隣からのものがヤバい。これ、魔力が漏れてないか?
「実際に私たちは転移を体験していますが?」
「その発言はアキラ様を侮辱することになるのでは?」
ちょっと威圧出てるかもしれない二人に言い返されたのが気に入らなかったのか、騎士団長の顔が怒りで赤く染まっていく。
「傷もちが私に意見するな! 傷が消えた途端いい気になりおって。私は侯爵だぞ!」
――は? 今、何て言った?
「そっか、俺と二人の護衛で転移に成功したのに、騎士団長は信じられないんだ?」
急に俺が発言してみんな驚いたのかサロンが静まり返っている。おかげで空がゴロゴロと鳴っているのが良く聞こえる。
「それに、俺の専属護衛を侮辱していたみたいだけど?」
「や、あれは、言葉のあやでして…」
誤魔化そうとする騎士団長に余計に腹が立つ。このままだと雷が落ちてしまうのに、気持ちを落ち着けようとしても収まってくれない。魔力が動いているのも感じるから威圧も出ているみたいで騎士団長の顔色が悪くなっていく。
ああああ、まずい。なんとか気持ちを発散しないと……
「よし! 決めた! 神子権限で傷もちに対する差別を禁止する!」
傷が消えてもこんな扱いを受けるなら、根本から無くせばいいんだよ。
「司祭だって穢れなんか残って無いと言っていたよ。どんなに説いても差別が無くならないと嘆いていた。だったらもういっそのことそういう法律を作ればいいのか?」
とにかく発散しないとまずいから、思っていることを口に出して言ってみる。目の前の騎士団長の顔色が戻ってきたし、威圧はもう出てないのかな?
「この国の法律って誰が決めているの? ニスカーナンに相談すればいい?」
うん、だんだん冷静になってきたぞ。
そうだ、せっかくだから俺の推しの素晴らしさを教えてやろう!
「だいたい傷が有っても無くてもエドとリックは最高に格好いいし、その上性格まで良いんだぞ。それにすっごく強いし、魔法だって得意だし」
更に模擬戦で見た技の凄さや身のこなしに至るまでを称賛しまくった。
「とにかく、俺のエドとリックを侮辱するのは許さない!」
言いたいことを言えてすっきりしたら、雷鳴も聞こえなくなっていた。
前を見れば騎士団長は唖然とした顔で固まってるし、副団長は下を向いて肩を震わせている。そしてエドとリックは両手で顔を覆っていて、指の隙間から見える頬も耳も真っ赤に染まっていた。
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