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第十一話 幼馴染とわたし
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わたし蒼浜りくらは、幼馴染である鞍町冬伸ちゃんと一緒に成長していく。
小学生までは、登下校はいつも一緒。
そして、小学生までは、わたしの体が弱かったこともあって、放課後や普段の休日、そして、夏休みなどの長期の休みの時は、お互いの家でゲームをして遊ぶことが多かった。
中学生になるとさすがにその回数は減った。
冬伸ちゃんもわたしも部活に入ったりするなど、忙しくなったからだ。
登校の方は相変わらず一緒だった。
しかし、下校の方は、時間が合わず一緒に帰ることは減った。
それでも相変わらず仲は良いままだった。
ただ、わたしたちの関係は、幼馴染という枠から外れることはないままだった。
中学生になっても、依然として体は強い方ではなかった。
しかし、入院するほど体調が悪化することはなくなっていた。
中学生になると、周囲にカップルに誕生し始めていたのだけれど、その影響をわたしたちが受けて、二人の思いが恋に発展することはなかった。
今思えば、わたしが冬伸ちゃんに対して、中学生の時点から、もっと積極的にアプローチをしていれば、二人の関係は、恋人どうしに変化していったのかもしれない。
高校一年生になっても同じ学校で、入学の当初は冬伸ちゃんと仲良くしていた。
わたしは、この頃になると、少しずつ冬伸ちゃんに恋する気持ちを持つようになっていた。
しかしその一方で、幼馴染としての関係が壊れることを恐れるようになった。
わたしが高校生になってできた友達がいるのだけれど、彼女にも幼馴染がいて、二人は恋人どうしとして付き合い始
めた。
そこまでは良かったのだけれど、わずか三か月ほどでその関係は壊れてしまった。
彼女によると、付き合ってみて、お互いの嫌なところを認識させられたからだそうだ。
幼馴染ならば許容範囲だったものが。恋人となるとそうでなくなる。
そういう話をしていた。
そして、今までの幼馴染としてもっていた大切な思い出も、嫌な思い出に変わってしまったという。
彼女はそういう話をした後、しばらくの間泣いていた。
これは彼女固有の話なのかもしれない。
しかし、こういう話を聞かされると、幼馴染である冬伸ちゃんと仲を深めるのは、躊躇せざるをえない。
冬伸ちゃんの方も同じ思いだったのかもしれない。
夏休みを迎える頃から、少しずつわたしたちの間に距離が生まれ始めた気がしていた。
そして、夏休みの間は、お互いの家に行くこともなくなった。
冬伸ちゃんが部活で忙しかったとはいっても、数日ぐらいは行くことができたはずだ。
しかし、冬伸ちゃんはわたしのことを誘うことはなかったし、わたしも冬伸ちゃんのことを誘うことはなかった。
冬伸ちゃんと次第に疎遠になっていくということは、わたしにとって、寂しいことだった。
わたしの心の中に、冬伸ちゃんはそれだけ大きな勢力を築き上げていたのだ。
わたしはその寂しさを少しでもやわらげる為もあって、勉強に集中した。
そして、乙女ゲームをプレイし始めた。
「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」という題名のゲームだった。
もともとわたしはゲームが好きだったこともあって、一日中プレイをする日があるほど熱中した。
すべてのキャラクターを攻略し、恋愛をしたわたしだったのだけれど……。
ゲームでは推しのキャラクターができた。
そのキャラクターにわたしは恋をした。
そして、ゲームの影響を受けて、冬伸ちゃんへの想いもどんどん強くなっていた。
今までのような仲ではなく、恋人どうしになっていきたいと思うようになっていった。
夏休みの後半、冬伸ちゃんへの想いを熱くしていったわたし。
二学期に入ったら、今までとは違い、冬伸ちゃんに積極的にアプローチをしたいと思うようになっていた。
ただ、そういう対応をすると、冬伸ちゃんに嫌われてしまうのでは?
そういう懸念はどうしてもあった。
とはいうものの、そういうことを気にしていては、いつまで経っても冬伸ちゃんと恋人どうしにはなれない。
わたしは、そういうマイナスの気持ちを抑え込もうと、一生懸命努力した。
そして、二学期を迎えることになった。
小学生までは、登下校はいつも一緒。
そして、小学生までは、わたしの体が弱かったこともあって、放課後や普段の休日、そして、夏休みなどの長期の休みの時は、お互いの家でゲームをして遊ぶことが多かった。
中学生になるとさすがにその回数は減った。
冬伸ちゃんもわたしも部活に入ったりするなど、忙しくなったからだ。
登校の方は相変わらず一緒だった。
しかし、下校の方は、時間が合わず一緒に帰ることは減った。
それでも相変わらず仲は良いままだった。
ただ、わたしたちの関係は、幼馴染という枠から外れることはないままだった。
中学生になっても、依然として体は強い方ではなかった。
しかし、入院するほど体調が悪化することはなくなっていた。
中学生になると、周囲にカップルに誕生し始めていたのだけれど、その影響をわたしたちが受けて、二人の思いが恋に発展することはなかった。
今思えば、わたしが冬伸ちゃんに対して、中学生の時点から、もっと積極的にアプローチをしていれば、二人の関係は、恋人どうしに変化していったのかもしれない。
高校一年生になっても同じ学校で、入学の当初は冬伸ちゃんと仲良くしていた。
わたしは、この頃になると、少しずつ冬伸ちゃんに恋する気持ちを持つようになっていた。
しかしその一方で、幼馴染としての関係が壊れることを恐れるようになった。
わたしが高校生になってできた友達がいるのだけれど、彼女にも幼馴染がいて、二人は恋人どうしとして付き合い始
めた。
そこまでは良かったのだけれど、わずか三か月ほどでその関係は壊れてしまった。
彼女によると、付き合ってみて、お互いの嫌なところを認識させられたからだそうだ。
幼馴染ならば許容範囲だったものが。恋人となるとそうでなくなる。
そういう話をしていた。
そして、今までの幼馴染としてもっていた大切な思い出も、嫌な思い出に変わってしまったという。
彼女はそういう話をした後、しばらくの間泣いていた。
これは彼女固有の話なのかもしれない。
しかし、こういう話を聞かされると、幼馴染である冬伸ちゃんと仲を深めるのは、躊躇せざるをえない。
冬伸ちゃんの方も同じ思いだったのかもしれない。
夏休みを迎える頃から、少しずつわたしたちの間に距離が生まれ始めた気がしていた。
そして、夏休みの間は、お互いの家に行くこともなくなった。
冬伸ちゃんが部活で忙しかったとはいっても、数日ぐらいは行くことができたはずだ。
しかし、冬伸ちゃんはわたしのことを誘うことはなかったし、わたしも冬伸ちゃんのことを誘うことはなかった。
冬伸ちゃんと次第に疎遠になっていくということは、わたしにとって、寂しいことだった。
わたしの心の中に、冬伸ちゃんはそれだけ大きな勢力を築き上げていたのだ。
わたしはその寂しさを少しでもやわらげる為もあって、勉強に集中した。
そして、乙女ゲームをプレイし始めた。
「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」という題名のゲームだった。
もともとわたしはゲームが好きだったこともあって、一日中プレイをする日があるほど熱中した。
すべてのキャラクターを攻略し、恋愛をしたわたしだったのだけれど……。
ゲームでは推しのキャラクターができた。
そのキャラクターにわたしは恋をした。
そして、ゲームの影響を受けて、冬伸ちゃんへの想いもどんどん強くなっていた。
今までのような仲ではなく、恋人どうしになっていきたいと思うようになっていった。
夏休みの後半、冬伸ちゃんへの想いを熱くしていったわたし。
二学期に入ったら、今までとは違い、冬伸ちゃんに積極的にアプローチをしたいと思うようになっていた。
ただ、そういう対応をすると、冬伸ちゃんに嫌われてしまうのでは?
そういう懸念はどうしてもあった。
とはいうものの、そういうことを気にしていては、いつまで経っても冬伸ちゃんと恋人どうしにはなれない。
わたしは、そういうマイナスの気持ちを抑え込もうと、一生懸命努力した。
そして、二学期を迎えることになった。
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