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それぞれの10年間
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食事を終えたあたりから、頭が少しぼーっとしてきた。体が火照りだす。
この感覚は……ヒートだ。
3か月周期で狂ったことは最近なかったのに。1か月早まっている。ストレスかな?
「由里ちゃん、俺、ヒート来たみたい」
「抑制剤持ってる?」
「オメガ風俗ではヒートは稼ぎ時だから、ピルは飲んでも抑制剤飲んだことないんだよね」
「ここの寮はオメガのみで他のバースは禁止だから、セックスでヒートの症状鎮めることはできないんだよね。抑制剤ないと辛いと思う。市販の弱いのは保健室にあるから、食べ終わったら案内するね」
食事終わった後、保健室に連れて行ってもらう。胃薬、風邪薬、湿布や絆創膏などが常備されており、自由に使っていいということであった。市販の抑制剤を由里は探してRYOに渡す。
RYOが「目痛くて、使用法読んで」とお願いする。
「1回2錠、12時間毎だって。抑制剤のみでピル成分は入ってないみたい。まあ、ヤレないからいらないね」
由里が説明文を読んでくれる。RYOは訝し気に抑制剤を見る。
「これ、飲まなきゃダメ?」
「飲まなくてもいいけど。ヤレないから、自分でスルしかないでしょ。少し抑制しないと疲れちゃうよ。ま、様子見て疲れたら飲めば」
由里と部屋に戻る。衝立を出してくれてRYOのベッドの横に置いて目隠しにしてくれる。テキパキと水1.5Lのペットボトルとゼリー飲料、ティッシュ、ウエットティッシュ、ゴミ箱をそばに並べてくれる。
「お互い様だから、声とか気にしなくていいから」
由里は自分の机に向かって勉強し始めた。
1人になったRYOは積まれているダンボールを開け、下着とタオルを発見し取り出した。スーツから部屋着に着替え、ベッドに横になり目をつぶる。雅司を思い出す。
(気持ちよかったな……)
雅司とのセックスを思い出す。
(そう言えば、あの1週間、仕事しないからいいと思ってピル飲んでなかったな。あそこでヒート来てたら絶対妊娠したよな……)
ピルを飲んでなかったから、ヒートが来なくて良かったような、ヒートが来たら雅司の子供を授かれたのに勿体なかったとか、思考が千々に乱れた。
ヒートの熱が高まってきて、ヤリたくて堪らなくなる。
前を扱き、後孔に指を入れる。
(まーくんの大きくて気持ちよかったな)
自分でするのは物足りなかった。前も扱きすぎて赤くなり痛くなってきた。抑制剤を飲まずに半日頑張ってみたが、どうにも辛くなってきたので、抑制剤に頼ることにした。飲むと少し楽になったので、その隙にシャワーを浴び、食事をとった。3時間くらいで効き目が切れるため、次の内服時間を心待ちにしながら自慰して過ごした。
オメガ風俗ではヤリまくり稼ぎまくりでヒート万歳だったのに、ヤレないヒートの辛さを初めて知った。長い1週間だった。
RYOのヒートの1週間、由里は淡々と過ごしていた。時々、RYOの生存確認し、水の補充や、どろどろのシーツを交換してくれたりした。
「由里ちゃん、ごめん」
「お互い様」
由里は部屋にいる時は、机に向かって勉強していることが多かった。偉いな、と感心した。
ヒート明け、由里と食堂に行き、寮のオメガ達に顔を合わせる。ほとんどが服の製造業に従事していた。Miki Hojoは服に刺繍など手仕事を加えている。1点ものとしての価値を高めることと、オメガの雇用促進を兼ねている。由里はカタログ撮影の時はヘアメイクをさせてもらうが、普段は服の製造の仕事をしている。
RYOは日本政府とロシアから資金が出ているので、仕事はしなくても良く、この環境に慣れるようにと言われた。ほぼ家事ができなかったので、まず由里に洗濯の仕方を教わった。ダンボールに入っている物を出して片付ける。目立たないがシミやほつれがあるため売れなかったブランド服が大半だった。目立たないようにしなければいけないので、もうこの服は着れないだろう。由里に声をかけると、「そんな高価な服もらえない」と遠慮したが、捨てるしかないと言うと「それは勿体ない」ともらってくれることになった。代わりに普段着をもらった。由里とサイズが同じくらいなのでスカート以外は譲ってもらえた。由里は「また、フリマで仕入れてくるね」と張り切った。2人で由里が着るためにブランド服を修繕したり、ファッションショーをしたりして楽しんだ。
この感覚は……ヒートだ。
3か月周期で狂ったことは最近なかったのに。1か月早まっている。ストレスかな?
「由里ちゃん、俺、ヒート来たみたい」
「抑制剤持ってる?」
「オメガ風俗ではヒートは稼ぎ時だから、ピルは飲んでも抑制剤飲んだことないんだよね」
「ここの寮はオメガのみで他のバースは禁止だから、セックスでヒートの症状鎮めることはできないんだよね。抑制剤ないと辛いと思う。市販の弱いのは保健室にあるから、食べ終わったら案内するね」
食事終わった後、保健室に連れて行ってもらう。胃薬、風邪薬、湿布や絆創膏などが常備されており、自由に使っていいということであった。市販の抑制剤を由里は探してRYOに渡す。
RYOが「目痛くて、使用法読んで」とお願いする。
「1回2錠、12時間毎だって。抑制剤のみでピル成分は入ってないみたい。まあ、ヤレないからいらないね」
由里が説明文を読んでくれる。RYOは訝し気に抑制剤を見る。
「これ、飲まなきゃダメ?」
「飲まなくてもいいけど。ヤレないから、自分でスルしかないでしょ。少し抑制しないと疲れちゃうよ。ま、様子見て疲れたら飲めば」
由里と部屋に戻る。衝立を出してくれてRYOのベッドの横に置いて目隠しにしてくれる。テキパキと水1.5Lのペットボトルとゼリー飲料、ティッシュ、ウエットティッシュ、ゴミ箱をそばに並べてくれる。
「お互い様だから、声とか気にしなくていいから」
由里は自分の机に向かって勉強し始めた。
1人になったRYOは積まれているダンボールを開け、下着とタオルを発見し取り出した。スーツから部屋着に着替え、ベッドに横になり目をつぶる。雅司を思い出す。
(気持ちよかったな……)
雅司とのセックスを思い出す。
(そう言えば、あの1週間、仕事しないからいいと思ってピル飲んでなかったな。あそこでヒート来てたら絶対妊娠したよな……)
ピルを飲んでなかったから、ヒートが来なくて良かったような、ヒートが来たら雅司の子供を授かれたのに勿体なかったとか、思考が千々に乱れた。
ヒートの熱が高まってきて、ヤリたくて堪らなくなる。
前を扱き、後孔に指を入れる。
(まーくんの大きくて気持ちよかったな)
自分でするのは物足りなかった。前も扱きすぎて赤くなり痛くなってきた。抑制剤を飲まずに半日頑張ってみたが、どうにも辛くなってきたので、抑制剤に頼ることにした。飲むと少し楽になったので、その隙にシャワーを浴び、食事をとった。3時間くらいで効き目が切れるため、次の内服時間を心待ちにしながら自慰して過ごした。
オメガ風俗ではヤリまくり稼ぎまくりでヒート万歳だったのに、ヤレないヒートの辛さを初めて知った。長い1週間だった。
RYOのヒートの1週間、由里は淡々と過ごしていた。時々、RYOの生存確認し、水の補充や、どろどろのシーツを交換してくれたりした。
「由里ちゃん、ごめん」
「お互い様」
由里は部屋にいる時は、机に向かって勉強していることが多かった。偉いな、と感心した。
ヒート明け、由里と食堂に行き、寮のオメガ達に顔を合わせる。ほとんどが服の製造業に従事していた。Miki Hojoは服に刺繍など手仕事を加えている。1点ものとしての価値を高めることと、オメガの雇用促進を兼ねている。由里はカタログ撮影の時はヘアメイクをさせてもらうが、普段は服の製造の仕事をしている。
RYOは日本政府とロシアから資金が出ているので、仕事はしなくても良く、この環境に慣れるようにと言われた。ほぼ家事ができなかったので、まず由里に洗濯の仕方を教わった。ダンボールに入っている物を出して片付ける。目立たないがシミやほつれがあるため売れなかったブランド服が大半だった。目立たないようにしなければいけないので、もうこの服は着れないだろう。由里に声をかけると、「そんな高価な服もらえない」と遠慮したが、捨てるしかないと言うと「それは勿体ない」ともらってくれることになった。代わりに普段着をもらった。由里とサイズが同じくらいなのでスカート以外は譲ってもらえた。由里は「また、フリマで仕入れてくるね」と張り切った。2人で由里が着るためにブランド服を修繕したり、ファッションショーをしたりして楽しんだ。
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