1 / 4
第1話 いただき魔す!!
しおりを挟む
むかしむかし、徳川家が天下統一を果たし、江戸城が建って10年も経たない頃の話だった。江戸の城下町に溢れる邪念を払うことで江戸の治安維持に尽くし、徳川家に厚く信頼されていた数少ない外様大名の一族がいました。彼らは式神を使い、その式神は人間の邪念を“食べる”という形で払っていました。
それからおよそ400年経った現代において、一族に前例のない払い方を試みた青年がいた。
その青年は、長年の憧れである料理人になる為に家業を放ってまでパリへ留学したが、その時の全額を代々受け継いできた徳川埋蔵金の大判のうちから3枚を売り払ったお金だったことが知られ、結局家業を継がさせられることになった。
…っていうのが俺、榊原義嗣なんだが、俺がどうやって人の邪念を払うかっていうと、やっぱり嫌なことは好きなことを取り入れながらやりたいってワケで、食事でお客さんを満足させつつ、それで邪念が弱っているところを払う!!これが最適だろうと思ったんだが…。
「邪念を払うときはただ払うだけじゃあ駄目だ。しっかりその邪念と向き合うことが大切だ」
なんて父さんに言われるモンだからお客さんと話せるようにカウンター席でしかやらないことになったが。まあ、”お客さんの要望に合わせて作る”っていう方向性にはベストマッチだと思うが。
で、賃貸物件も見つかって開店の準備も順調、あと2週間もあればもう開店できそうだから、今日は父さんに俺の欲望をつめた式神を召喚してもらう予定だ。
この一族の式神使いは式神に欲望をつめて召喚する必要があって、欲望がつまっていればつまっているほどより多くの邪念を食うらしい。
「よお、義嗣。やっとお前も相棒を召喚すんのか」
「あ、修司さん。そういえば、修司さんたち式神ってどこから召喚されるんだ?」
「俺は義嗣の父さんの欲望から生まれてんだ。殆どの式神は召喚者の欲望を魔力で具現化させたようなモンだ。だから義嗣、お前さんの式神がどんなんになるか楽しみだ」
「まあ、俺の欲望が丸出しになるようなモンだからあんま期待しないでくれ」
「義嗣、さっさと儀式始めるぞ」
「お、おう」
「で、お前の欲望は?俺が修司を召喚したときは欲が乏しい頃だったが、今のお前は店の開店が間近だからきっと欲は多いだろう。さあ、父さんの召喚術に任せてドンとぶつけてみろ、お前の欲を!」
「俺は…、ツインテールの赤髪碧眼、ツンデレデレマシマシ、バスト76、ウエスト51、ヒップ90、身長は145から160くらい、目は垂れ目気味で、服の露出は少なくて、和服じゃなくてできれば軍服っぽいのとかワンピースみたいな軽い服装で、おてんばで、世話が焼けて、でもしっかりと言うことは聞いてくれて、俺が辛いときに傍にいてくれて、恥ずかしがり屋なところがあって、人の多いところで手を繋ごうとすると手を振り払ってきて『ちょっと、人前で何すんのよ!?バカ!!』って言ったりして、サプライズすると嬉し泣きして、一人称はボクかアタシで、こっちが正直に褒めると顔真っ赤にして拗ねて、逆に褒めないと顔真っ赤にして怒って、それでも『ありがとう』を言う時はうつむきがちに言ってきて、飯食う時はめっちゃ美味しそうに食って…」
「要望が多すぎだ!!あと、式神は基本人間の邪念を食らうから人間の食事は食わないはずだ!!」
「いや、修二さんが言ってたぞ。式神は契約者の欲望で無限に進化する、って」
すると、父さんが床に描いていた魔法陣が真っ赤に光り出し、そこからは本当に赤髪碧眼のツインテール美少女が出てきた。
「ア、アンタが主!?ちょっと、初対面でそんなジロジロ見ないでよ…」
「俺は榊原義嗣。ご察しの通り俺は君の主人だ。よろしく」
「よ、よろしく…」
ああ、父さん。俺、父さんの息子でよかった。こんな美少女と毎日一緒に仕事ができるなんて…。
「ねえ、何を考えてニヤニヤしてるの?気持ち悪い…あっ、ごめんなさい、つい…」
「いいんだよ。俺は君が君らしくあってくれればいいからさ」
「何それ、意味分かんない。まったく、主ったら…」
「そういえば、君って名前何ていうの?」
「何でもいいでしょ?好きにすれば?」
「なら、朱雀って呼んでいい?」
「朱雀?何かは知らないけど悪くはないわ」
「じゃあ、改めてよろしく」
「う、うん。で、アタシは何をすればいいの?」
「人間の邪念を食べてくれればいいんだよ。あと、人間の邪念を食べる前は、必ず『いただき魔す』って言ってな」
「い、言われなくたって…。分かったわ、『いただき魔す』、ね」
続く
それからおよそ400年経った現代において、一族に前例のない払い方を試みた青年がいた。
その青年は、長年の憧れである料理人になる為に家業を放ってまでパリへ留学したが、その時の全額を代々受け継いできた徳川埋蔵金の大判のうちから3枚を売り払ったお金だったことが知られ、結局家業を継がさせられることになった。
…っていうのが俺、榊原義嗣なんだが、俺がどうやって人の邪念を払うかっていうと、やっぱり嫌なことは好きなことを取り入れながらやりたいってワケで、食事でお客さんを満足させつつ、それで邪念が弱っているところを払う!!これが最適だろうと思ったんだが…。
「邪念を払うときはただ払うだけじゃあ駄目だ。しっかりその邪念と向き合うことが大切だ」
なんて父さんに言われるモンだからお客さんと話せるようにカウンター席でしかやらないことになったが。まあ、”お客さんの要望に合わせて作る”っていう方向性にはベストマッチだと思うが。
で、賃貸物件も見つかって開店の準備も順調、あと2週間もあればもう開店できそうだから、今日は父さんに俺の欲望をつめた式神を召喚してもらう予定だ。
この一族の式神使いは式神に欲望をつめて召喚する必要があって、欲望がつまっていればつまっているほどより多くの邪念を食うらしい。
「よお、義嗣。やっとお前も相棒を召喚すんのか」
「あ、修司さん。そういえば、修司さんたち式神ってどこから召喚されるんだ?」
「俺は義嗣の父さんの欲望から生まれてんだ。殆どの式神は召喚者の欲望を魔力で具現化させたようなモンだ。だから義嗣、お前さんの式神がどんなんになるか楽しみだ」
「まあ、俺の欲望が丸出しになるようなモンだからあんま期待しないでくれ」
「義嗣、さっさと儀式始めるぞ」
「お、おう」
「で、お前の欲望は?俺が修司を召喚したときは欲が乏しい頃だったが、今のお前は店の開店が間近だからきっと欲は多いだろう。さあ、父さんの召喚術に任せてドンとぶつけてみろ、お前の欲を!」
「俺は…、ツインテールの赤髪碧眼、ツンデレデレマシマシ、バスト76、ウエスト51、ヒップ90、身長は145から160くらい、目は垂れ目気味で、服の露出は少なくて、和服じゃなくてできれば軍服っぽいのとかワンピースみたいな軽い服装で、おてんばで、世話が焼けて、でもしっかりと言うことは聞いてくれて、俺が辛いときに傍にいてくれて、恥ずかしがり屋なところがあって、人の多いところで手を繋ごうとすると手を振り払ってきて『ちょっと、人前で何すんのよ!?バカ!!』って言ったりして、サプライズすると嬉し泣きして、一人称はボクかアタシで、こっちが正直に褒めると顔真っ赤にして拗ねて、逆に褒めないと顔真っ赤にして怒って、それでも『ありがとう』を言う時はうつむきがちに言ってきて、飯食う時はめっちゃ美味しそうに食って…」
「要望が多すぎだ!!あと、式神は基本人間の邪念を食らうから人間の食事は食わないはずだ!!」
「いや、修二さんが言ってたぞ。式神は契約者の欲望で無限に進化する、って」
すると、父さんが床に描いていた魔法陣が真っ赤に光り出し、そこからは本当に赤髪碧眼のツインテール美少女が出てきた。
「ア、アンタが主!?ちょっと、初対面でそんなジロジロ見ないでよ…」
「俺は榊原義嗣。ご察しの通り俺は君の主人だ。よろしく」
「よ、よろしく…」
ああ、父さん。俺、父さんの息子でよかった。こんな美少女と毎日一緒に仕事ができるなんて…。
「ねえ、何を考えてニヤニヤしてるの?気持ち悪い…あっ、ごめんなさい、つい…」
「いいんだよ。俺は君が君らしくあってくれればいいからさ」
「何それ、意味分かんない。まったく、主ったら…」
「そういえば、君って名前何ていうの?」
「何でもいいでしょ?好きにすれば?」
「なら、朱雀って呼んでいい?」
「朱雀?何かは知らないけど悪くはないわ」
「じゃあ、改めてよろしく」
「う、うん。で、アタシは何をすればいいの?」
「人間の邪念を食べてくれればいいんだよ。あと、人間の邪念を食べる前は、必ず『いただき魔す』って言ってな」
「い、言われなくたって…。分かったわ、『いただき魔す』、ね」
続く
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる