愛されたい少年

1章

74

エーリルを抱きかかえ立つと、あいつが、



「その人は、僕を突き飛ばしたんですよ！なその人をどこに連れて行くんですか！謝ってほしいです！」

なんて戯れ言を言っている。


口が悪くなっているが、仕方ない。
本当にあいつは何をいっているのか…と思うほどで、関わりたくもない。
声も聞きたくもない。

それよりも、あいつは、僕らよりも身分は低いはずだ。
身分が高ければ絶対に一度は顔合わせをしている。


なのに…だ。

確かにここは、身分は、関係なく参加できる学園…しかし、そうは言っても上下関係は必要だ。

ムイ、ガイ、ファン、僕は、三年。
エーリルは、二年。

それに、学園に取って大切な生徒会も兼ねている。


で…あいつ…いや、あいつらは、一年最近入ってきたばかりの…。

言いがかり、エーリルに対しての悪意、あいつの周りは、止めない…逆に加わっている。

学園に、あいつらは、必要か？
まだ、優秀な平民…学びたい意志のある人を入れたほうが学園にとっても周りにとってもいい。



貴族というだけでつけあがっている奴らは、どうせ卒業しても程度が知れる。



はあ…。

今日の出来事でどれだけ僕は、口悪くなったんだろうか。



エーリルを特別な部屋へと運ぶ。
そこは、王族の許可なしに入ることができない部屋で、どこよりも良い作りをしている。

そっと、ソファーにエーリルを寝かせる。
今から、父上が来るだろう。それまでは…。