42 / 45
第三章
第七話 メリュジーナの事情
しおりを挟む
サクラが城の事情を話し、宰相たちのしていることを止めるのに協力を求めると、メリュジーナさんは拒んだ。
「どうして協力をしてくれないのですか! あのお城は、メリュジーナさんにとっても、大切な城ではないですか! 私の知らない思い出とか、たくさんありますよね!」
協力を拒むメリュジーナさんに対して、サクラは声音を強めて詰め寄る。
彼女の迫力に気圧されたのか、メリュジーナさんは目を逸らした。
「待ってくれ。確かに協力はできないが、それにはちゃんとした理由もある。わたしの話しを最後まで聞かないで、感情に流されて行動するのは愚かなことだ」
メリュジーナさんが話しを最後まで聞くように促す。だが、それは彼女にも当て嵌まることだ。マヤノの額にあった奴隷契約の証を見た途端に、理性を失って攻撃してきたのだから。
「ママ、それって、ママも言えないよ。マヤノの話しも聞かないで、勝手に暴走してフリードちゃんを殺そうとしたじゃない」
親子だからなのだろう。マヤノが遠慮なしにブーメランであることを告げた。すると彼女の言葉を聞いたメリュジーナさんは、頬を赤くして気まずそうにする。
「ゴホン。えーと、話しを戻すが、わたしは宰相たちの行いを止めるための手助けはできない。その理由は魔力の枯渇だ」
「魔力の枯渇ですか?」
協力ができない理由をメリュジーナさんが答えると、サクラが小首を傾げる。
「ああ、先ほどの戦闘で思った以上に魔力を使ってね。年のせいでもあるかもしれないが、満足に魔法を発動するための魔力を回復するまで、時間がかかってしまう。今のわたしはか弱い女性にすぎないからね。簡単に兵士に捕まって足手纏いになる」
「それって、ママが先走ってフリードちゃんを攻撃しなければ、起きなかったことじゃない。どうしてそんなことをしてしまうのよ。バカ、バカ、バカ!」
マヤノが両手をグーにすると、母親を叩く。
「いたた。マヤノちゃんごめん。まさかこんな展開になるなんて思ってもいなかったんだ」
娘に叩かれながら、メリュジーナさんは謝罪の言葉を述べる。
このやり取りを見る限り、どうやらメリュジーナさんはマヤノに弱いみたいだ。まぁ、1人娘だろうし、母親からしたら、大切にしたい存在だろうからな。無闇に反撃に出て、親子喧嘩を起こしたくないのだろう。
「あのう、メリュジーナさん。話しは変わるのですが、どうしてお城を出て行ったのですか? あの城はあなたにとっても大切な場所で、そう簡単には出て行くとは思えなかったのですが?」
話題を変え、サクラがどうして城を出て行ったのか、その理由を訊ねる。
確かマヤノの話しでは、メリュジーナさんは追放されたと言っていた。でも彼女は、ドラゴンに姿を変えることができるほどの力を持っている。その力を行使すれば、宰相たちを黙らせることができると思うのだが?
「それは、本家であるルナの子供側の人間を守るためだ。わたしのような化け物がいつまでも居れば、君や母親への風当たりが強くなる。そう思ってマヤノを連れて城を出た。だけどこんなことになっているのなら、マヤノだけでも残して居れば良かったと後悔しているよ」
「そうだったのですか。でも、メリュジーナさんは化け物ではありません。大切な家族です!」
サクラが真剣な眼差しでメリュジーナさんを見ながら声を上げる。
「ありがとう。ルナの子供や孫は本当に良い子だね。でも、わたしの本当の正体はフェアリードラゴン。半竜半妖の化け物であることには変わらない。たとえ人の姿になることができても、人間とはまた違うんだ。いくら王族が安心だと言っても、わたしが恐ろしいと思う人が多ければ、それが連鎖してわたしの存在が認知される」
確かに、人間と言うのは自分と同じ考えが多い方が正しいと思ってしまう。いくら権力のある者が安全だと言っても、人々の心の奥底では、危険や危ない存在などが根付いてしまう。
その後、サクラは次の言葉が見つからないのか、口を噤んでしまい、この場に沈黙が訪れる。
「さぁ、暗い話しはこの辺りにして、今度は明るい話しをしよう」
この静寂な空気を吹き飛ばすかのように、メリュジーナさんは一度手を叩き、笑みを浮かべる。
「確かに、今のわたしは戦力にはならない。だけど、わたしよりもとても強い人を知っている」
「ママよりも強い人! そんな人がいるなんて知らなかったよ。どんな人なの?」
「とても頭が良くって、魔力も高い。下級の魔法でも、通常の3倍の威力を発揮することができるよ」
「へぇーそんな人がマヤノの他にもいるんだ。確かにその人の協力を得ることができれば、宰相たちを倒して、これ以上お城の物を待ちだされるのを阻止できるね」
自身の顎に人差し指を置き、マヤノは言葉を連ねる。
どうやら彼女は気付いてはいないようだ。
俺の知る限り、そのような芸当が可能な人物は、1人しか思い至らない。おそらくメリュジーナさんの言っている人物は、マヤノのことだろう。
俺と同じ考えに至ったのか、サクラもマヤノに視線を送る。
「あれ? どうしてみんな、マヤノのことを見ているの?」
「マヤノ、本当に気付いていないのか?」
「頭が良くって3倍の威力を発揮できるほどの魔力を持っているのって、マヤノちゃん以外いないよ」
俺たちが気付くように促す。すると、マヤノはびっくりしたようで、その場で軽く飛んだ。
「えー! マヤノなの!」
驚いた彼女は、母親に顔を向ける。
「そうだ。今、わたしが言った人物は、マヤノちゃんのことだ」
「う、嘘だよ! だって、マヤノは今までママに勝ったことなんて1回もないんだよ! ママよりも強くないよ!」
母親の言っていることが信じられないようで、マヤノは抗議した。
「あれは母親としての意地だ。簡単に娘に負けては、親としても面目がないからね。最後は根性で勝たせてもらっているが、これから更に成長すれば、いずれわたしは手も足も出せないだろう」
「ママからそんな風に思われていたなんて」
母親の言葉を聞いたマヤノは、頬を赤らめて両手を頬に当てる。
「マヤノちゃんなら大丈夫さ。だって君は、異世界の転生者の生まれ変わりであるテオと、フェアリードラゴンであるわたしの娘だからね」
「そうですよ! 私は4分の1しかないですが、マヤノちゃんはテオお爺様の血を半分はあるのですから?」
メリュジーナさんとサクラの言葉を聞き、俺は違和感を覚える。
あれ? 何だかおかしくないか?
「どうして協力をしてくれないのですか! あのお城は、メリュジーナさんにとっても、大切な城ではないですか! 私の知らない思い出とか、たくさんありますよね!」
協力を拒むメリュジーナさんに対して、サクラは声音を強めて詰め寄る。
彼女の迫力に気圧されたのか、メリュジーナさんは目を逸らした。
「待ってくれ。確かに協力はできないが、それにはちゃんとした理由もある。わたしの話しを最後まで聞かないで、感情に流されて行動するのは愚かなことだ」
メリュジーナさんが話しを最後まで聞くように促す。だが、それは彼女にも当て嵌まることだ。マヤノの額にあった奴隷契約の証を見た途端に、理性を失って攻撃してきたのだから。
「ママ、それって、ママも言えないよ。マヤノの話しも聞かないで、勝手に暴走してフリードちゃんを殺そうとしたじゃない」
親子だからなのだろう。マヤノが遠慮なしにブーメランであることを告げた。すると彼女の言葉を聞いたメリュジーナさんは、頬を赤くして気まずそうにする。
「ゴホン。えーと、話しを戻すが、わたしは宰相たちの行いを止めるための手助けはできない。その理由は魔力の枯渇だ」
「魔力の枯渇ですか?」
協力ができない理由をメリュジーナさんが答えると、サクラが小首を傾げる。
「ああ、先ほどの戦闘で思った以上に魔力を使ってね。年のせいでもあるかもしれないが、満足に魔法を発動するための魔力を回復するまで、時間がかかってしまう。今のわたしはか弱い女性にすぎないからね。簡単に兵士に捕まって足手纏いになる」
「それって、ママが先走ってフリードちゃんを攻撃しなければ、起きなかったことじゃない。どうしてそんなことをしてしまうのよ。バカ、バカ、バカ!」
マヤノが両手をグーにすると、母親を叩く。
「いたた。マヤノちゃんごめん。まさかこんな展開になるなんて思ってもいなかったんだ」
娘に叩かれながら、メリュジーナさんは謝罪の言葉を述べる。
このやり取りを見る限り、どうやらメリュジーナさんはマヤノに弱いみたいだ。まぁ、1人娘だろうし、母親からしたら、大切にしたい存在だろうからな。無闇に反撃に出て、親子喧嘩を起こしたくないのだろう。
「あのう、メリュジーナさん。話しは変わるのですが、どうしてお城を出て行ったのですか? あの城はあなたにとっても大切な場所で、そう簡単には出て行くとは思えなかったのですが?」
話題を変え、サクラがどうして城を出て行ったのか、その理由を訊ねる。
確かマヤノの話しでは、メリュジーナさんは追放されたと言っていた。でも彼女は、ドラゴンに姿を変えることができるほどの力を持っている。その力を行使すれば、宰相たちを黙らせることができると思うのだが?
「それは、本家であるルナの子供側の人間を守るためだ。わたしのような化け物がいつまでも居れば、君や母親への風当たりが強くなる。そう思ってマヤノを連れて城を出た。だけどこんなことになっているのなら、マヤノだけでも残して居れば良かったと後悔しているよ」
「そうだったのですか。でも、メリュジーナさんは化け物ではありません。大切な家族です!」
サクラが真剣な眼差しでメリュジーナさんを見ながら声を上げる。
「ありがとう。ルナの子供や孫は本当に良い子だね。でも、わたしの本当の正体はフェアリードラゴン。半竜半妖の化け物であることには変わらない。たとえ人の姿になることができても、人間とはまた違うんだ。いくら王族が安心だと言っても、わたしが恐ろしいと思う人が多ければ、それが連鎖してわたしの存在が認知される」
確かに、人間と言うのは自分と同じ考えが多い方が正しいと思ってしまう。いくら権力のある者が安全だと言っても、人々の心の奥底では、危険や危ない存在などが根付いてしまう。
その後、サクラは次の言葉が見つからないのか、口を噤んでしまい、この場に沈黙が訪れる。
「さぁ、暗い話しはこの辺りにして、今度は明るい話しをしよう」
この静寂な空気を吹き飛ばすかのように、メリュジーナさんは一度手を叩き、笑みを浮かべる。
「確かに、今のわたしは戦力にはならない。だけど、わたしよりもとても強い人を知っている」
「ママよりも強い人! そんな人がいるなんて知らなかったよ。どんな人なの?」
「とても頭が良くって、魔力も高い。下級の魔法でも、通常の3倍の威力を発揮することができるよ」
「へぇーそんな人がマヤノの他にもいるんだ。確かにその人の協力を得ることができれば、宰相たちを倒して、これ以上お城の物を待ちだされるのを阻止できるね」
自身の顎に人差し指を置き、マヤノは言葉を連ねる。
どうやら彼女は気付いてはいないようだ。
俺の知る限り、そのような芸当が可能な人物は、1人しか思い至らない。おそらくメリュジーナさんの言っている人物は、マヤノのことだろう。
俺と同じ考えに至ったのか、サクラもマヤノに視線を送る。
「あれ? どうしてみんな、マヤノのことを見ているの?」
「マヤノ、本当に気付いていないのか?」
「頭が良くって3倍の威力を発揮できるほどの魔力を持っているのって、マヤノちゃん以外いないよ」
俺たちが気付くように促す。すると、マヤノはびっくりしたようで、その場で軽く飛んだ。
「えー! マヤノなの!」
驚いた彼女は、母親に顔を向ける。
「そうだ。今、わたしが言った人物は、マヤノちゃんのことだ」
「う、嘘だよ! だって、マヤノは今までママに勝ったことなんて1回もないんだよ! ママよりも強くないよ!」
母親の言っていることが信じられないようで、マヤノは抗議した。
「あれは母親としての意地だ。簡単に娘に負けては、親としても面目がないからね。最後は根性で勝たせてもらっているが、これから更に成長すれば、いずれわたしは手も足も出せないだろう」
「ママからそんな風に思われていたなんて」
母親の言葉を聞いたマヤノは、頬を赤らめて両手を頬に当てる。
「マヤノちゃんなら大丈夫さ。だって君は、異世界の転生者の生まれ変わりであるテオと、フェアリードラゴンであるわたしの娘だからね」
「そうですよ! 私は4分の1しかないですが、マヤノちゃんはテオお爺様の血を半分はあるのですから?」
メリュジーナさんとサクラの言葉を聞き、俺は違和感を覚える。
あれ? 何だかおかしくないか?
0
あなたにおすすめの小説
薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜
仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。
森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。
その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。
これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語
今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ!
競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。
まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
悪逆皇帝の息子に転生した亡国の王子、パパの権力とママの溺愛でいつの間にか世界を救う!?
今晩葉ミチル
ファンタジー
軍事国家サンライト王国は、リベリオン帝国の軍勢に蹂躙された。
サンライト王国の幼い王子ブレイブ・サンライトは、黒い神官ダーク・スカイに殺されてしまう。
そんなブレイブだったが、悪逆皇帝ルドルフの息子シリウスとして生まれ変わる。
前世で祖国を滅ぼした連中だったが、転生後は大事にしてくれる。
パパの権力とママの溺愛で、リベリオン帝国の悪政を正せるかもしれない。
面倒事は黒い神官が苦労しつつ、たいがい解決しれくれそうだ。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる