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第十四章
第九話 チャプスの最後
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チャプスの身動きを封じていると、やつの頭にこぶのようなものが見えた。
なんだ? あのこぶのようなものは?
気になってしまった俺は、暴れるチャプスの牙や舌が当たらないように、少し遠回りをしながらやつの側面に回る。
モンスターの体によじ登り、背中に到達すると頭部を見る。
するとチャプスの頭部には、水晶のようなものが半分埋め込まれてあった。
あの水晶、ゴッドヒルフが持っていた水晶に似ている。あれを破壊すれば、チャプスのモンスター化が解けるんじゃないか。
チャプスを元に戻す糸口を見つけた瞬間、足を拘束していた氷が破壊された。
やつは立ち上がり、俺を振り落とそうと足を軸にして回転を始める。
せっかく元に戻すことができるかもしれないのに、ここで吹き飛ばされる訳にはいかない。
必死にしがみつきながら、仲間達に顔向ける。
ユリヤたちがいない?
「リュシアンさん、私たちはここです」
モンスターの足元からユリヤの声が聞こえてくる。
さすがに長い間、俺の戦い方を見ているだけはあるな。モンスターがこの回転をしてきた時は、足元が安全だとみんな分かっている。
「みんなは、チャプスが次の攻撃の動作に入ったときは離れてくれ」
「分かりました!」
俺の指示に、ユリヤが代表して答える。
今はチャプスの背にしがみつきながら、攻撃が収まるのを待つしかないな。
チャプスが疲れて動きを止めるのを待っていると、やつはエリアの外側に向けて突っ込んで行く。
こいつ、あまりにも俺がしつこく粘るから、岩壁に叩きつけて振り落とそうとしているのか。
確かにこの方法なら、自身の肉体を傷付ける代わりに俺を振り落とすことができるだろう。
だけどこのチャンスを見逃す訳にはいかない。一か八かの賭けに出させてもらう。
振り落とされないように、しっかりとしがみ付いていると、チャプスの体が岩壁に叩きつけられる。
振動で振り落とされそうになるも、どうにか耐えることに成功した。だが、これで終わりではない。
チャプスが体当たりしたことにより、岩壁の一部が崩れ、落石が発生した。
転がり落ちる落石は、運悪く当たってしまった……チャプスの顔面に。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン』
落石を受けた瞬間、チャプスが吼える。
きっとこいつのことだ。落石が当たったのも俺のせいにしていそうだな。
モンスターの出方を伺っていると、やつは岩盤から離れて距離を置く。しかし、チャプスの顔はまだ岩盤を見据えていた。
もう一度体当たりをする気か。
「リュシアン王子、これを受け取ってください!」
エリーザ姫の声が聞こえると同時に、俺の前に矢が突き刺さった。矢には糸状のものが絡まっている。
「これは、マンダラ蜘蛛の糸で作った操り糸」
「それでモンスターをコントロールしてください」
なるほど、その手があったか。
マンダラ蜘蛛の操り糸は、その名の通りモンスターに絡ませることで操ることができる。しかし、その条件がモンスターに騎乗することなので、運よく背中に乗れないと使うことができない代物だ。
直ぐに操り糸をチャプスの関節に絡ませる。
しかし作業の最中に、やつは岩壁に向けて走り出した。
「そうはさせるかよ!」
ギリギリ作業が間に合い、チャプスが岩壁にぶつかるのを阻止する。そして糸を操作して岩壁から遠ざけた。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン』
チャプスが吼える。
モンスターの言葉は理解できない。だが、なんとなくだけど『俺でお馬さん遊びをするな!』と訴えているように思えた。
だけどマンダラ蜘蛛の糸は時間経過と共に切れてしまう。早くやつの頭部にある水晶を破壊する必要がある。
周囲を探り、この場に近いのがテレーゼであることが分かると、チャプスを歩かせて彼女に近づく。
「はい、おすわり」
チャプスを操作して体を屈ませる。
「テレーゼ、悪いが、俺の代わりにこいつを押さえ付けてくれないか」
「任せて! チャプスを見事に躾けてあげるわ」
歌姫がモンスターの上に乗り、俺の代わりに操り糸を使ってチャプスを押さえ付ける。
よし、今のうちやつの頭部にある水晶を破壊だ。
一応破壊力がある方がいいだろう。
ポーチから双剣を取り出し、刃のない部分をくっ付けて大剣へと姿を変えると、思いっきり振り下ろす。
刃が水晶に当たり、ヒビを作る。だが、まだ破壊には至っていない。もう一度だ!
再び刃を振り下ろしたその時。
「リュシアンごめんなさい。操り糸が切れちゃったわ」
操り糸が切れ、自由を取り戻したチャプスが再び暴れ出す。
くそう、間に合ってくれ!
俺は振り下ろした刃に願いを込める。
頼む! この一撃で破壊してくれ!
刃がヒビの入った水晶に触れた瞬間、ヒビが蜘蛛の巣状に広がり水晶が破壊された。
その瞬間、チャプスの体が光だす。
もしかして人間の姿に戻ろうとしているのか。
「テレーゼ!」
大剣を双剣に戻してポーチに仕舞い、歌姫の名を呼ぶと彼女を抱きしめて地面に飛び降りる。
着地と同時に立ち上がり、テレーゼを下ろしてチャプスの方を見る。
すると全裸の男が地面に倒れていた。
それもそうだよな。人間からあれだけでかいモンスターになったんだ。着ていた服は破けて当然だ。
テレーゼを見ると彼女はチャプスに対して背を向けていた。
さすが裸の男を直視するのは異性としては少々恥ずかしいよな。
「一瞬でもクソブタの裸が視界に入ってしまったわ。目が汚れてしまう」
いや、本気で見たくないから背を向けていたみたいだ。
ゆっくりと歩き、チャプスに近付こうとした。
だが、チャプスに向けて火球が跳び、彼の体に当たると炎に包み込まれる。
いったい何が起きた。
なんだ? あのこぶのようなものは?
気になってしまった俺は、暴れるチャプスの牙や舌が当たらないように、少し遠回りをしながらやつの側面に回る。
モンスターの体によじ登り、背中に到達すると頭部を見る。
するとチャプスの頭部には、水晶のようなものが半分埋め込まれてあった。
あの水晶、ゴッドヒルフが持っていた水晶に似ている。あれを破壊すれば、チャプスのモンスター化が解けるんじゃないか。
チャプスを元に戻す糸口を見つけた瞬間、足を拘束していた氷が破壊された。
やつは立ち上がり、俺を振り落とそうと足を軸にして回転を始める。
せっかく元に戻すことができるかもしれないのに、ここで吹き飛ばされる訳にはいかない。
必死にしがみつきながら、仲間達に顔向ける。
ユリヤたちがいない?
「リュシアンさん、私たちはここです」
モンスターの足元からユリヤの声が聞こえてくる。
さすがに長い間、俺の戦い方を見ているだけはあるな。モンスターがこの回転をしてきた時は、足元が安全だとみんな分かっている。
「みんなは、チャプスが次の攻撃の動作に入ったときは離れてくれ」
「分かりました!」
俺の指示に、ユリヤが代表して答える。
今はチャプスの背にしがみつきながら、攻撃が収まるのを待つしかないな。
チャプスが疲れて動きを止めるのを待っていると、やつはエリアの外側に向けて突っ込んで行く。
こいつ、あまりにも俺がしつこく粘るから、岩壁に叩きつけて振り落とそうとしているのか。
確かにこの方法なら、自身の肉体を傷付ける代わりに俺を振り落とすことができるだろう。
だけどこのチャンスを見逃す訳にはいかない。一か八かの賭けに出させてもらう。
振り落とされないように、しっかりとしがみ付いていると、チャプスの体が岩壁に叩きつけられる。
振動で振り落とされそうになるも、どうにか耐えることに成功した。だが、これで終わりではない。
チャプスが体当たりしたことにより、岩壁の一部が崩れ、落石が発生した。
転がり落ちる落石は、運悪く当たってしまった……チャプスの顔面に。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン』
落石を受けた瞬間、チャプスが吼える。
きっとこいつのことだ。落石が当たったのも俺のせいにしていそうだな。
モンスターの出方を伺っていると、やつは岩盤から離れて距離を置く。しかし、チャプスの顔はまだ岩盤を見据えていた。
もう一度体当たりをする気か。
「リュシアン王子、これを受け取ってください!」
エリーザ姫の声が聞こえると同時に、俺の前に矢が突き刺さった。矢には糸状のものが絡まっている。
「これは、マンダラ蜘蛛の糸で作った操り糸」
「それでモンスターをコントロールしてください」
なるほど、その手があったか。
マンダラ蜘蛛の操り糸は、その名の通りモンスターに絡ませることで操ることができる。しかし、その条件がモンスターに騎乗することなので、運よく背中に乗れないと使うことができない代物だ。
直ぐに操り糸をチャプスの関節に絡ませる。
しかし作業の最中に、やつは岩壁に向けて走り出した。
「そうはさせるかよ!」
ギリギリ作業が間に合い、チャプスが岩壁にぶつかるのを阻止する。そして糸を操作して岩壁から遠ざけた。
『ギャオオオオオオオオオオォォォォォォォン』
チャプスが吼える。
モンスターの言葉は理解できない。だが、なんとなくだけど『俺でお馬さん遊びをするな!』と訴えているように思えた。
だけどマンダラ蜘蛛の糸は時間経過と共に切れてしまう。早くやつの頭部にある水晶を破壊する必要がある。
周囲を探り、この場に近いのがテレーゼであることが分かると、チャプスを歩かせて彼女に近づく。
「はい、おすわり」
チャプスを操作して体を屈ませる。
「テレーゼ、悪いが、俺の代わりにこいつを押さえ付けてくれないか」
「任せて! チャプスを見事に躾けてあげるわ」
歌姫がモンスターの上に乗り、俺の代わりに操り糸を使ってチャプスを押さえ付ける。
よし、今のうちやつの頭部にある水晶を破壊だ。
一応破壊力がある方がいいだろう。
ポーチから双剣を取り出し、刃のない部分をくっ付けて大剣へと姿を変えると、思いっきり振り下ろす。
刃が水晶に当たり、ヒビを作る。だが、まだ破壊には至っていない。もう一度だ!
再び刃を振り下ろしたその時。
「リュシアンごめんなさい。操り糸が切れちゃったわ」
操り糸が切れ、自由を取り戻したチャプスが再び暴れ出す。
くそう、間に合ってくれ!
俺は振り下ろした刃に願いを込める。
頼む! この一撃で破壊してくれ!
刃がヒビの入った水晶に触れた瞬間、ヒビが蜘蛛の巣状に広がり水晶が破壊された。
その瞬間、チャプスの体が光だす。
もしかして人間の姿に戻ろうとしているのか。
「テレーゼ!」
大剣を双剣に戻してポーチに仕舞い、歌姫の名を呼ぶと彼女を抱きしめて地面に飛び降りる。
着地と同時に立ち上がり、テレーゼを下ろしてチャプスの方を見る。
すると全裸の男が地面に倒れていた。
それもそうだよな。人間からあれだけでかいモンスターになったんだ。着ていた服は破けて当然だ。
テレーゼを見ると彼女はチャプスに対して背を向けていた。
さすが裸の男を直視するのは異性としては少々恥ずかしいよな。
「一瞬でもクソブタの裸が視界に入ってしまったわ。目が汚れてしまう」
いや、本気で見たくないから背を向けていたみたいだ。
ゆっくりと歩き、チャプスに近付こうとした。
だが、チャプスに向けて火球が跳び、彼の体に当たると炎に包み込まれる。
いったい何が起きた。
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