139 / 171
第十二章
第十二話 頂上の天空龍 中編
しおりを挟む
上空から何かが頬に辺り、俺は見上げる。
暗雲は更に濃さを増し、雨粒を降らせていた。
「雨か。これはまずいな」
当然ハンターなのだから、天候が悪くても狩りを行わなければならないときもある。
しかし、雨に打たれ続ければ、当然体力の消耗が激しくなったり、手が滑って得物を落としてしまったりすることもある。
雨が降った場合、早期討伐が鉄則だが、今回の天空龍はそうはいかないだろう。
空にいるスリシオは、両翼を羽ばたかせながらこのエリア周辺を飛んでいる。
時間稼ぎか。さすが伝龍だけあって、ハンターのことも分かっている。
もう一度爆音玉を使って落としてやろうと、ポーチに腕を突っ込んだ時、上空の暗雲から雷鳴がなり始める。
「雷まで鳴り出したか。これは本当に激しくなりそうだ」
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!』
雷雲に気を取られていたとき、上空にいたスリシオが鳴き、俺のところに突っ込んでくる。
今回は距離があったから、耳を塞がずに済んだ。お陰で回避に移ることができ、相手の懐に飛び込むようにして倒れる。
運良くモンスターの肢体の間に倒れることができ、踏み潰されずに済んだ。
「リュシアン、起きろ! 攻撃のチャンスだ!」
セシリオさんの声が聞こえ、起き上がる。
あのあとモンスターは地面を滑るようにして離れて行ったが、爪を破壊したことで踏ん張ることができずに転倒してしまったようだ。
天空龍は肢体を動かしてもがいている。
ユリヤたちもチャンスを逃さず駆け寄って攻撃をしてくれている。
直ぐに大剣を構えたまま近付こうとするが、太刀のときとは比べて重さがある。その分、構えたまま走ったのでは、間に合わないような気がした。
これでは間に合わなさそうだな。
大剣を分解して双剣に変えた後、柄頭のポンメル同士を繋げてブーメランに変えた。そしてスリシオに向けて投げると同時に、自身も走り出す。
これなら時間を短縮することができる。
武器と一緒に並走することで、時間を短縮することに成功した。
刃のブーメランがモンスターに肉体を切り裂き、戻って来るタイミングで掴む。その後素早く大剣へと戻すと、思い一撃を叩き込んだ。
鮮血が噴き出し、敵に大ダメージを与えることに成功する。
「よし、みんなダメージを与えている」
伝龍相手に苦戦していないことに歓喜していると、空から放り注ぐ雨粒も大きくなり、激しく降り始めている。
着ている服が水を吸い、肌に張り付く。
とうとう本降りになってしまったな。
一旦攻撃の手をやめて、雨に濡れた前髪をかき揚げ、オールバックのようにする。するとそのタイミングでスリシオが立ち上がり、肢体で地面を踏み締める。
「ユリヤとテレーゼは離れてくれ」
「分かりました」
「オールバック姿のリュシアンも素敵よ」
ユリヤとテレーゼが離れ、遠距離攻撃をしていたエリーザ姫のところに駆け寄る。
テレーゼのやつ、今の俺の髪型を褒めるほどの余裕があるみたいだな。いい傾向だ。
立ち上がった天空龍は、尻尾を気にするように首を曲げて振り向く。
この動作は他のモンスターもしている。もし予想が当たっていれば、テールアタックをするだろう。
やつの尻尾の長さから考えても、現在立っているこの場所にも届きそうだ。
なら、安全な場所に避難するまで、スリシオから離れようとすれば、あの尻尾に当たる可能性がある。なら短い距離で移動しつつ、安全な場所に隠れるには、モンスターの懐に入るのが一番だ。
「はっ!」
一度前転をしてスリシオの肢体の間に滑り込む。するとやつの尻尾が動き出し、左右に振られる。
予想が当たり、モンスターの尻尾は体の真横まで到達していた。
「危なかったな」
俺と同じく懐に入り込んだセシリオさんが声をかけ、俺は苦笑いで返す。
「とにかく今もチャンスは続いています。俺は後ろ足を攻撃するので、セシリオさんは前足をお願いします」
俺たちは互いの得物が当たらないように距離を開けて攻撃を続行する。
こんな狭い場所は、小回りが利く双剣の方がいい。
大剣を二つに分け、双剣にすると左右の得物を使い、モンスターの足を攻撃していく。
二つの刃が集中的に後ろ足を切り、スリシオの後ろ足が流血を起こす。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!』
天空龍は痛みに耐えかねたようで、耳を塞いでしまうほどの悲鳴をあげる。
するとやつは両翼を羽ばたかせて再び上空へと舞い上がる。
見上げてみると、やつの頭部の鱗が逆鱗のように逆立ち、口から霧のようなものが漏れている。
「憤怒状態に入ったか」
暗雲は更に濃さを増し、雨粒を降らせていた。
「雨か。これはまずいな」
当然ハンターなのだから、天候が悪くても狩りを行わなければならないときもある。
しかし、雨に打たれ続ければ、当然体力の消耗が激しくなったり、手が滑って得物を落としてしまったりすることもある。
雨が降った場合、早期討伐が鉄則だが、今回の天空龍はそうはいかないだろう。
空にいるスリシオは、両翼を羽ばたかせながらこのエリア周辺を飛んでいる。
時間稼ぎか。さすが伝龍だけあって、ハンターのことも分かっている。
もう一度爆音玉を使って落としてやろうと、ポーチに腕を突っ込んだ時、上空の暗雲から雷鳴がなり始める。
「雷まで鳴り出したか。これは本当に激しくなりそうだ」
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!』
雷雲に気を取られていたとき、上空にいたスリシオが鳴き、俺のところに突っ込んでくる。
今回は距離があったから、耳を塞がずに済んだ。お陰で回避に移ることができ、相手の懐に飛び込むようにして倒れる。
運良くモンスターの肢体の間に倒れることができ、踏み潰されずに済んだ。
「リュシアン、起きろ! 攻撃のチャンスだ!」
セシリオさんの声が聞こえ、起き上がる。
あのあとモンスターは地面を滑るようにして離れて行ったが、爪を破壊したことで踏ん張ることができずに転倒してしまったようだ。
天空龍は肢体を動かしてもがいている。
ユリヤたちもチャンスを逃さず駆け寄って攻撃をしてくれている。
直ぐに大剣を構えたまま近付こうとするが、太刀のときとは比べて重さがある。その分、構えたまま走ったのでは、間に合わないような気がした。
これでは間に合わなさそうだな。
大剣を分解して双剣に変えた後、柄頭のポンメル同士を繋げてブーメランに変えた。そしてスリシオに向けて投げると同時に、自身も走り出す。
これなら時間を短縮することができる。
武器と一緒に並走することで、時間を短縮することに成功した。
刃のブーメランがモンスターに肉体を切り裂き、戻って来るタイミングで掴む。その後素早く大剣へと戻すと、思い一撃を叩き込んだ。
鮮血が噴き出し、敵に大ダメージを与えることに成功する。
「よし、みんなダメージを与えている」
伝龍相手に苦戦していないことに歓喜していると、空から放り注ぐ雨粒も大きくなり、激しく降り始めている。
着ている服が水を吸い、肌に張り付く。
とうとう本降りになってしまったな。
一旦攻撃の手をやめて、雨に濡れた前髪をかき揚げ、オールバックのようにする。するとそのタイミングでスリシオが立ち上がり、肢体で地面を踏み締める。
「ユリヤとテレーゼは離れてくれ」
「分かりました」
「オールバック姿のリュシアンも素敵よ」
ユリヤとテレーゼが離れ、遠距離攻撃をしていたエリーザ姫のところに駆け寄る。
テレーゼのやつ、今の俺の髪型を褒めるほどの余裕があるみたいだな。いい傾向だ。
立ち上がった天空龍は、尻尾を気にするように首を曲げて振り向く。
この動作は他のモンスターもしている。もし予想が当たっていれば、テールアタックをするだろう。
やつの尻尾の長さから考えても、現在立っているこの場所にも届きそうだ。
なら、安全な場所に避難するまで、スリシオから離れようとすれば、あの尻尾に当たる可能性がある。なら短い距離で移動しつつ、安全な場所に隠れるには、モンスターの懐に入るのが一番だ。
「はっ!」
一度前転をしてスリシオの肢体の間に滑り込む。するとやつの尻尾が動き出し、左右に振られる。
予想が当たり、モンスターの尻尾は体の真横まで到達していた。
「危なかったな」
俺と同じく懐に入り込んだセシリオさんが声をかけ、俺は苦笑いで返す。
「とにかく今もチャンスは続いています。俺は後ろ足を攻撃するので、セシリオさんは前足をお願いします」
俺たちは互いの得物が当たらないように距離を開けて攻撃を続行する。
こんな狭い場所は、小回りが利く双剣の方がいい。
大剣を二つに分け、双剣にすると左右の得物を使い、モンスターの足を攻撃していく。
二つの刃が集中的に後ろ足を切り、スリシオの後ろ足が流血を起こす。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォォン!』
天空龍は痛みに耐えかねたようで、耳を塞いでしまうほどの悲鳴をあげる。
するとやつは両翼を羽ばたかせて再び上空へと舞い上がる。
見上げてみると、やつの頭部の鱗が逆鱗のように逆立ち、口から霧のようなものが漏れている。
「憤怒状態に入ったか」
1
あなたにおすすめの小説
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた
歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。
剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。
それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。
そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー
「ご命令と解釈しました、シン様」
「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」
次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる