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闇に埋もれた瞳
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「おい! 乾 沙流!喜島!ドコに居るんだよっ!?」
オレは大声でみんなを呼んでみたけど、
返事は返ってこないし、
オレが立っている周りの空には、透明っぽい虹色の膜がかかっていて、
いかにも異世界って感じがする。
「いくら叫んだって無駄だ。」
聞き慣れた声がする方を見ると
今まで見た鬼より殺気を纏った青い鬼が立っている。
「師匠…??どこなんですか??」
「…あぁ。そうか、こちらでしか、この姿にはならないからな。オレだよ。」
目の前に立っている鬼がパチンと、指をならすと、どこからか煙がでて
青鬼を包んで、煙が消えると
師匠が立っていた。
「…師匠っ!どういうことですか?」
「煩いな…。これがオレの本当の姿だ。桃希…いや、忌み子の20代目。」
えっ??意味がワケわかんねぇ。
「…思い出して無いのが、面倒だな。
アカネ、向こうのヤツらの相手してやれ。」
どこからともなく現れた、赤鬼に師匠が話をしている。
「…はい。アオイ様。」
赤鬼は声からして、女の鬼らしい。
「…くれぐれも…殺すなよ?」
「…かしこまりました。王の命は絶対ですから。」
と言うと、アカネは膜に触れ膜の外へ出ていった。
「さて、共のヤツらはアカネに任せた事だし…さて、少し昔話でもしようか。」
「ある鬼は、元から人間が嫌いだった。25年前、初代から数えて19番目のももたろうが、
魔界に攻めてくる大戦が起こった。
一族の殆んどがその男と共に殺されていった。」
淡々と話す師匠からは、冷たい気がみち溢れている。
「そして、生き残った鬼の一匹は、王の血を継ぐ者であり、
人間界から帰ってきたばかりで、まだ人間の姿をしていた。
その姿を見た男は、忌むべきことにその鬼に一目惚れをし、他の鬼を封印し人間界へ連れ帰った。
そして、その鬼と男の間に産まれた半鬼は、ももたろうの力と鬼の力を持つ忌み子となった。」
もしかして…
「…それがオレって言いたいんすか?」
オレがそういうと、
「…オレは、昔話と言ったが?
だが、ヒメはオレの姉さんだ。
…あぁ。お前にわかりやすい様に言ってやらないと、伝わらないよな…。」
光を宿さない、闇に埋もれた瞳でオレに話しかけてくる。
「…愛しいく、心も綺麗な…ヒメは。
アイツにほだされて…
桃子となっても、心も体も美しい…素敵な存在だ…」
桃子って…オレの母ちゃんの名前じゃん。
それに、母ちゃんのこと師匠、べた褒めしてたのは、そういうことか。
「やっと、理解したみたいだな。」
「…あぁ。なんとなくな。師匠が、ヤバイヤツだって事は、はっきりした。」
「…そして、
忌み子とて産まれ、
父に本当の事を教えられず、
母との繋がりを引き裂いた男を師匠と尊敬していた
気分はどうだ??」
「色々てんこ盛り過ぎだけど…とりあえず、ムカつく。」
オレは大声でみんなを呼んでみたけど、
返事は返ってこないし、
オレが立っている周りの空には、透明っぽい虹色の膜がかかっていて、
いかにも異世界って感じがする。
「いくら叫んだって無駄だ。」
聞き慣れた声がする方を見ると
今まで見た鬼より殺気を纏った青い鬼が立っている。
「師匠…??どこなんですか??」
「…あぁ。そうか、こちらでしか、この姿にはならないからな。オレだよ。」
目の前に立っている鬼がパチンと、指をならすと、どこからか煙がでて
青鬼を包んで、煙が消えると
師匠が立っていた。
「…師匠っ!どういうことですか?」
「煩いな…。これがオレの本当の姿だ。桃希…いや、忌み子の20代目。」
えっ??意味がワケわかんねぇ。
「…思い出して無いのが、面倒だな。
アカネ、向こうのヤツらの相手してやれ。」
どこからともなく現れた、赤鬼に師匠が話をしている。
「…はい。アオイ様。」
赤鬼は声からして、女の鬼らしい。
「…くれぐれも…殺すなよ?」
「…かしこまりました。王の命は絶対ですから。」
と言うと、アカネは膜に触れ膜の外へ出ていった。
「さて、共のヤツらはアカネに任せた事だし…さて、少し昔話でもしようか。」
「ある鬼は、元から人間が嫌いだった。25年前、初代から数えて19番目のももたろうが、
魔界に攻めてくる大戦が起こった。
一族の殆んどがその男と共に殺されていった。」
淡々と話す師匠からは、冷たい気がみち溢れている。
「そして、生き残った鬼の一匹は、王の血を継ぐ者であり、
人間界から帰ってきたばかりで、まだ人間の姿をしていた。
その姿を見た男は、忌むべきことにその鬼に一目惚れをし、他の鬼を封印し人間界へ連れ帰った。
そして、その鬼と男の間に産まれた半鬼は、ももたろうの力と鬼の力を持つ忌み子となった。」
もしかして…
「…それがオレって言いたいんすか?」
オレがそういうと、
「…オレは、昔話と言ったが?
だが、ヒメはオレの姉さんだ。
…あぁ。お前にわかりやすい様に言ってやらないと、伝わらないよな…。」
光を宿さない、闇に埋もれた瞳でオレに話しかけてくる。
「…愛しいく、心も綺麗な…ヒメは。
アイツにほだされて…
桃子となっても、心も体も美しい…素敵な存在だ…」
桃子って…オレの母ちゃんの名前じゃん。
それに、母ちゃんのこと師匠、べた褒めしてたのは、そういうことか。
「やっと、理解したみたいだな。」
「…あぁ。なんとなくな。師匠が、ヤバイヤツだって事は、はっきりした。」
「…そして、
忌み子とて産まれ、
父に本当の事を教えられず、
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気分はどうだ??」
「色々てんこ盛り過ぎだけど…とりあえず、ムカつく。」
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