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第4節 散骨洞
20話 聖骸を抱いて
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「【おい売女。振り向かずにゆっくり俺を拾って、右。お前からしたら左へ進め】」
ハァ、今度もまたくだらない悪戯か? こんなところで、遊んでいる暇も余裕も無いというのに。
溜息をもって振り返る。すると、タリスマンでも照らせない暗き道の遥か手前に、白い、女型の、浮遊体が――!
「【愚か女っ。拾って左だボケ!】」
下品髑髏がガタカタと鳴るも、愕きと怖れで、瞬時に身体を動かせない。浮遊体は、まるで服飾を被った年頃の女性のような顔と身体の輪郭で、ニコリと笑うと、腕らしきものを自在に伸ばしてくる。
ようやく動く筋肉をもって、必死にかわそうとやっかむも、乳房と腹部のあたりを、軽く撫で触れられてしまう。
瞬間、貧血のごとき眩暈を感じた後、触られた箇所が石のように冷たくなったように感じて、片膝を突く。
浮遊体は、クスクス、とまるで嬉しそうにすると、今度はゆったりと近づいてきて――、
カチャン。
態勢を崩した瞬間、襷掛けしていた銀杯が地面か壁に当り、小さな火花でも起きたのだろうか、銀の灯火が刹那に輝く。たったそれだけにも関わらず、浮遊体は顔を覆うようにして仰け反る!
「ぅ、ぁ」
「【おい淫乱娼婦! だから、さっさと俺を持って左だっ!】」
神経を逆撫でする言葉にて気を取り戻し、再び迫り来る土壇場にて、上半身を捻る。蹴躓きそうになりながらも、下品髑髏を抱きかかえて、左の回廊へ駆け込む。
「脇目も振らず、走れ走れ!」
不安定な地面を、肉蛆虫なる小さな虫を踏み潰しながら、危な気に駆け抜ける。道すがら、左右に小さな部屋がいくつも有り、何かが蠢く気配があったが、今般は下品髑髏の指示に従うと腹を決めて突っ切った。
五十ヤード(約四十五メートル)ほど走っただろうか、靴底を通して足裏を蝕む疼痛と、腹部の痛み、さらに呼吸不足で減速し始めた時であった。
ガボッ。
「っ!」
――妙に足場が軟らかい、っと思ったが最後、踏み抜こうとした床が忽然と崩れ落ちて、真っ逆さまに墜落していった。
「ぁ、ぅ!」
壁に身体を当てて減速させようとするも、途中からシュート(※滑り台のような構造)のごとくに曲がりくねり、右へ左へ、上へ下へと回転しつつ、最後は落ちる。
視界の端が、タリスマンに照らされた出口を映した瞬間、下品髑髏を胸に抱き、身体を丸めて、耐衝撃の姿勢を取る。
ゴロゴロ、バササァッ。
「づぅっ」
天地もわからないまま、滑り飛ばされた末、品なく股を開いた状態にて停止した。石巌や骸骨の類いではない、何やらゴワゴワとした物が緩衝材となってくれたのは、好運そのものであった。
顔の近くにあったため、思わず嗅ぐに、何やら黴や埃が混交したような、あるいは天日干しした毛布のような臭いであった。
「ぐ、ぅ」
頭と身体を抑えながら起き上がる。首を振るに、水車小屋ほどの広さであった。壁は相変わらず肉蛆虫が這い回っていた。先程の納骨室と同様に石棚があったが、安置されているのは頭骨ではなく、枯骸がいくつも安置されていた。
滑り落ちて来た穴は天井隅についており、戻ることは到底不可能だった。他の部屋もしくは回廊とを繋げるであろう部屋の出口が一ヶ所だけあり、この散骨洞にしては珍しく、格子扉が設けられていた。
視点を室へ戻すと、中央には薄茶色の毛氈が山のように積まれていた。不自然な積み上げ方に目が行きつつも、胸部の奇異な感覚を思い起こして目を細めるに、そこには――、
「うへへへ~、あー、この柔らかさは雌の特権だよなぁ」
「ふ、ぁ」
「舌がねーのがほんっとうに悔やまられられぁ。――っておい、どした?」
衣服の上から、胸に埋もれてよがり声をあげていたが下品髑髏だが、私の不調に気付いてか、調子が変わる。
玉のような汗が額にの生え際に浮かんできたかと思うと脱力して、ぺたん、っと臀部を冷たい地面へ着地させる。荒い呼吸は、いくら銀水を飲んでも改善が認められない。
「は~ん、さっき糞雌浮遊体に触れられた時、澱を付けられたな」
よど、み?
「呪淫の類いだ。ほっておくと、誰それ構わず股を開くようになるぞ? 触れられた部位を、聖水か何かで清めりゃいいかもしれんが、いずれにせよ量がいる」
「ハァ、ハァ、ッ」
体内の肉の隙間から生まれ出るような熱を、少しでも放出するため、喘ぐように息をするが、成果のほどは得られない。髑髏をそっと置き、床に突っ伏するように倒れたため、尻の部分の衣服が捲り上がり、無様にも生尻を露出するが、それどころではない。
「【(うほっ、瑞々しくてまあるいイイ尻してやがんなぁ、いい眺めだぜ、ゲヒヒヒ。が、おっ死ぬのは勿体無さすぎだなぁ)心配すんな、丁度、聖骸がある。どれでもいいから枯骸に触れて、――っておい!】」
? どれか、枯骸に、触れればいいのか――?
思考が貴族のブリオー(※中世のゆったりとした衣服の一種)のように弛む中、這うように進み、最も近くにあった枯骸へ手を伸ばす。上半身を起こして、触れようとするも、ゴト。
「ぁ、ぅ」
無様にも倒れ込んでしまう。
――体内から燻る暗い熱にほだされ、朝の微睡のような意識下にて、気が付くと私は、尊老たる枯骸を下敷きにしていた。
絶乾状態の枯骸は麻で巻かれており、私より少し大きく、ざらついた質感と僅かな滑らかさを宿していた。
さっき誰かが、触れろ、と言った部分のみを端的に思い出し、不遜にも、纏っている衣類を脱ぎ捨て、俯せに全身を密着させる。
伝わる冷たさが、体内の熱を打ち消すように感じられた。心地よい。――もっともっとと、枯骸の臍のあたりから肋まで、媚びるように前半身を擦りあげる。
「ひぁ」
乳首が肋骨のだんだんの辺りに触れるつど、口は半開きになり、背徳的で淫猥な感触を、思わず喘ぎ声にて表現してしまう。立ち塞ぐはずの羞恥心は、先触れされた胸部と腹部にて燻る、不可思議な禍々しさによって、容易に打ち消された。
「【(こりゃ面白れぇ)……いいぞ、もっと媚びろ】」
また声が聞こえた気がした。媚びろとのことだ。
表情がだらしなく緩む。目尻を下げて、伺うような視線を、物言わぬ面様に向けつつ、柔らかな身体を、幾度も枯骸の上半身に擦り寄せる。涎が一筋垂れる口は、卑しい喘ぎを漏らしつつ、とうとう尊老を覆う尊い聖骸布に、口付けをした。
十往復ほど擦り媚びた後、肢の付け根に潤いが生まれ始めていた。蒙昧状態の私は、ふりふりと尻を振ってしまい、どこかにぶつけてしまう。
ドサッ、バタ。物音と共に、両側から人の形の何かが、重なるように倒れ伏してきた。それらは立てかけられていた枯骸であった。私は妖しく蠢きながら、身体を捻り仰向けへの態勢に戻り、二体を手繰りして抱き締める。
するとそれぞれ頭部が、乳房の近くと肢の付け根に、転がり倒れてくるではないか。
「【慰めろ】」
私を? 聖骸を?
――あぁ、両方かな。緩やかな動作と共に、まず乳房の近く左手を用いて、枯骸の少し開いた口の部分に、乳首を擦り入れさせていただく。
「んア」
ざらついた唇は半生な鑢となり、軽い痛みとと共に、だが痺れるような甘い快楽を乳首より伝播してくださる。微かに空いた歯の隙間に、硬化する乳頭を押し込めて、腕に力を込める。
「あっ、ひん」
豊満な乳房に埋もれた、冷たい頭部によりもたらされる、不道徳な快楽により、身体が思わず【く】の字に曲がりそうになる。
右手がヒラヒラと蝶のように漂い、股間付近にある頭部へ伸び添う。下腹部に溜まる熱を、その聖なる冷温によって癒やしてもらおうと、だが淫靡に口角を上げつつやっかむ。
昌運か背徳か、股間付近の顔は、口より干からびた舌が伸び出ていた。柔らかく熱い太腿にて優しく固定し、秘部の熱を奪っていただこうと圧そうとする。
「【もう少し上。――よし、挿れろ】」
聖骸の言葉に従う。駆け出しの巡礼者が、大いなる尊老の修験に従うは必定だ。頭部を巻く麻に触れて、僅かな逡巡の後、だが股間の方へと押し込まむ。
――ヌル。
「ふぅん!」
ビクン、と身体が揺れる。その際に乳房を慰めていただいている枯骸も抱きしめて、二重の刺激に身体が弓なりになる。股間では聖なる舌が、私の薄く割れた秘部に小さく刺さり、その乾いた肉体へ、愛液たる潤いを与えさせていただいた。
胸部において、歯の隙間に入り込んだ乳首が、さらに硬化することにより、シクシクした痛みと、ジクジクした快楽が膨れ上がっていた。
ヒャ、と硬い冷気に触れる。――あっ、銀杯が臀部に触れたのであった。
! そう、ダメだ、こんな、ことは。聖骸と銀水により、浄化されてきた、のか、両の手の、不遜な行為を、ようやく止める、微かな力が――、
「【乳房と、膣をもって、果てろ】」
「!」
股間へ伸びた手と、胸にやっていた手が力み、ギュっと強く、ひぁん! す、擦りつけてしまう。温かく冷たい感覚が、じわっと性器と乳首を包み、身震いする。
いつの間にか、身体を小さく上下させていた。そのつど、離れては擦れる二つの聖骸を抱き、あるいは抱かれ、――いや、背中を支えてくださっている三体目も含めて、弛緩しきった表情のまま、
「ひぐっ」
刹那、視界が明滅する。
荒い呼吸のまま、暗い天井を見上げる顔から、一筋の雫が垂れた。
「げひゃひゃ! ――いやいや、不敬で妄りがましい巡礼者もいたもんだなぁ」
毬のごとき言葉だが、それ以前に情けなさと恥辱で震える。枯骸を元の位置に戻した後、ずっと床に額を擦りつけていた。
「聖骸で自慰るなんて信じられねぇ。淫才、現るってか!」
言葉の通りだ。弁明のしようもないと、小さくなる。
「はぁ~、百年ぶりに嗤った嗤った。――まぁ、おかげで澱は取れたみたいじゃねーか」
……いくら、呪いの類いのためとはいえ、聖職者のご遺体を利用して、本当に、全く、最低以下だ。
「とりあえず、あっちに座って猥談しようぜ~、巡淫者ちゃん」
――を、摘まみ上げて毛氈の上へ、肩をだらりと降ろして腰を落とす。毛氈は使い込まれて色褪せているも、馴染みがよく、石と骨ばかりに触れてきた私の心身を少し落ち着かせてくれた。部屋の隅に蝋燭付きの燭台が1本だけ転がっており、火打ち石の助けを借り、燈す。
炎を見て気が緩んだのか、あるいは極度の緊張状態からの開放されたためだろうか。下腹部や足裏の痛み、摩耗した精神状態と、疲労の蓄積に意識を奪われる。今日はもう動けないかもしれない、っと足を崩し、銀水で喉を潤す。
「その銀杯を見るまでは、お前が巡礼者なんて、信じられなかったぜ。くけけ」
一瞥だけ向ける。
「――伝承だ。銀剣は旅人に、銀書は罪人に、そして銀杯は巡礼者に。光輝まとう逸品なら、尚更に、真の求道者にのみ与えられん」
真面目な話を始めるのか、っと耳を傾ける。銀杯以外にも、銀剣や銀書と言った物が存在するなんて驚きだ。
「その銀杯にはちょっとばかし聖銀が使われているみたいだな。ここの不浄の連中にも効くかもしれん。さっき糞雌浮遊体が怯んだのも、そのおかげだろう」
ソリスさんの似たような文句を回視しつつ、銀杯へ目をやる。優美な輝きは出会ったころから何一つ色褪せず、また、常に私を助け続けてくれているのだ。
「あと言っとくが、骸骨共は不浄の存在じゃねぇ。問題なのはあの浮遊体だ」
あの女性型の浮遊体か。触られただけで、その、淫気に冒されてしまった。一見したあの笑みに、子供が虫を踏み潰した時のような、無垢な残酷さを連想させた。
「あの糞雌共が現れてから散骨洞の能率が下がった。俺の見込みだが、たまに最下層からあんな風に分体を放ち、何が望みか侵入者だけでなく、俺ら骸骨にまでいらぬ干渉をしてきやがる」
私に対する悪態とはまた異なった口調を帯びていった。下品髑髏は、反吐が出ると言った風に続ける。
「散骨洞には國中の遺骨が集まる。それらは清め等の様々な工程を経て、最終的に最下層の大釜こと奇巌臼へ送られる。そして、挽かれて粉となり、海へと散骨される」
なるほど。納骨洞でなく、散骨洞と言われる所以はそれなのか。
「海葬された骨は蒸気となり、再び雨風と共にこの地へ振り注ぐ。そして呼吸と共に生者共の体内へ入り、活力の源泉となる。この地で食料が必要なく、水だけで生きていけるのはこのおかげだ」
修学になるため、黙して下品髑髏の話を拝する。
「へっへっへ。大層な情報だろ? さぁ続きが聞きたいなら。イイことしてくれよぉ~」
文字通り骨のある奴かと僅かに思ったが、前言撤回だ。溜め息を吐き出し、額を指で抑える。――今居るこの場所が巡礼のための的確な中継地点かどうか、判然しないが、自力だけではここまで着到出来なかったのも明瞭だ。
「は、あ」
山座りをした後、下品髑髏を摘まみ上げ、衣服の上から、胸の谷間へ後頭部を沈み込ませ、膝部分で固定した。
「うっほほ。漸くお前も分別がついて来たか」
柔らかで生命感溢れる緩衝材を得た下品髑髏は、悦に浸り、厭らしく振動する。眉間にますます皺が刻まれる。
「さって、なんだ。お前巡礼者なんだよな? この場所から通じる巡礼の地は、【無垢なる霊廟】に於いて他ならねぇ」
無垢なる霊廟。最初の書物、そしてソリスさんから聞き伝えていた場所にて違い無い。
「昔は幾つか順路があったそうだが、今は最下層から大棺を抜けて行く道しか残って無ぇ」
大棺?
「大棺が何のためにあるのかまでは知らねぇ。海が無かった頃、洞内で挽いた骨粉を一旦そこに集めて、風が強く吹く時節に合わせ一気に開放しただの、この國を造るに一役買った巨人を葬った棺だの、風聞の流布ばかりだ。阿呆なお前はでっかい伽藍洞の箱だとでも思っていりゃいい」
一々、癇に障る。――だが、最下層まで何とか降り抜き、大棺を抜ければ良いのか。三つの大いなる目的地の一つに、ようやく手が届きそうになると、小さく破顔する。
「名前だけ聞いて安心してんじゃねぇ。容易くはいかねーぞ? 例の糞雌浮遊体だ。何故かアイツらは、大棺を根城にしてやがる。実利が無い癖に、俺ら死者にまで害を及ぼす真正の気狂いだ。生者相手なら猶更、何をやってくるかわかったもんじゃねーぞ」
確かに、あの得体の知れなさは、番人や単眼の巨人とはまた異次元の怖気のようなものを帯びていた。
「――でも行くのか?」
燭台の灯りから視線を外さず、微かに頷く。
「ケッ、好きにしろ。言っておくが。俺はここまでだぞ? この大量の聖骸布のおかげか、あの糞雌浮遊体共が近寄ってくる気配も無いしな」
聖骸布? ――ここの枯骸を巻く布か。いや、逆に聖骸に永く接することで、その特質を得たといったところだろうか。
「これらはきっと、埋葬された巡礼者共の遺骸を包んでいた物だ。それならあの糞雌浮遊体共が忌避するのも頷ける」
無垢なる霊廟へ辿り着くには、まず無事に大棺へと辿り着き、さらに女型の浮遊体をどうにかしないといけない。片方だけでも手に余るのは、平明だ。
「ぅ」
出来るだろうか? 薄暮のタリスマンを灯りに翳し、ボーッっと眺める。
そもそもコレが無ければ、早々に引き上げて地上へ戻っていたことだろう。――ソリスさんは無事だろうか。
「あんだ? そのタリスマン、そんな大事なのか。そりぁ珍しくはあるが。ん~、――男から貰ったとかか?」
ビクッ、っと何故か背筋が伸び、視線が浮つく。気恥ずかしいようなムズ痒いような妙な感覚が、靄の如く胸を覆い、アタフタとしてしまう。
「んだよ男持ちかよ。あ~あぁ。もういいわ――」
? 散々に威張り散らしていた癖に、何やら勝手に落胆して塞ぎ込んでいる様相だ。
「ハァ、お前はいいよなぁ。見た目が良くて、褒めはやされて。俺なんて、一度も誰からもそんな風に見られたことも言われたこともねーし」
不機嫌になり、悪態をついたかと思うと、あれだけ歓語していた下品髑髏が、急に黙りこく。
「?」
ついぞ、微動すらしなくなった。――とりあえず谷間から取り外して、前面をこちらへ向けると、
「もう寝る」
切るようにそう呟くと、今度こそ物言わなくなった。
――そもそも寝る必要があるのか疑念が沸くが、こちらの疲れも頂点に達しつつあった。陽を見ていないため正確な刻限は掴めないが、睡眠は取れる時に取るべきだ。
毛氈をもう二枚ほどお借りして、一枚を隣に敷き、下品髑髏を置いた。もう一枚を毛布として被る。蝋燭が尽き、火が立ち消えるが、タリスマンのおかげで、うら寂しい死者の安らぎの石櫃は依然、茫と瞳に映った。
タリスマンを外しつつ、胸に抱きしめて、偉大な恩人の無事を祈った。やがて、限界を迎えていた瞼が滑り落ちようとする。意識の糸が途切れそうになった刹那だが、よぎった思考が、水浴びしたい、っという女的欲求であった。
……欲求、か。生者も死者も、男も女も、人も人外も、何に対しての欲求に悩み、喘ぎ、戸惑い、絶望し、だが奮起して生き歩むのだろうか。この状況下、そんな薬にも毒にもならないことを考えてしまう。
いや、きっと、欲求こそが、縁なのだろう。自分が自分で在るための――。
ハァ、今度もまたくだらない悪戯か? こんなところで、遊んでいる暇も余裕も無いというのに。
溜息をもって振り返る。すると、タリスマンでも照らせない暗き道の遥か手前に、白い、女型の、浮遊体が――!
「【愚か女っ。拾って左だボケ!】」
下品髑髏がガタカタと鳴るも、愕きと怖れで、瞬時に身体を動かせない。浮遊体は、まるで服飾を被った年頃の女性のような顔と身体の輪郭で、ニコリと笑うと、腕らしきものを自在に伸ばしてくる。
ようやく動く筋肉をもって、必死にかわそうとやっかむも、乳房と腹部のあたりを、軽く撫で触れられてしまう。
瞬間、貧血のごとき眩暈を感じた後、触られた箇所が石のように冷たくなったように感じて、片膝を突く。
浮遊体は、クスクス、とまるで嬉しそうにすると、今度はゆったりと近づいてきて――、
カチャン。
態勢を崩した瞬間、襷掛けしていた銀杯が地面か壁に当り、小さな火花でも起きたのだろうか、銀の灯火が刹那に輝く。たったそれだけにも関わらず、浮遊体は顔を覆うようにして仰け反る!
「ぅ、ぁ」
「【おい淫乱娼婦! だから、さっさと俺を持って左だっ!】」
神経を逆撫でする言葉にて気を取り戻し、再び迫り来る土壇場にて、上半身を捻る。蹴躓きそうになりながらも、下品髑髏を抱きかかえて、左の回廊へ駆け込む。
「脇目も振らず、走れ走れ!」
不安定な地面を、肉蛆虫なる小さな虫を踏み潰しながら、危な気に駆け抜ける。道すがら、左右に小さな部屋がいくつも有り、何かが蠢く気配があったが、今般は下品髑髏の指示に従うと腹を決めて突っ切った。
五十ヤード(約四十五メートル)ほど走っただろうか、靴底を通して足裏を蝕む疼痛と、腹部の痛み、さらに呼吸不足で減速し始めた時であった。
ガボッ。
「っ!」
――妙に足場が軟らかい、っと思ったが最後、踏み抜こうとした床が忽然と崩れ落ちて、真っ逆さまに墜落していった。
「ぁ、ぅ!」
壁に身体を当てて減速させようとするも、途中からシュート(※滑り台のような構造)のごとくに曲がりくねり、右へ左へ、上へ下へと回転しつつ、最後は落ちる。
視界の端が、タリスマンに照らされた出口を映した瞬間、下品髑髏を胸に抱き、身体を丸めて、耐衝撃の姿勢を取る。
ゴロゴロ、バササァッ。
「づぅっ」
天地もわからないまま、滑り飛ばされた末、品なく股を開いた状態にて停止した。石巌や骸骨の類いではない、何やらゴワゴワとした物が緩衝材となってくれたのは、好運そのものであった。
顔の近くにあったため、思わず嗅ぐに、何やら黴や埃が混交したような、あるいは天日干しした毛布のような臭いであった。
「ぐ、ぅ」
頭と身体を抑えながら起き上がる。首を振るに、水車小屋ほどの広さであった。壁は相変わらず肉蛆虫が這い回っていた。先程の納骨室と同様に石棚があったが、安置されているのは頭骨ではなく、枯骸がいくつも安置されていた。
滑り落ちて来た穴は天井隅についており、戻ることは到底不可能だった。他の部屋もしくは回廊とを繋げるであろう部屋の出口が一ヶ所だけあり、この散骨洞にしては珍しく、格子扉が設けられていた。
視点を室へ戻すと、中央には薄茶色の毛氈が山のように積まれていた。不自然な積み上げ方に目が行きつつも、胸部の奇異な感覚を思い起こして目を細めるに、そこには――、
「うへへへ~、あー、この柔らかさは雌の特権だよなぁ」
「ふ、ぁ」
「舌がねーのがほんっとうに悔やまられられぁ。――っておい、どした?」
衣服の上から、胸に埋もれてよがり声をあげていたが下品髑髏だが、私の不調に気付いてか、調子が変わる。
玉のような汗が額にの生え際に浮かんできたかと思うと脱力して、ぺたん、っと臀部を冷たい地面へ着地させる。荒い呼吸は、いくら銀水を飲んでも改善が認められない。
「は~ん、さっき糞雌浮遊体に触れられた時、澱を付けられたな」
よど、み?
「呪淫の類いだ。ほっておくと、誰それ構わず股を開くようになるぞ? 触れられた部位を、聖水か何かで清めりゃいいかもしれんが、いずれにせよ量がいる」
「ハァ、ハァ、ッ」
体内の肉の隙間から生まれ出るような熱を、少しでも放出するため、喘ぐように息をするが、成果のほどは得られない。髑髏をそっと置き、床に突っ伏するように倒れたため、尻の部分の衣服が捲り上がり、無様にも生尻を露出するが、それどころではない。
「【(うほっ、瑞々しくてまあるいイイ尻してやがんなぁ、いい眺めだぜ、ゲヒヒヒ。が、おっ死ぬのは勿体無さすぎだなぁ)心配すんな、丁度、聖骸がある。どれでもいいから枯骸に触れて、――っておい!】」
? どれか、枯骸に、触れればいいのか――?
思考が貴族のブリオー(※中世のゆったりとした衣服の一種)のように弛む中、這うように進み、最も近くにあった枯骸へ手を伸ばす。上半身を起こして、触れようとするも、ゴト。
「ぁ、ぅ」
無様にも倒れ込んでしまう。
――体内から燻る暗い熱にほだされ、朝の微睡のような意識下にて、気が付くと私は、尊老たる枯骸を下敷きにしていた。
絶乾状態の枯骸は麻で巻かれており、私より少し大きく、ざらついた質感と僅かな滑らかさを宿していた。
さっき誰かが、触れろ、と言った部分のみを端的に思い出し、不遜にも、纏っている衣類を脱ぎ捨て、俯せに全身を密着させる。
伝わる冷たさが、体内の熱を打ち消すように感じられた。心地よい。――もっともっとと、枯骸の臍のあたりから肋まで、媚びるように前半身を擦りあげる。
「ひぁ」
乳首が肋骨のだんだんの辺りに触れるつど、口は半開きになり、背徳的で淫猥な感触を、思わず喘ぎ声にて表現してしまう。立ち塞ぐはずの羞恥心は、先触れされた胸部と腹部にて燻る、不可思議な禍々しさによって、容易に打ち消された。
「【(こりゃ面白れぇ)……いいぞ、もっと媚びろ】」
また声が聞こえた気がした。媚びろとのことだ。
表情がだらしなく緩む。目尻を下げて、伺うような視線を、物言わぬ面様に向けつつ、柔らかな身体を、幾度も枯骸の上半身に擦り寄せる。涎が一筋垂れる口は、卑しい喘ぎを漏らしつつ、とうとう尊老を覆う尊い聖骸布に、口付けをした。
十往復ほど擦り媚びた後、肢の付け根に潤いが生まれ始めていた。蒙昧状態の私は、ふりふりと尻を振ってしまい、どこかにぶつけてしまう。
ドサッ、バタ。物音と共に、両側から人の形の何かが、重なるように倒れ伏してきた。それらは立てかけられていた枯骸であった。私は妖しく蠢きながら、身体を捻り仰向けへの態勢に戻り、二体を手繰りして抱き締める。
するとそれぞれ頭部が、乳房の近くと肢の付け根に、転がり倒れてくるではないか。
「【慰めろ】」
私を? 聖骸を?
――あぁ、両方かな。緩やかな動作と共に、まず乳房の近く左手を用いて、枯骸の少し開いた口の部分に、乳首を擦り入れさせていただく。
「んア」
ざらついた唇は半生な鑢となり、軽い痛みとと共に、だが痺れるような甘い快楽を乳首より伝播してくださる。微かに空いた歯の隙間に、硬化する乳頭を押し込めて、腕に力を込める。
「あっ、ひん」
豊満な乳房に埋もれた、冷たい頭部によりもたらされる、不道徳な快楽により、身体が思わず【く】の字に曲がりそうになる。
右手がヒラヒラと蝶のように漂い、股間付近にある頭部へ伸び添う。下腹部に溜まる熱を、その聖なる冷温によって癒やしてもらおうと、だが淫靡に口角を上げつつやっかむ。
昌運か背徳か、股間付近の顔は、口より干からびた舌が伸び出ていた。柔らかく熱い太腿にて優しく固定し、秘部の熱を奪っていただこうと圧そうとする。
「【もう少し上。――よし、挿れろ】」
聖骸の言葉に従う。駆け出しの巡礼者が、大いなる尊老の修験に従うは必定だ。頭部を巻く麻に触れて、僅かな逡巡の後、だが股間の方へと押し込まむ。
――ヌル。
「ふぅん!」
ビクン、と身体が揺れる。その際に乳房を慰めていただいている枯骸も抱きしめて、二重の刺激に身体が弓なりになる。股間では聖なる舌が、私の薄く割れた秘部に小さく刺さり、その乾いた肉体へ、愛液たる潤いを与えさせていただいた。
胸部において、歯の隙間に入り込んだ乳首が、さらに硬化することにより、シクシクした痛みと、ジクジクした快楽が膨れ上がっていた。
ヒャ、と硬い冷気に触れる。――あっ、銀杯が臀部に触れたのであった。
! そう、ダメだ、こんな、ことは。聖骸と銀水により、浄化されてきた、のか、両の手の、不遜な行為を、ようやく止める、微かな力が――、
「【乳房と、膣をもって、果てろ】」
「!」
股間へ伸びた手と、胸にやっていた手が力み、ギュっと強く、ひぁん! す、擦りつけてしまう。温かく冷たい感覚が、じわっと性器と乳首を包み、身震いする。
いつの間にか、身体を小さく上下させていた。そのつど、離れては擦れる二つの聖骸を抱き、あるいは抱かれ、――いや、背中を支えてくださっている三体目も含めて、弛緩しきった表情のまま、
「ひぐっ」
刹那、視界が明滅する。
荒い呼吸のまま、暗い天井を見上げる顔から、一筋の雫が垂れた。
「げひゃひゃ! ――いやいや、不敬で妄りがましい巡礼者もいたもんだなぁ」
毬のごとき言葉だが、それ以前に情けなさと恥辱で震える。枯骸を元の位置に戻した後、ずっと床に額を擦りつけていた。
「聖骸で自慰るなんて信じられねぇ。淫才、現るってか!」
言葉の通りだ。弁明のしようもないと、小さくなる。
「はぁ~、百年ぶりに嗤った嗤った。――まぁ、おかげで澱は取れたみたいじゃねーか」
……いくら、呪いの類いのためとはいえ、聖職者のご遺体を利用して、本当に、全く、最低以下だ。
「とりあえず、あっちに座って猥談しようぜ~、巡淫者ちゃん」
――を、摘まみ上げて毛氈の上へ、肩をだらりと降ろして腰を落とす。毛氈は使い込まれて色褪せているも、馴染みがよく、石と骨ばかりに触れてきた私の心身を少し落ち着かせてくれた。部屋の隅に蝋燭付きの燭台が1本だけ転がっており、火打ち石の助けを借り、燈す。
炎を見て気が緩んだのか、あるいは極度の緊張状態からの開放されたためだろうか。下腹部や足裏の痛み、摩耗した精神状態と、疲労の蓄積に意識を奪われる。今日はもう動けないかもしれない、っと足を崩し、銀水で喉を潤す。
「その銀杯を見るまでは、お前が巡礼者なんて、信じられなかったぜ。くけけ」
一瞥だけ向ける。
「――伝承だ。銀剣は旅人に、銀書は罪人に、そして銀杯は巡礼者に。光輝まとう逸品なら、尚更に、真の求道者にのみ与えられん」
真面目な話を始めるのか、っと耳を傾ける。銀杯以外にも、銀剣や銀書と言った物が存在するなんて驚きだ。
「その銀杯にはちょっとばかし聖銀が使われているみたいだな。ここの不浄の連中にも効くかもしれん。さっき糞雌浮遊体が怯んだのも、そのおかげだろう」
ソリスさんの似たような文句を回視しつつ、銀杯へ目をやる。優美な輝きは出会ったころから何一つ色褪せず、また、常に私を助け続けてくれているのだ。
「あと言っとくが、骸骨共は不浄の存在じゃねぇ。問題なのはあの浮遊体だ」
あの女性型の浮遊体か。触られただけで、その、淫気に冒されてしまった。一見したあの笑みに、子供が虫を踏み潰した時のような、無垢な残酷さを連想させた。
「あの糞雌共が現れてから散骨洞の能率が下がった。俺の見込みだが、たまに最下層からあんな風に分体を放ち、何が望みか侵入者だけでなく、俺ら骸骨にまでいらぬ干渉をしてきやがる」
私に対する悪態とはまた異なった口調を帯びていった。下品髑髏は、反吐が出ると言った風に続ける。
「散骨洞には國中の遺骨が集まる。それらは清め等の様々な工程を経て、最終的に最下層の大釜こと奇巌臼へ送られる。そして、挽かれて粉となり、海へと散骨される」
なるほど。納骨洞でなく、散骨洞と言われる所以はそれなのか。
「海葬された骨は蒸気となり、再び雨風と共にこの地へ振り注ぐ。そして呼吸と共に生者共の体内へ入り、活力の源泉となる。この地で食料が必要なく、水だけで生きていけるのはこのおかげだ」
修学になるため、黙して下品髑髏の話を拝する。
「へっへっへ。大層な情報だろ? さぁ続きが聞きたいなら。イイことしてくれよぉ~」
文字通り骨のある奴かと僅かに思ったが、前言撤回だ。溜め息を吐き出し、額を指で抑える。――今居るこの場所が巡礼のための的確な中継地点かどうか、判然しないが、自力だけではここまで着到出来なかったのも明瞭だ。
「は、あ」
山座りをした後、下品髑髏を摘まみ上げ、衣服の上から、胸の谷間へ後頭部を沈み込ませ、膝部分で固定した。
「うっほほ。漸くお前も分別がついて来たか」
柔らかで生命感溢れる緩衝材を得た下品髑髏は、悦に浸り、厭らしく振動する。眉間にますます皺が刻まれる。
「さって、なんだ。お前巡礼者なんだよな? この場所から通じる巡礼の地は、【無垢なる霊廟】に於いて他ならねぇ」
無垢なる霊廟。最初の書物、そしてソリスさんから聞き伝えていた場所にて違い無い。
「昔は幾つか順路があったそうだが、今は最下層から大棺を抜けて行く道しか残って無ぇ」
大棺?
「大棺が何のためにあるのかまでは知らねぇ。海が無かった頃、洞内で挽いた骨粉を一旦そこに集めて、風が強く吹く時節に合わせ一気に開放しただの、この國を造るに一役買った巨人を葬った棺だの、風聞の流布ばかりだ。阿呆なお前はでっかい伽藍洞の箱だとでも思っていりゃいい」
一々、癇に障る。――だが、最下層まで何とか降り抜き、大棺を抜ければ良いのか。三つの大いなる目的地の一つに、ようやく手が届きそうになると、小さく破顔する。
「名前だけ聞いて安心してんじゃねぇ。容易くはいかねーぞ? 例の糞雌浮遊体だ。何故かアイツらは、大棺を根城にしてやがる。実利が無い癖に、俺ら死者にまで害を及ぼす真正の気狂いだ。生者相手なら猶更、何をやってくるかわかったもんじゃねーぞ」
確かに、あの得体の知れなさは、番人や単眼の巨人とはまた異次元の怖気のようなものを帯びていた。
「――でも行くのか?」
燭台の灯りから視線を外さず、微かに頷く。
「ケッ、好きにしろ。言っておくが。俺はここまでだぞ? この大量の聖骸布のおかげか、あの糞雌浮遊体共が近寄ってくる気配も無いしな」
聖骸布? ――ここの枯骸を巻く布か。いや、逆に聖骸に永く接することで、その特質を得たといったところだろうか。
「これらはきっと、埋葬された巡礼者共の遺骸を包んでいた物だ。それならあの糞雌浮遊体共が忌避するのも頷ける」
無垢なる霊廟へ辿り着くには、まず無事に大棺へと辿り着き、さらに女型の浮遊体をどうにかしないといけない。片方だけでも手に余るのは、平明だ。
「ぅ」
出来るだろうか? 薄暮のタリスマンを灯りに翳し、ボーッっと眺める。
そもそもコレが無ければ、早々に引き上げて地上へ戻っていたことだろう。――ソリスさんは無事だろうか。
「あんだ? そのタリスマン、そんな大事なのか。そりぁ珍しくはあるが。ん~、――男から貰ったとかか?」
ビクッ、っと何故か背筋が伸び、視線が浮つく。気恥ずかしいようなムズ痒いような妙な感覚が、靄の如く胸を覆い、アタフタとしてしまう。
「んだよ男持ちかよ。あ~あぁ。もういいわ――」
? 散々に威張り散らしていた癖に、何やら勝手に落胆して塞ぎ込んでいる様相だ。
「ハァ、お前はいいよなぁ。見た目が良くて、褒めはやされて。俺なんて、一度も誰からもそんな風に見られたことも言われたこともねーし」
不機嫌になり、悪態をついたかと思うと、あれだけ歓語していた下品髑髏が、急に黙りこく。
「?」
ついぞ、微動すらしなくなった。――とりあえず谷間から取り外して、前面をこちらへ向けると、
「もう寝る」
切るようにそう呟くと、今度こそ物言わなくなった。
――そもそも寝る必要があるのか疑念が沸くが、こちらの疲れも頂点に達しつつあった。陽を見ていないため正確な刻限は掴めないが、睡眠は取れる時に取るべきだ。
毛氈をもう二枚ほどお借りして、一枚を隣に敷き、下品髑髏を置いた。もう一枚を毛布として被る。蝋燭が尽き、火が立ち消えるが、タリスマンのおかげで、うら寂しい死者の安らぎの石櫃は依然、茫と瞳に映った。
タリスマンを外しつつ、胸に抱きしめて、偉大な恩人の無事を祈った。やがて、限界を迎えていた瞼が滑り落ちようとする。意識の糸が途切れそうになった刹那だが、よぎった思考が、水浴びしたい、っという女的欲求であった。
……欲求、か。生者も死者も、男も女も、人も人外も、何に対しての欲求に悩み、喘ぎ、戸惑い、絶望し、だが奮起して生き歩むのだろうか。この状況下、そんな薬にも毒にもならないことを考えてしまう。
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