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転送と力の目覚め②
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現状に対する把握を終えたところで、とりあえずここにいてもどうにもならないので移動を開始する。
ザクザクと歩く音が迷宮に反響する。ここの薄暗さに目が慣れると辺り一体に何かの骨が散乱していることに気がつく。
それも尋常じゃない数だ。一歩歩くと骨を踏みしめる音が鳴る—
僕が持っている魔力を纏う腕の骨の持ち主の身にも尋常ならぬことが起きたんだろう。
とにかく歩きながら『ガラクタ収集』を数度と発動するが、腕の骨以上の魔力と存在感を放つ物を見つけることはできなかった。
えぇ~行き止まり~?
5分くらい歩いたところで行き止まりに辿り着いた。
仕方がないので引き返し、10分ほど歩いたところで再び行き止まりに阻まれた。
すごく嫌な予感がする
1時間弱ほど探索したところで嫌な予感が的中したことに気がつく。
「 閉じ込められてるー!!!!!!!!」
途方にくれてしまうと共に、ここにいる骨たちの仲間入りすることになるかも知れない感じた。
ここで飢えて孤独に朽ちていくことを考えたら頭がどうにかなりそう…なんか涙まで出てきた
悪いイメージばかりが募っていく中、
「きゃぁっ」
女の人の声がした。
幻聴じゃないよね?声の方はこっちだ。
少し歩くとそこにいたのは白い髪に僕より身長が低い女の子がいた。
持ち物は外套にバックを背負って、彼女の身長より少し小さいくらいの木製の杖を身につけていた。
彼女もこっちに気がつくと杖を向けてきた。杖の先に鮮やかな炎の塊が生まれる
「小火…」
「ちょっと待って!僕人間だよ!」
あわてて静止する。炎が消えていくのが確認できた。
「なんでこんな場所にいるんですか?ここは…」
彼女が言葉を全て言い終わる前に僕は抱きついた
「よがっだぁ~僕このまま1人で死んでいくと思っだ」
安堵感によって緊張の糸が切れた末の行動である。
「ちょっと、何してるの離れてください」
彼女は無理矢理手で頭を押しのける
「なぜこんなところにいたのですか?ここはモンスターハウスですよ、よく生きていましたね」
「モンスターハウス?」
なにそれ モンスターのお家?
迷宮にあるトラップの一種である。トラップに引っかかったものはモンスターハウスへと転送され、大量のモンスターの餌食となる。
「あなた、そんなことも知らないで迷宮に来たのですか?というよりその身なり、死にに来たとしか思えませんが」
僕の身なりを見て彼女は言う。
「僕は来たくて来たわけじゃないよ、多分この指輪のせいで」
指輪を拾ってから現在までの説明をする。
「そうなんですね、どうりで。その指輪は転送の魔道具で間違いありません。今はその効力が失われているみたいですが」
「それよりも気になるのがあなたのスキル『ガラクタ収集』と手に持つ骨についてです。そんなスキル聞いたことがありません。」
「スキルについては多分僕の生い立ちが関係してると思う」
産まれてからの生活を説明する。
「そうですか…大変でしたね」
彼女が僕を抱きしめる。母が死んで以来人の優しさをほとんど受けずに育ったため、唐突に溢れる涙を止めることができなかった。
僕が落ち着いてから、彼女は僕の持つ腕の骨について話し出した。
「通常人は死ねば、魔力は世界に還元されていきます。しかしこの腕の骨には異様な魔力が残されている」
「スキルを使う者は魔力の発生器官から、腕を媒介にするのです。賢者(国に数人いるかどうか)ほどの使い手になれば、稀に腕の骨にまでその力が焼き付くと聞いたことがあります」
「その『賢者の腕』は魔道具になっている可能性があります。」
スキル『ガラクタ収集』と 『賢者の腕』についての説明を受けた後、彼女とこのモンスターハウスからの脱出について話し合う。
通常のモンスターハウスは出てきたモンスターを全滅させれば自動で出口が開くらしい。
しかし今モンスターは現れず、出口が開く気配はない。
彼女が言うにはおそらく『賢者の腕』の持ち主が最期に発動したスキルによって、このモンスターハウスが壊滅的に破壊されてしまったと。
『炸裂炎弾』
彼女は壁に向かって強力な炎の弾を放つ。壁に直撃し、激しい炎と衝撃波が響く。
すごいこの威力、スラム街で見た小火球とは比べ物にならない威力だ…
「失敗ですね。やはり正攻法の脱出以外はできないようになってますね」
炎と砂煙が消えていくと少し穴が空いただけで貫通する気配のない岩肌が見えた。
手元から僕を呼びかけるような気がした
もしかして…
『賢者の腕』を僕は振り上げる。そしてそのまま壁に向かって振り下ろす。
グオオオオオオオオン
目の前の壁が目に見えない衝撃破のような大きな力によって穿たれた。半径2メートルほどの穴が空いたのが見えた。
彼女は唖然としていた。
「そういえばまだ自己紹介してなかったね!僕の名前はリュウシン!君の名前は?」
「わ、わたしの名前はフーラ・ティエリです」
「ティエリはなんでこの迷宮に来たの?」
「私は冒険者です。もう1人と一緒に来たのですが強力なモンスターに奇襲され、戦闘中に迷宮《ダンジョン》の私だけトラップを踏んでしまい、ここに飛ばされてしまったのです」
「早く合流しないと彼女に…」
ティエリにはすごい助けられた。彼女がいなかったら僕はここで死んでたかも知れない
「僕も一緒に探すよ、手伝わせて!」
こうしてリュウシンはティエリと共に仲間を探すことになった。
第二話 完
ザクザクと歩く音が迷宮に反響する。ここの薄暗さに目が慣れると辺り一体に何かの骨が散乱していることに気がつく。
それも尋常じゃない数だ。一歩歩くと骨を踏みしめる音が鳴る—
僕が持っている魔力を纏う腕の骨の持ち主の身にも尋常ならぬことが起きたんだろう。
とにかく歩きながら『ガラクタ収集』を数度と発動するが、腕の骨以上の魔力と存在感を放つ物を見つけることはできなかった。
えぇ~行き止まり~?
5分くらい歩いたところで行き止まりに辿り着いた。
仕方がないので引き返し、10分ほど歩いたところで再び行き止まりに阻まれた。
すごく嫌な予感がする
1時間弱ほど探索したところで嫌な予感が的中したことに気がつく。
「 閉じ込められてるー!!!!!!!!」
途方にくれてしまうと共に、ここにいる骨たちの仲間入りすることになるかも知れない感じた。
ここで飢えて孤独に朽ちていくことを考えたら頭がどうにかなりそう…なんか涙まで出てきた
悪いイメージばかりが募っていく中、
「きゃぁっ」
女の人の声がした。
幻聴じゃないよね?声の方はこっちだ。
少し歩くとそこにいたのは白い髪に僕より身長が低い女の子がいた。
持ち物は外套にバックを背負って、彼女の身長より少し小さいくらいの木製の杖を身につけていた。
彼女もこっちに気がつくと杖を向けてきた。杖の先に鮮やかな炎の塊が生まれる
「小火…」
「ちょっと待って!僕人間だよ!」
あわてて静止する。炎が消えていくのが確認できた。
「なんでこんな場所にいるんですか?ここは…」
彼女が言葉を全て言い終わる前に僕は抱きついた
「よがっだぁ~僕このまま1人で死んでいくと思っだ」
安堵感によって緊張の糸が切れた末の行動である。
「ちょっと、何してるの離れてください」
彼女は無理矢理手で頭を押しのける
「なぜこんなところにいたのですか?ここはモンスターハウスですよ、よく生きていましたね」
「モンスターハウス?」
なにそれ モンスターのお家?
迷宮にあるトラップの一種である。トラップに引っかかったものはモンスターハウスへと転送され、大量のモンスターの餌食となる。
「あなた、そんなことも知らないで迷宮に来たのですか?というよりその身なり、死にに来たとしか思えませんが」
僕の身なりを見て彼女は言う。
「僕は来たくて来たわけじゃないよ、多分この指輪のせいで」
指輪を拾ってから現在までの説明をする。
「そうなんですね、どうりで。その指輪は転送の魔道具で間違いありません。今はその効力が失われているみたいですが」
「それよりも気になるのがあなたのスキル『ガラクタ収集』と手に持つ骨についてです。そんなスキル聞いたことがありません。」
「スキルについては多分僕の生い立ちが関係してると思う」
産まれてからの生活を説明する。
「そうですか…大変でしたね」
彼女が僕を抱きしめる。母が死んで以来人の優しさをほとんど受けずに育ったため、唐突に溢れる涙を止めることができなかった。
僕が落ち着いてから、彼女は僕の持つ腕の骨について話し出した。
「通常人は死ねば、魔力は世界に還元されていきます。しかしこの腕の骨には異様な魔力が残されている」
「スキルを使う者は魔力の発生器官から、腕を媒介にするのです。賢者(国に数人いるかどうか)ほどの使い手になれば、稀に腕の骨にまでその力が焼き付くと聞いたことがあります」
「その『賢者の腕』は魔道具になっている可能性があります。」
スキル『ガラクタ収集』と 『賢者の腕』についての説明を受けた後、彼女とこのモンスターハウスからの脱出について話し合う。
通常のモンスターハウスは出てきたモンスターを全滅させれば自動で出口が開くらしい。
しかし今モンスターは現れず、出口が開く気配はない。
彼女が言うにはおそらく『賢者の腕』の持ち主が最期に発動したスキルによって、このモンスターハウスが壊滅的に破壊されてしまったと。
『炸裂炎弾』
彼女は壁に向かって強力な炎の弾を放つ。壁に直撃し、激しい炎と衝撃波が響く。
すごいこの威力、スラム街で見た小火球とは比べ物にならない威力だ…
「失敗ですね。やはり正攻法の脱出以外はできないようになってますね」
炎と砂煙が消えていくと少し穴が空いただけで貫通する気配のない岩肌が見えた。
手元から僕を呼びかけるような気がした
もしかして…
『賢者の腕』を僕は振り上げる。そしてそのまま壁に向かって振り下ろす。
グオオオオオオオオン
目の前の壁が目に見えない衝撃破のような大きな力によって穿たれた。半径2メートルほどの穴が空いたのが見えた。
彼女は唖然としていた。
「そういえばまだ自己紹介してなかったね!僕の名前はリュウシン!君の名前は?」
「わ、わたしの名前はフーラ・ティエリです」
「ティエリはなんでこの迷宮に来たの?」
「私は冒険者です。もう1人と一緒に来たのですが強力なモンスターに奇襲され、戦闘中に迷宮《ダンジョン》の私だけトラップを踏んでしまい、ここに飛ばされてしまったのです」
「早く合流しないと彼女に…」
ティエリにはすごい助けられた。彼女がいなかったら僕はここで死んでたかも知れない
「僕も一緒に探すよ、手伝わせて!」
こうしてリュウシンはティエリと共に仲間を探すことになった。
第二話 完
応援ありがとうございます!
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