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第31話 俺はその人を知っています
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「あー……。体が痛いな」
全身に覚えた倦怠感。腰に重くのしかかってくる筋肉痛。これほどまでに仕事に行きたくないと思ったことはない。それでも月曜日を迎えてしまい、出勤してきた十夜はあまり顔色がよくない。それは自分でもよくわかっている。
「おはようございまーす。って先輩、辛そうですね。なんかありました?」
「ああ、おはよう。いやなに、日曜日の間中ベッドの中で過ごしたからな。そのせいで体が辛いだけだ。仕事には支障が出ないようにするから気にするな」
「ベッドの中で、って。風邪とか引いて起きられなかったんですか? 先輩一人暮らしだから大変ですよね」
「そういう意味じゃねえよ。俺らしく、エッチなことして一日過ごしたってことだ」
それが自分らしいというのもどうなのかとは思うが。
十夜の言葉を聞いて優斗は渋面を浮かべる。朝から変なことを言われて気分を害したのかと思ったのだが。
「そういえば先輩、金曜日に愛する人……いえ、アンドロイドですか? その人を警察に連れていかれちゃったんですよね。それで自暴自棄になって、ってことですか?」
「ああ、いやそうじゃない。お前には言ってなかったけど、あの後。金曜日の夜に総一郎は俺の元に戻ってきたんだ」
「そうなんですか? でもあいつって違法製造品ですよね?」
「そうなんだけどな。剛志が言うには、違法製造なんてそこまで重い罪じゃない。そんなことのために総一郎を解体したら人権団体から叩かれるから、それを避けるためにも総一郎には手を出さないって言われたよ」
「……でも、絶対じゃないですよね?」
「そうだな。でもそのために手は考えてある」
「どんな手なのか、聞いてもいいですか?」
「俺は総一郎と結婚することにした」
いくらアンドロイドには人権がないとはいえ、結婚さえしていれば万が一にも解体されるようなことにはならないはずだ。十夜が結婚をしようと思い立った理由にはそれもあった。
「結婚ですか。さすが先輩、思い切りがいい! ……っていいたいところですけど、アンドロイドを守るために自分の人生までかけるなんてやりすぎじゃないですか?」
「そうでもねえよ。なにより結婚したいのは、俺があいつのことを好きだからってのが一番大きな理由だからな。いままで結婚なんてろくでもねえって思ってきたんだけどな。そいつは今も変わっちゃいねえ。なにしろ紙切れ一枚役所に出すだけで相手の人生を支配できちまうなんていう糞みたいな制度だからな」
「じゃあなんで結婚するんですか?」
「だからこそ、結婚するんだよ。総一郎の人生を支配して、人生の伴侶として歩いていくためによ」
総一郎は浮気をしてもいいと言っていたが、総一郎と結ばれた今となっては浮気をする必要性が全く無いのだ。だからこれからの人生は総一郎ただ一人だけを見つめて生きていく。その誓いのために結婚制度を利用する。
そんな風に考えてしまう十夜は、やはり自分はどこか歪なのだろうと確信する。
「じゃあ先輩、結婚式はやるんですか?」
「いや。それは全く考えてない。……って、ああそうか。当事者になってみて、どうしてアンドロイドと結婚するときに結婚式しないのか理解できたわ」
「えっ? どうしてってそりゃあ、いずれ別れる可能性が高いからでしょ? って、まさか先輩……」
「いや、俺もそう思ってたんだけどな。ほら、結婚式って互いの家族同士の顔見せや友人への顔見せ、っていう意味合いが強いじゃねえか? でも、アンドロイドには家族なんていないし友達もいない。いや、いねえってことはねえか。でも最近知り合った奴だけだしな」
総一郎と一夜は友達だ。明確にそう定義しているのかはわからないが、メールのやり取りをしているくらいのことは知っている。
だが総一郎の友達といえばせいぜい彼くらいだろう。
「俺の交友関係って言っても、お前と課長、剛志と先生。後は友人数名くらいのものだからな。Ideal Life社の人もいるにはいるが、あっちとはビジネスだけの付き合いだからそもそも結婚式に呼ぶような間柄じゃない。家族とはどっちとも疎遠にしてる。そうなってくると、わざわざ結婚式を開く理由がないんだよな。結局は呼ぶ人間が少なすぎるせいで開く意味がない、ってのが結婚式をしない理由なんだと思うんだよな」
「確かに。わざわざ結婚式にお金使うくらいなら、その分入籍パーティーとかに回せますもんね。ところで先輩。プロポーズの言葉はなんだったんですか?」
「うっ……」
優斗の言葉に十夜はうめき声をあげる。
なにしろ酔っぱらってついぽろっと結婚したい、と言ってしまったのだ。心に残るような言葉も、記憶に残るようなシチュエーションも用意していない。人間相手ならそれが理由でふられてもおかしくないレベルの話だ。
「あっ。それともまだプロポーズはしてないんですか?」
「……したよ。酔っぱらって、ついぽろっとな」
「うわあ……。最悪ですね」
「ああ、最悪なんだよ。俺の酒癖は」
十夜は酒に弱く、酒を飲めばすぐに酔っぱらってしまう。そして上機嫌になる。
学生時代はおだてられてよく裸踊りを披露していた。幸いにして見られて困る体をしていないから問題はなかった。いきずりの女を抱いたり男に抱かれたり。そんなことにはならなかったのだが、ここにきて。とんでもない失敗をしてしまったものだ。
もしも十夜が酔うと記憶をなくすタイプだったらしれっとシチュエーションを整えて、きざったらしいセリフを吐いて結婚を申し込んでいたのだろうが、しっかりと記憶が残るタイプなので申し開きもたたない。
「幸い、酔っ払いのたわごとだと思われていてな。素面の時にプロポーズをしてほしい、って言われているんだ。だから、次の休みの時に結婚を申し込んでくるつもりだ」
なにしろ総一郎はアンドロイドだ。記憶ではなく記録として、プロポーズは彼の中に残る。一度失敗してしまっている以上、それを塗り替えることができるくらいに衝撃的なプロポーズをしなくてはならない。
そう考えると相当大きなプレッシャーを感じる。だが今はそれが心地よくもあった。
難しい顔をしていた優斗が、意を決したように口を開く。
「あの、先輩。告白させてください」
「はっ? 告白? あのなあ、俺の話を聞いていたか? 俺は将来の伴侶がいるからお前の告白にはこたえられない……」
「何言ってるんですか! まじめに聞いてください!」
「は、はい……」
なぜ自分が起こられているのだろう。理不尽なものを感じる。
だが、今の優斗にはその理不尽さを押し通すことができるだけの迫力がある。
そして優斗が放つ告白の言葉は。意外な結末をもたらすことになった。
「先輩。俺は……あのアンドロイドの。いえ、総一郎さんの元の持ち主を知っています」
全身に覚えた倦怠感。腰に重くのしかかってくる筋肉痛。これほどまでに仕事に行きたくないと思ったことはない。それでも月曜日を迎えてしまい、出勤してきた十夜はあまり顔色がよくない。それは自分でもよくわかっている。
「おはようございまーす。って先輩、辛そうですね。なんかありました?」
「ああ、おはよう。いやなに、日曜日の間中ベッドの中で過ごしたからな。そのせいで体が辛いだけだ。仕事には支障が出ないようにするから気にするな」
「ベッドの中で、って。風邪とか引いて起きられなかったんですか? 先輩一人暮らしだから大変ですよね」
「そういう意味じゃねえよ。俺らしく、エッチなことして一日過ごしたってことだ」
それが自分らしいというのもどうなのかとは思うが。
十夜の言葉を聞いて優斗は渋面を浮かべる。朝から変なことを言われて気分を害したのかと思ったのだが。
「そういえば先輩、金曜日に愛する人……いえ、アンドロイドですか? その人を警察に連れていかれちゃったんですよね。それで自暴自棄になって、ってことですか?」
「ああ、いやそうじゃない。お前には言ってなかったけど、あの後。金曜日の夜に総一郎は俺の元に戻ってきたんだ」
「そうなんですか? でもあいつって違法製造品ですよね?」
「そうなんだけどな。剛志が言うには、違法製造なんてそこまで重い罪じゃない。そんなことのために総一郎を解体したら人権団体から叩かれるから、それを避けるためにも総一郎には手を出さないって言われたよ」
「……でも、絶対じゃないですよね?」
「そうだな。でもそのために手は考えてある」
「どんな手なのか、聞いてもいいですか?」
「俺は総一郎と結婚することにした」
いくらアンドロイドには人権がないとはいえ、結婚さえしていれば万が一にも解体されるようなことにはならないはずだ。十夜が結婚をしようと思い立った理由にはそれもあった。
「結婚ですか。さすが先輩、思い切りがいい! ……っていいたいところですけど、アンドロイドを守るために自分の人生までかけるなんてやりすぎじゃないですか?」
「そうでもねえよ。なにより結婚したいのは、俺があいつのことを好きだからってのが一番大きな理由だからな。いままで結婚なんてろくでもねえって思ってきたんだけどな。そいつは今も変わっちゃいねえ。なにしろ紙切れ一枚役所に出すだけで相手の人生を支配できちまうなんていう糞みたいな制度だからな」
「じゃあなんで結婚するんですか?」
「だからこそ、結婚するんだよ。総一郎の人生を支配して、人生の伴侶として歩いていくためによ」
総一郎は浮気をしてもいいと言っていたが、総一郎と結ばれた今となっては浮気をする必要性が全く無いのだ。だからこれからの人生は総一郎ただ一人だけを見つめて生きていく。その誓いのために結婚制度を利用する。
そんな風に考えてしまう十夜は、やはり自分はどこか歪なのだろうと確信する。
「じゃあ先輩、結婚式はやるんですか?」
「いや。それは全く考えてない。……って、ああそうか。当事者になってみて、どうしてアンドロイドと結婚するときに結婚式しないのか理解できたわ」
「えっ? どうしてってそりゃあ、いずれ別れる可能性が高いからでしょ? って、まさか先輩……」
「いや、俺もそう思ってたんだけどな。ほら、結婚式って互いの家族同士の顔見せや友人への顔見せ、っていう意味合いが強いじゃねえか? でも、アンドロイドには家族なんていないし友達もいない。いや、いねえってことはねえか。でも最近知り合った奴だけだしな」
総一郎と一夜は友達だ。明確にそう定義しているのかはわからないが、メールのやり取りをしているくらいのことは知っている。
だが総一郎の友達といえばせいぜい彼くらいだろう。
「俺の交友関係って言っても、お前と課長、剛志と先生。後は友人数名くらいのものだからな。Ideal Life社の人もいるにはいるが、あっちとはビジネスだけの付き合いだからそもそも結婚式に呼ぶような間柄じゃない。家族とはどっちとも疎遠にしてる。そうなってくると、わざわざ結婚式を開く理由がないんだよな。結局は呼ぶ人間が少なすぎるせいで開く意味がない、ってのが結婚式をしない理由なんだと思うんだよな」
「確かに。わざわざ結婚式にお金使うくらいなら、その分入籍パーティーとかに回せますもんね。ところで先輩。プロポーズの言葉はなんだったんですか?」
「うっ……」
優斗の言葉に十夜はうめき声をあげる。
なにしろ酔っぱらってついぽろっと結婚したい、と言ってしまったのだ。心に残るような言葉も、記憶に残るようなシチュエーションも用意していない。人間相手ならそれが理由でふられてもおかしくないレベルの話だ。
「あっ。それともまだプロポーズはしてないんですか?」
「……したよ。酔っぱらって、ついぽろっとな」
「うわあ……。最悪ですね」
「ああ、最悪なんだよ。俺の酒癖は」
十夜は酒に弱く、酒を飲めばすぐに酔っぱらってしまう。そして上機嫌になる。
学生時代はおだてられてよく裸踊りを披露していた。幸いにして見られて困る体をしていないから問題はなかった。いきずりの女を抱いたり男に抱かれたり。そんなことにはならなかったのだが、ここにきて。とんでもない失敗をしてしまったものだ。
もしも十夜が酔うと記憶をなくすタイプだったらしれっとシチュエーションを整えて、きざったらしいセリフを吐いて結婚を申し込んでいたのだろうが、しっかりと記憶が残るタイプなので申し開きもたたない。
「幸い、酔っ払いのたわごとだと思われていてな。素面の時にプロポーズをしてほしい、って言われているんだ。だから、次の休みの時に結婚を申し込んでくるつもりだ」
なにしろ総一郎はアンドロイドだ。記憶ではなく記録として、プロポーズは彼の中に残る。一度失敗してしまっている以上、それを塗り替えることができるくらいに衝撃的なプロポーズをしなくてはならない。
そう考えると相当大きなプレッシャーを感じる。だが今はそれが心地よくもあった。
難しい顔をしていた優斗が、意を決したように口を開く。
「あの、先輩。告白させてください」
「はっ? 告白? あのなあ、俺の話を聞いていたか? 俺は将来の伴侶がいるからお前の告白にはこたえられない……」
「何言ってるんですか! まじめに聞いてください!」
「は、はい……」
なぜ自分が起こられているのだろう。理不尽なものを感じる。
だが、今の優斗にはその理不尽さを押し通すことができるだけの迫力がある。
そして優斗が放つ告白の言葉は。意外な結末をもたらすことになった。
「先輩。俺は……あのアンドロイドの。いえ、総一郎さんの元の持ち主を知っています」
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