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第九章
貴族制度なんてくだらない?
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第九章 貴族制度なんてくだらない?
「姫さま、戻りました」
そう言って、ハンナがパトリシアの部屋を訪れた。
「どう?稽古は順調に進んでいて?」
「それが……フィル・ハーディー氏と、キャサリン・ワイルダーは、稽古場ではひとことも口をきかないんです。役作りについて二人で相談することなどまるでなく、稽古場でも、自分たちの出番じゃないところが演じられている時は、部屋の端と端にいて……あれで本当に恋人同士が演じられるものなんでしょうか?初日は来月一日なのに。王女さまのデビュー作が不入り、なんてことになったら、わたくし……」
「別に、王女パトリシアの名でこの作品を世に出すわけではないから、それはいいのだけど……でも失敗はしたくないわ。なんとかしないと」
公人である王家の姫が、お忍びで芝居の稽古に立ち会うのには無理がある。そこで、パトリシアは、古参のメイドの娘を王立劇場の劇団員見習いとして、送り出したのだった。
平たく言えば、王女子飼いの諜報員、というわけである。
「台本の読み合わせでは、さすがの上手さで、胸を打つセリフの応酬だったと、先日、あなたから聞いたけれど?」
パトリシアはハンナを見やった。
「ええ、本読みのときは、わたくし、鳥肌が立ちました。感情をこめたセリフのやりとりに胸がしめつけられて……プロ中のプロは違うなと、王立劇場で主演をしていた二人の演技力に感動したんです」
ハンナは、そう言ってから
「でも……」
と、続く言葉を濁す。
「何なの?言いかけてやめるなんて、ハンナらしくないわ。かまわないから、最後までおっしゃい」
「通し稽古の時、抱擁シーンでも二人は決して近づかず、舞台監督がちゃんとやるように注意……と言うより、あれはお願いでしたわね。とにかく舞台監督が頼んでも、二人とも、『本番ではやりますから。大丈夫です』と言って近づこうとしないんです」
「なんて人たちなの?そりゃ、別れた相手とラブシーンなんて、気まずくて嫌だろうけど、でも、そんな公私混同、プロとして許されないわ。一流の俳優が聞いてあきれるわよ。まったく……周りも、そんな二人に何も言わず好き勝手させたまま放置なんて、信じられない人たちね」
「でも……片や男爵になったフィル・ハーディー氏、片や侯爵の未亡人キャサリン・ワイルダーですもの。平民の舞台監督に、平民の演出家や平民の共演俳優、それに平民の裏方スタッフたちが注意なんかできませんわ」
「何なのよ!平民だったら、正しいことも言えやしないなんて。貴族制度なんてくだらない、実にくだらないわ」
「姫さま、あなたさまのお立場で、そのようなことをおっしゃるのは……」
ハンナがあたふたとパトリシアを窘めた。
「こうなったら、わたくしが、稽古場に乗り込むしかなさそうね、ハンナ」
「おやめくださいまし。どこぞの新聞にお忍びの姿を見破られて、デカデカと一面にでも書き立てられたら……」
「エーベル侯爵家のキャサリンとわたくしは知り合いなの。近い将来、母方のいとこを通じて、姻戚にもなるの。その彼女に会いに行ったくらいで、どうして新聞に書かれなきゃならないのよ」
「記者の中には、ないことを面白おかしくでっち上げて書く者もいます。王女さまは、王立劇場の名誉顧問となられていますが、その目的も、若くて美男な役者の卵と遊ぶためだと陰口を叩く者もおりますから」
「わたくしはね、ずっと戯曲を書くことで忙しかったの。劇団の下っ端俳優と、どうこうなんて、そんな暇も、そんな気持ちも、まったくないわ!」
「残念ながら、世間はそうは思っていません。王家の最後の独身プリンセスの動向は、ご本人が思われる以上に関心を持たれています。あなたさまがお出ましになられる先で、お見合いをされているのではないか、とか、意中の男性は既にいて、お付き合いが始まっているのではないかとか、あれこれ勘繰る者がおりますの。妙齢でお一人だと、どうしてもその手の噂からは逃れられませんわ。姫さまの婚約者だったミッドフォード元伯爵の、『子猫の館』の一件から、王女さまには男を見る目がないと揶揄する者も多くて……かつて、交際相手だったエドワード・アーヴィン氏については、特別な関係ではなく、ただのお友達、ということで押し通せましたけど」
ハンナが言うのを遮り
「ええ、そうよ。アーヴィン氏とは、まったくもって何もなかったわ。あれが交際関係だったなんて、そのほうがあり得ないわ。ある意味、情けないほど特別な関係だったわよ」
パトリシアはいまいましげに言ったが、ハンナは、そんな王女を慰めることもなく
「婚約までされていたミッドフォード伯の件では、さすがに『ただのお友達』ですませるわけにもいかなくて……娼婦を買うような品性下劣な男に、王家の姫が手玉に取られていたと、新聞の報道合戦は大変なものでしたわ……パトリシア王女殿下、あなたさまが王室に与えたダメージを回復するためには、もうこれ以上、悪い噂がたってはダメなんでございます」
「ハンナ……あなた、言いたいことをズケズケと……よくも言ってくれるわね」
「メイドの娘だから……無知な若い女が、身分もわきまえず言いたいことを言った、という体で、お姫さまに物申すことができるのです。わたくしの母が申し上げたら辞職ものですし、もっと偉い侍女の方は、決して本音を表に出されないでしょうから」
ハンナはそう言うと
「いろんな人たちが、姫さまのお幸せを考えて動いています」
と、念を押すように言ったあとで
「さる筋から聞きましたが、国王陛下には、あのフィル・ハーディー氏を姫さまの結婚相手の候補としてお考えなのだとか……共演する女優と、抱擁シーンも演じられない、ということは、ハーディー氏の姫さまへの遠慮もあるのかもしれませんわ。ということは、すでに王室側からハーディー氏に姫さまとのことを打診している可能性もありましてよ」
「とんでもないわ。わたくしの気持ちを聞きもしないで、向こうに結婚の打診ですって?」
「だって、お二人でのお茶会、お話がはずんでいた、って聞きましたもの」
「あのとき、楽しく会話したからって、それで一生を共にする相手だと確信できるものなの?結婚ってもっと慎重に進めなきゃいけないものなんじゃなくって?」
「慎重に進める、だなんて……一目惚れした相手を、二度も強引に、ベアトリックス嬢から取り上げようとされた、あなたさまのお言葉とは思えませんわ」
ハンナは笑った。
癪にさわる娘である。
「昔のお姫さまは、顔も知らない相手のところへ嫁がされたと聞いています。国益と身分の釣り合いだけを考慮し、本人の意思は無視されて……姫さまの好みの男性を、爵位を与えてまで王宮に連れてきた関係者のことをお考えになり、今の時代の姫は恵まれていると感謝してくださいませ」
と、メアリーですら言わないことをサラッと言うと、ハンナは
「いずれにしろ、フィルとキャサリン、あの二人は、もう昔の関係に戻ることもないでしょう。王女さま……フィル・ハーディー氏をお嫌いでないのなら、いえ、好感をもっておられるのなら、芝居に身の入らない現状は、むしろチャンスかもしれませんわよ」
と笑顔で言った。
本当に性格の悪い娘だ。自分以上かもしれないとパトリシアは思った。
「姫さま、戻りました」
そう言って、ハンナがパトリシアの部屋を訪れた。
「どう?稽古は順調に進んでいて?」
「それが……フィル・ハーディー氏と、キャサリン・ワイルダーは、稽古場ではひとことも口をきかないんです。役作りについて二人で相談することなどまるでなく、稽古場でも、自分たちの出番じゃないところが演じられている時は、部屋の端と端にいて……あれで本当に恋人同士が演じられるものなんでしょうか?初日は来月一日なのに。王女さまのデビュー作が不入り、なんてことになったら、わたくし……」
「別に、王女パトリシアの名でこの作品を世に出すわけではないから、それはいいのだけど……でも失敗はしたくないわ。なんとかしないと」
公人である王家の姫が、お忍びで芝居の稽古に立ち会うのには無理がある。そこで、パトリシアは、古参のメイドの娘を王立劇場の劇団員見習いとして、送り出したのだった。
平たく言えば、王女子飼いの諜報員、というわけである。
「台本の読み合わせでは、さすがの上手さで、胸を打つセリフの応酬だったと、先日、あなたから聞いたけれど?」
パトリシアはハンナを見やった。
「ええ、本読みのときは、わたくし、鳥肌が立ちました。感情をこめたセリフのやりとりに胸がしめつけられて……プロ中のプロは違うなと、王立劇場で主演をしていた二人の演技力に感動したんです」
ハンナは、そう言ってから
「でも……」
と、続く言葉を濁す。
「何なの?言いかけてやめるなんて、ハンナらしくないわ。かまわないから、最後までおっしゃい」
「通し稽古の時、抱擁シーンでも二人は決して近づかず、舞台監督がちゃんとやるように注意……と言うより、あれはお願いでしたわね。とにかく舞台監督が頼んでも、二人とも、『本番ではやりますから。大丈夫です』と言って近づこうとしないんです」
「なんて人たちなの?そりゃ、別れた相手とラブシーンなんて、気まずくて嫌だろうけど、でも、そんな公私混同、プロとして許されないわ。一流の俳優が聞いてあきれるわよ。まったく……周りも、そんな二人に何も言わず好き勝手させたまま放置なんて、信じられない人たちね」
「でも……片や男爵になったフィル・ハーディー氏、片や侯爵の未亡人キャサリン・ワイルダーですもの。平民の舞台監督に、平民の演出家や平民の共演俳優、それに平民の裏方スタッフたちが注意なんかできませんわ」
「何なのよ!平民だったら、正しいことも言えやしないなんて。貴族制度なんてくだらない、実にくだらないわ」
「姫さま、あなたさまのお立場で、そのようなことをおっしゃるのは……」
ハンナがあたふたとパトリシアを窘めた。
「こうなったら、わたくしが、稽古場に乗り込むしかなさそうね、ハンナ」
「おやめくださいまし。どこぞの新聞にお忍びの姿を見破られて、デカデカと一面にでも書き立てられたら……」
「エーベル侯爵家のキャサリンとわたくしは知り合いなの。近い将来、母方のいとこを通じて、姻戚にもなるの。その彼女に会いに行ったくらいで、どうして新聞に書かれなきゃならないのよ」
「記者の中には、ないことを面白おかしくでっち上げて書く者もいます。王女さまは、王立劇場の名誉顧問となられていますが、その目的も、若くて美男な役者の卵と遊ぶためだと陰口を叩く者もおりますから」
「わたくしはね、ずっと戯曲を書くことで忙しかったの。劇団の下っ端俳優と、どうこうなんて、そんな暇も、そんな気持ちも、まったくないわ!」
「残念ながら、世間はそうは思っていません。王家の最後の独身プリンセスの動向は、ご本人が思われる以上に関心を持たれています。あなたさまがお出ましになられる先で、お見合いをされているのではないか、とか、意中の男性は既にいて、お付き合いが始まっているのではないかとか、あれこれ勘繰る者がおりますの。妙齢でお一人だと、どうしてもその手の噂からは逃れられませんわ。姫さまの婚約者だったミッドフォード元伯爵の、『子猫の館』の一件から、王女さまには男を見る目がないと揶揄する者も多くて……かつて、交際相手だったエドワード・アーヴィン氏については、特別な関係ではなく、ただのお友達、ということで押し通せましたけど」
ハンナが言うのを遮り
「ええ、そうよ。アーヴィン氏とは、まったくもって何もなかったわ。あれが交際関係だったなんて、そのほうがあり得ないわ。ある意味、情けないほど特別な関係だったわよ」
パトリシアはいまいましげに言ったが、ハンナは、そんな王女を慰めることもなく
「婚約までされていたミッドフォード伯の件では、さすがに『ただのお友達』ですませるわけにもいかなくて……娼婦を買うような品性下劣な男に、王家の姫が手玉に取られていたと、新聞の報道合戦は大変なものでしたわ……パトリシア王女殿下、あなたさまが王室に与えたダメージを回復するためには、もうこれ以上、悪い噂がたってはダメなんでございます」
「ハンナ……あなた、言いたいことをズケズケと……よくも言ってくれるわね」
「メイドの娘だから……無知な若い女が、身分もわきまえず言いたいことを言った、という体で、お姫さまに物申すことができるのです。わたくしの母が申し上げたら辞職ものですし、もっと偉い侍女の方は、決して本音を表に出されないでしょうから」
ハンナはそう言うと
「いろんな人たちが、姫さまのお幸せを考えて動いています」
と、念を押すように言ったあとで
「さる筋から聞きましたが、国王陛下には、あのフィル・ハーディー氏を姫さまの結婚相手の候補としてお考えなのだとか……共演する女優と、抱擁シーンも演じられない、ということは、ハーディー氏の姫さまへの遠慮もあるのかもしれませんわ。ということは、すでに王室側からハーディー氏に姫さまとのことを打診している可能性もありましてよ」
「とんでもないわ。わたくしの気持ちを聞きもしないで、向こうに結婚の打診ですって?」
「だって、お二人でのお茶会、お話がはずんでいた、って聞きましたもの」
「あのとき、楽しく会話したからって、それで一生を共にする相手だと確信できるものなの?結婚ってもっと慎重に進めなきゃいけないものなんじゃなくって?」
「慎重に進める、だなんて……一目惚れした相手を、二度も強引に、ベアトリックス嬢から取り上げようとされた、あなたさまのお言葉とは思えませんわ」
ハンナは笑った。
癪にさわる娘である。
「昔のお姫さまは、顔も知らない相手のところへ嫁がされたと聞いています。国益と身分の釣り合いだけを考慮し、本人の意思は無視されて……姫さまの好みの男性を、爵位を与えてまで王宮に連れてきた関係者のことをお考えになり、今の時代の姫は恵まれていると感謝してくださいませ」
と、メアリーですら言わないことをサラッと言うと、ハンナは
「いずれにしろ、フィルとキャサリン、あの二人は、もう昔の関係に戻ることもないでしょう。王女さま……フィル・ハーディー氏をお嫌いでないのなら、いえ、好感をもっておられるのなら、芝居に身の入らない現状は、むしろチャンスかもしれませんわよ」
と笑顔で言った。
本当に性格の悪い娘だ。自分以上かもしれないとパトリシアは思った。
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