自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!

荒星

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イザナギ学院一年生編

第43話 予兆

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 エミリーヌ達と別れ、なんとか夕食を無事に乗り越えたその日の夜中、俺達は突如として発生した地震と凄まじい音で目が覚めた。

「うおッ!?」

「なんだなんだ? 地震か!?」

「そ、そうらしいですね。けど、それにしては……」

「あ、収まった」

 暫くして揺れが収まり、俺達は顔を見合わせた。

「なんか物凄い音したよな」

「うん……悠馬君も聞きましたよね?」

「ああ、聞いてた……けどまあ、多分震源が真下だったとかで聞こえたんじゃね?」

 ――……。

 ――今のは……まさか、な。

 ――なんだよ二人共、どうした?

 ――いや、なんでもない。恐らく気のせいであろう。

 ――なんだそれ。

 俺は内心で首をかしげながらも、眠気に負けて瞼を閉じる。そして、俺達は再び眠りについた。




「わかってるな、和人」

「ああ、絶対に花音に料理をさせない。だろ?」

 朝、出発前に俺達は二人で顔を合わせていた。

「また女子の手料理が食べたいからとか言ってやらかしやがったら、俺がお前の口に喜んで全部突っ込むからな」

「ああ、大丈夫だ。問題ない。てか、流石の俺でももう……な?」

「どうだか」

「信じてくれよ、絶対に大丈夫だから。そうだな……神に……いや、神なんて信じてないからあの時スーパーで見た俺の女神に誓おう」

 ――エミリーさんに誓われてもな……。つーかコイツにはエミリーさんがお向かいさんだとか、知り合いだとかって事はバレないようにしよう。バレたらめんどくさそうだ。

「どうしたんですか二人共ー!」

「おう、すぐ行く!」

 三時間後。

「それにしても、なんでかモンスターが少ないな……」

「だな」

 俺達は暫く奥の遺跡目指して歩いて居たのだが、まだモンスターと殆ど会敵していなかった。

「会ったのもゴブリン数匹だしな。もしかして、俺達より先に来た奴が狩りつくしたとか?」

「オイオイ、冗談はよせよ。知ってるだろ? ダンジョンのモンスターってのは基本無限湧きだぞ? 減った分だけ補充されるようになってるのに、そんな事できるわけないだろうが。出来たとしてもソイツは化け物かなんかだろうよ」

「だな」

 ダンジョンのモンスターは基本無限湧きだ。無論、新しくモンスターの発生する場所はランダムなので、早々簡単に倒したモンスターと再戦なんてないが。

「けどこのダンジョンは実習用で死んでもスタート地点に戻るだけだから、経験値目当てで狩りをしてるとか?」

 そう。このフィールドワークに用いられているダンジョンでは、死んでもスタート地点に戻されるだけで済む。まあこの広い森を折角歩いてきたのに振り出しに戻るってのは、中々に痛いペナルティだが。

「けど、経験値の為にフィールドワークの点数捨てるか?」

「そうですよね。私達の運が良いだけとか?」

 俺達が軽い調子で雑談していると、前方から唸り声が聞こえてきた。

「噂をすればなんとやら、だ。来るぞ!」

 そして茂みから飛び出してきたのは、もう少し奥地から出現するはずのオークだった。

「おいおいおい」

「あ、あれ? 私達って何時の間にそんなに奥地まで来てましたっけ?」

「とりあえずやるしかないだろ!」

 俺は自分の腕にハマる腕輪を撫でながら、二人に叫んだ。

「だな、いつまでもボーっと考えたってしょうがねぇ」

「行きましょう!」

 俺達は顔を見合わせると、オークに向かって突撃した。




「甘いですッ!」

 花音は、棍棒を振り上げたオークの眼球目掛けて矢を放つ。

「ナイスアシストだ花音!」

 俺と和人はオークを挟み込むと、目を抑えたオークが闇雲に繰り出す棍棒を避けながら、和人がオークの棍棒を持った方の手を切り落とし、遂に俺がオークの首を切り裂いた。

「よっしゃ!」

「やったね!」

「よし! 俺達の勝ちだ!」

 オークを倒した後、俺達はハイタッチした。

「あれ? そういえばお前、俺達と違ってレベル100超えてなかったか? なのになんでオークといい勝負してんだよ」

「確かにそうですね」

「ん? ああ。レベルそんままだと授業にならないしつまんないから、レベルを制限する腕輪を嵌めてんだよ」

「へー、そうなんですね……。って、それって国宝級のレアアイテムじゃないですか!?」

「そ、そうなの?」

 ――ナム・タルって曲がりなりにも神様らしいし、当たり前か。それにしても国宝級って。

 その時だった。

「なんだ!?」

 急に何かが降ってきたかと思うと、突風が吹き荒れる。

 ――クソ! なんなんだ一体!

「ワイバーンだと!?」

 降ってきたのは、ちゃんと奥まで進めば出現するオークとは違い。本来ボスの一体として遺跡内に君臨し、通常エンカウントはしないはずのワイバーンだった。

 ――ワイバーンがダンジョン内を自由に動き回ってるのも充分異常だが、それよりも……。

 本来ワイバーンは赤色でその表面は鱗に覆われているのだが、何故かこのワイバーンは青色で所々残ってはいるが鱗が剝がれ落ち、従来のワイバーンより全体的にふやけている……というよりも、ブヨブヨしているような感想を俺に抱かせた。

 ――気を付けろ悠馬。そいつからは微弱だが、邪神の気配がする。

 ――マジかよ。

「気を付けろ二人共! このワイバーン、普通じゃねえぞ!」

 俺達が臨戦態勢を取ると、ワイバーンは通常とは違うノイズの混じったような聞くに堪えない咆哮を上げ、俺たちに向かって突撃してきた。
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