前世では浮気され、婚約破棄、追放、処断されたわたし。でも今世では継母のイジメと対決し、聖女になり、婚約者に溺愛されて幸せになります。

のんびりとのんびり

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第七十二話 おじいさまとの再会

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 せっかく前世のように寝取られることがなく、そして、処断をされることもなく、これから王太子妃・王妃として、この王国・ギュールヴィノール公爵家に尽くし、オディルギュール殿下と一緒に幸せになっていこうとしていたのに……。

 そう思い、涙を流し始めていると、わたしの目の前が光り始めた。

 その光はまぶしいほどになっていく。

 そして、その光が収束していくと、気品のある女性が姿を現した。

 あの世の話の時に聞いていた天使の姿だ。

「ルリーゼティーヌさん、こうして会うのは初めてですね。わたしはあなたの守護霊です」

 今までよく聞いていた声。

 わたしをサポートしてくれる存在の声。

 その存在は、わたしの守護霊様だったということだ。

「ルリーゼティーヌでございます」

 わたしはそう言った後、

「いつもアドバイスをしていただきまして、ありがとうございます」

 と言い、頭を下げた。

 すると、守護霊様は、

「守護霊というのは、あなたも認識しているように、各人に必ず一人存在し、各人をサポートする存在です。しかし、守護霊から直接アドバイスの声を聞くことができる方はごく少数です。それを聞くことができるようになる為には、まず聞こうとする方が、その素質を持っている必要があります。もちろん、それだけではダメです。自分の心を磨くことによって、持っている素質を、その声を聞くことができるレベルまで高めていかなければなりません。そして、守護霊と直接話ができる方は、さらに少ないです、ほとんどこの世にはいないと言っていいでしょう。それができるようになるには、アドバイスの声を聞くことができる素質が必要なところは同じですが、そのレベルはさらに高いので、自分の心もさらに磨いていく必要があります。あなたはその点、過去世でもその素質は持っていました。自分を磨き続けていけば、守護霊であるわたしと話すことができるところまで到達していたはずだったのですが、今までは到達する前にこの世を去っていたのです。これは、わたしとしても残念なことでした。しかし、今世は違います。あなたはわたしのアドバイスの声を聞くところまでレベルを上げることに成功しました。そして、今、あなたはこの世界にきて、わたしとこうして話をすることができています、これは、あなたが自分磨きを一生懸命努力してきたからこそできたことです。よくあなたはここまで到達してくれました。わたしはとてもうれしいです」

 と言った後、涙を流し始めた。

 わたしは、胸が熱くなってくる。

 そして、

「ありがとうございます。そして、守護霊様がわたしのことを思い、サポートしてくださったくれたことを、今、改めて認識いたしました。感謝の気持ちで一杯でございます。改めて、ありがとうございます」

 と涙をこらえながら応えた。

 すると、守護霊様は、涙を拭いた後、

「せっかくここであなたと話をすることができたのに残念ですが、あなたはこの世に戻らなければなりません。あなたはこれからオディルギュール殿下と一緒に、この世界に尽くし、良くしていくという使命があります」

 と言った。

 驚きの言葉だ。

 わたしはこの世での生命を失ったので、あの世に来たと思っていた。

「わたしはまだこの世で生きているということなのでしょうか?」

「そうです。生きています。このことについて詳しくお話をいたしましょう」

「よろしくお願いします」

 わたしがそう言うと、守護霊様は話をし始める。

「あなたは治癒魔法をオディルギュール殿下に使用しましたが、普通の力で治癒魔法を使用しているのであれば、生命の危機になることはありません。しかし、その方は危篤状態になっていて、それを救う為に、あなたは自分が持っている全力を治癒魔法の為に使うことになりました。その治癒魔法の威力はすさまじく、普通の聖女では到底出すことのできないものでした。その結果、その方は救われることになりましたが、あなたの方はもう力がなくなってしまったのです。その為、今度はあなたの方が生命の危機を迎えることになってしまいました、ただ、今までの訓練の成果で、生命を失うところまではいきませんでした。これは、本当にすごいことだと思います。普通であれば、すぐにこの世を去ってしまうほど心と体に大きな打撃を与えてしまうものになるからです。ここまであなたがレベルを上げたことについては、賞賛の言葉しかありません。しかし、生命を失うところまではいかなくても、さすがにあなたの心と体に対する打撃は大きく、『仮のこの世を去った状態』になっていました。今回、あなたがそのような状態になったのは、わたしにとってはつらいものでした」

「ご心配をおかけして申し訳ありません」

「いや、謝ることはありません。あなたはその方の為、生命をかけたのです。それはとても賞賛されるべきことです」

「ありがとうございます。そう言っていただくと光栄でございます」

「今回、あなたは『仮のこの世を去った状態』という特殊な条件下で、あの世に一時的に戻ってきました。このような場合、自分が守護霊と直接話ができるレベル、もしくは、それに近いレベルになっていれば、守護霊とこうして話をすることができますは、あなたも守護霊と直接話がレベルに到達していたので、こうしてわたしと話すことができたのです。あなたは『仮のこの世を去った状態』になってしまい、つらい思いをさせてしまったのは残念に思います。しかし、わたしと直接話をすることができるようになったことについては、賞賛すべきことだと思っています」
「『仮のこの世去った状態』になったことについては、わたしは全く気にしておりません。それよりも、わたしは守護霊様とこうしてお会いできて、お話ができるのが、とてもうれしいのでございます。ありがとうございます」
「そう言ってくれるとわたしもありがたいですし、うれしいです」

 守護霊様とわたしは微笑み合った。

「ところで、今のわたしは『仮にこの世を去った状態』になっているのですね?」

「そうです。あなたはこの世を去ったのではなく、一時的にこの世界にいるのです。そして、この世界にいることができるのは、わたしたちと直接話をすることのレベルに到達したからです、それだけあなたのレベルは高いということです」

「そう言っていただきまして、ありがとうございます。そして、今の状況を教えていただきまして、ありがとうございます」

「あなたのレベルがもっと上がってくれば、今日のような『仮のこの世を去った状態』の時だけではなく、自分が思い立った時に、この世界に戻ってくることができるようになります。また、わたしもこの世にいるあなたと直接話ができるようになります。そうすれば、あなたとわたしのコミュニケーションが今まで以上に多くの時間。取れるようになりますので、今までよりも一層、的確なアドバイスができるようになると思っています。そのことを期待しています」

「これからも自分を磨いていき、ご期待に沿えるようにいたします」

「大丈夫よ。あなたならできます」

「ありがとうございます。一生懸命努力をしてご期待の沿えるようにいたします」

「そして、わたしはあなたがこれから、オディルギュール殿下と一緒に仲睦まじく幸せな人生を過ごしていくことを願っています」

「ありがとうございます。守護霊様の言葉を聞いて、わたしの心の中に力が湧いてきました」

「あなたの人生はこれからです。その持っている能力を十二分に発揮してください」

「はい、わかりました、ありがとうございます」

 わたしがそう力強く応えると、守護霊様は、

「まだ時間があるので、あなたにある方と会ってもらいたいと思います」

 と言った。。

「どんな方なのでしょう?」

「あなたの親族の方で、あなたを慈しんできた方です」

 わたしがこの世界にいて会えるということは、この世の人ではないはずで、既にこの世を去っている人なのだろう。

 ただ、その中で、わたしの親族で、わたしを慈しんできた人というのは、誰のことだろう?

 わたしはその人物のことを想像し始めた。

 前世を含めたその該当人物について悩んでいる内に、

 もしかして、今世のおじいさまでは?

 と思うようになってきた。

 おじいさまは親族だし、わたしを慈しんできた人。

 今でも感謝の気持ちで一杯だし、あの世というものがあるのであれば、会いたいという気持ちは強かった。

 わたしは今、あの世に来ている。可能なことならば会いたいと思うようになっていたので、おじいさまがその人物であってほしいと思うようになっていた。

 すると、またわたしの目の前が光り出した。

 そして、その光が収束されていくと年を取った人が現れた。

 わたしの会いたかった人。

「おじいさま……」

 わたしの今世のおじいさまがここにいる。

 生きていた時と同じ礼服の姿。

 しかし、体調がずっとすぐれなかった今世とは違い、あの世にいる今は元気なようだ。

 うれしい。

 わたしは胸が一杯になり、目から涙がこぼれてきた。

「ルリーゼティーヌ……」

「おじいさま、会いたかったです。会えてうれしいです」

 わたしはそう言うと、おじいさまの手を握った。

 おじいさまもわたしの手を握り返してくる。
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