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第十三章
第十話 サザンクロスの性の秘密
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「さてと、夕飯も終わったことだし、デザートとして親子丼でも食べる? シャカール君」
「お母さん何を言っとるとタイ。親子丼はデザートではなく主食タイ。何をボケとるとね」
母親の言葉にサザンクロスがツッコミを入れるが、おそらく食べ物の親子丼の話ではないだろう。いや、ある意味食べると言う表現は間違っていないかもしれないが、食材と言う意味での親子丼ではないだろう。
「遠慮しておきます。さすがにこれ以上は、お腹の中には入らないので」
彼女の言葉の意味は分かっているが、ここは敢えてサザンクロスのように勘違いをしているかのように装う。
「冗談よ。それより、サザンクロスはお風呂に入ってきなさい」
「分かったタイ。でも、あんまり変なことを言ってシャカールを困らせないように」
母親に釘を刺し、サザンクロスは浴室の方へと向かっていく。
この場に彼女が居なくなると、サザンクロスの母親がジッと俺の方を見つめてくる。
「あのう、何か?」
彼女の視線が気になり、声をかける。
夕飯には媚薬のようなものは仕掛けられていなかった。いや、食材そのものがある意味媚薬のようなものであるかもしれないが、少ししか食べていないから効果は薄いはずだ。
俺の性欲が我慢できずに爆発するようなことはないはず。
「そう言えば、まだお礼を言っていなかったなと思って。サザンクロスを女にしてくれてありがとう」
「ゴホッ、ゴホッ」
突然の発言に咽せてしまう。
この人は何を言っているんだ? 俺がサザンクロスを女にした? そんなことをした覚えはない。俺は童貞のままのはずだ。
「いや、いや、いや、何を言っているんだ。俺は経験が一度もないんだぞ! サザンクロスを女にした覚えがない! そもそも、付き合ってもいない相手に手を出すほどの節操なしではない!」
彼女の発言に驚き、咄嗟に暴露する。だが、その瞬間サザンクロスの母親は笑い出した。
「アハハハハ。私はあの子の初めてを奪ったと言う意味で女にしたなんて一言も言ってはいないのだけど、そっち系として捉えてしまったのね。あー可愛いアハハハハ!」
どうやら勘違いをしていたらしく、その事実に気付いた瞬間に体が熱くなる。きっと顔の方は羞恥心で真っ赤になっているだろう。
そもそも、この人は下ネタトークをすることが多い。それに今日の食事だって動物の睾丸や陰茎を使った料理を出されたのだ。
完全に脳が、エッチな方よりの思考になってしまっている。勘違いを起こしても仕方がない。
「私の言い方が悪かったわね。サザンクロスが自分のことを女だと自覚させてくれたのはあなただと聞いていたから、そのお礼を言いたかったのよ」
先ほどの言葉を正しく伝えてもらい、ようやく何を言いたかったのかを理解する。
なるほど、そう言う意味か。でも、俺は訴えただけであって、最後はクリープの協力があってのことだ。
功績を立てたのはクリープであって、俺ではない。
「いえ、彼女が自覚できたのは、クリープと言うウサギのケモノ族の女の子のお陰です。俺が自覚させたわけでは」
「いいえ、あなたの功績よ。一緒にお風呂に入って裸を見たらしいじゃない」
一緒にお風呂に入ってサザンクロスの裸を見た時の話題を出され、当時の記憶が蘇る。
脳内にサザンクロスの裸を思い出し、申し訳ない気持ちになった。
くそう。せっかく忘れていたのに、思い出してしまったじゃないか。
「それがきっかけでみんなにサザンクロスが実は女だったと言う認識が広がり、最終的には自覚させることに成功した。きっかけとなったあなたがいなければ、今もあの子は自分は男だと思い込んでいたはずよ」
「どうしてサザンクロスは、自分は男だと思い込んでしまったのですか?」
踏み込んではならない領域かもしれないが、聞かずにはいられない。
「それは私の旦那にあるわ。もう数年前に亡くなってしまったのだけどね。彼は女の子よりも男の子が欲しかった。でも、家の敷きたりで子は1人しか作ってはならないと言うものがあったのよ。サザンクロスを孕ったとき、女の子だと知って彼は落胆したわ。サザンクロスが生まれてからは、自分は男だと思い込ませ、男として育てたのよ」
父親の教育の結果、自分は男だと思い込まされて育ってきたことを知り、アンニュイな気持ちになる。
可哀想と思ってはならないのかもしれないが、サザンクロスには同情してしまう。
本当に女の子として育っていれば、また違った人生を送れていたかもしれないのに。
「可哀想だと思った私は、抵抗のつもりで女の子が着る服を着せるようにしたのよ。もし、自分が女の子だと気付き、女として生きて行く道を選んだ場合、抵抗感がなくなるように。普段から女の子の服を着ていれば、違和感を覚えなくて済むから」
サザンクロスが自分は男だと思い込んでいた時、抵抗なくスカートとかを履いていたのはそんな訳があったのか。
「でも、なんでゴスロリ衣装なのですか?」
「そんなの決まっているじゃない。可愛いからよ。私も若かったら、あんな服を一度は着てみたかったわ」
確かにゴスロリの服は可愛い。サザンクロスのような可愛い容姿の子が着れば、お人形のような華やかさが出てくるだろう。
「それでね、シャカール君に協力して欲しいことがあるのだけど」
「何ですか?」
「私、もう1人子どもが欲しいのよ」
「お断りします」
「えーなんで!」
「当たり前じゃないか。子どもが欲しいのなら、まずは再婚相手を見つけてください」
「お、何やら賑やかタイ。何を話していると?」
子作りを断ると、サザンクロスが戻ってきた。彼女が会話に混ざってきた以上、下手に手を出そうとはしてこないだろう。
「サザンクロスちゃんも弟か妹か欲しいわよね?」
「何! コウノトリがこの家に赤ちゃんを運んで来るの! なら弟が欲しいタイ」
彼女の言葉に苦笑いを浮かべてしまった。
お前の性知識は幼児で止まっているのかよ。
「お母さん何を言っとるとタイ。親子丼はデザートではなく主食タイ。何をボケとるとね」
母親の言葉にサザンクロスがツッコミを入れるが、おそらく食べ物の親子丼の話ではないだろう。いや、ある意味食べると言う表現は間違っていないかもしれないが、食材と言う意味での親子丼ではないだろう。
「遠慮しておきます。さすがにこれ以上は、お腹の中には入らないので」
彼女の言葉の意味は分かっているが、ここは敢えてサザンクロスのように勘違いをしているかのように装う。
「冗談よ。それより、サザンクロスはお風呂に入ってきなさい」
「分かったタイ。でも、あんまり変なことを言ってシャカールを困らせないように」
母親に釘を刺し、サザンクロスは浴室の方へと向かっていく。
この場に彼女が居なくなると、サザンクロスの母親がジッと俺の方を見つめてくる。
「あのう、何か?」
彼女の視線が気になり、声をかける。
夕飯には媚薬のようなものは仕掛けられていなかった。いや、食材そのものがある意味媚薬のようなものであるかもしれないが、少ししか食べていないから効果は薄いはずだ。
俺の性欲が我慢できずに爆発するようなことはないはず。
「そう言えば、まだお礼を言っていなかったなと思って。サザンクロスを女にしてくれてありがとう」
「ゴホッ、ゴホッ」
突然の発言に咽せてしまう。
この人は何を言っているんだ? 俺がサザンクロスを女にした? そんなことをした覚えはない。俺は童貞のままのはずだ。
「いや、いや、いや、何を言っているんだ。俺は経験が一度もないんだぞ! サザンクロスを女にした覚えがない! そもそも、付き合ってもいない相手に手を出すほどの節操なしではない!」
彼女の発言に驚き、咄嗟に暴露する。だが、その瞬間サザンクロスの母親は笑い出した。
「アハハハハ。私はあの子の初めてを奪ったと言う意味で女にしたなんて一言も言ってはいないのだけど、そっち系として捉えてしまったのね。あー可愛いアハハハハ!」
どうやら勘違いをしていたらしく、その事実に気付いた瞬間に体が熱くなる。きっと顔の方は羞恥心で真っ赤になっているだろう。
そもそも、この人は下ネタトークをすることが多い。それに今日の食事だって動物の睾丸や陰茎を使った料理を出されたのだ。
完全に脳が、エッチな方よりの思考になってしまっている。勘違いを起こしても仕方がない。
「私の言い方が悪かったわね。サザンクロスが自分のことを女だと自覚させてくれたのはあなただと聞いていたから、そのお礼を言いたかったのよ」
先ほどの言葉を正しく伝えてもらい、ようやく何を言いたかったのかを理解する。
なるほど、そう言う意味か。でも、俺は訴えただけであって、最後はクリープの協力があってのことだ。
功績を立てたのはクリープであって、俺ではない。
「いえ、彼女が自覚できたのは、クリープと言うウサギのケモノ族の女の子のお陰です。俺が自覚させたわけでは」
「いいえ、あなたの功績よ。一緒にお風呂に入って裸を見たらしいじゃない」
一緒にお風呂に入ってサザンクロスの裸を見た時の話題を出され、当時の記憶が蘇る。
脳内にサザンクロスの裸を思い出し、申し訳ない気持ちになった。
くそう。せっかく忘れていたのに、思い出してしまったじゃないか。
「それがきっかけでみんなにサザンクロスが実は女だったと言う認識が広がり、最終的には自覚させることに成功した。きっかけとなったあなたがいなければ、今もあの子は自分は男だと思い込んでいたはずよ」
「どうしてサザンクロスは、自分は男だと思い込んでしまったのですか?」
踏み込んではならない領域かもしれないが、聞かずにはいられない。
「それは私の旦那にあるわ。もう数年前に亡くなってしまったのだけどね。彼は女の子よりも男の子が欲しかった。でも、家の敷きたりで子は1人しか作ってはならないと言うものがあったのよ。サザンクロスを孕ったとき、女の子だと知って彼は落胆したわ。サザンクロスが生まれてからは、自分は男だと思い込ませ、男として育てたのよ」
父親の教育の結果、自分は男だと思い込まされて育ってきたことを知り、アンニュイな気持ちになる。
可哀想と思ってはならないのかもしれないが、サザンクロスには同情してしまう。
本当に女の子として育っていれば、また違った人生を送れていたかもしれないのに。
「可哀想だと思った私は、抵抗のつもりで女の子が着る服を着せるようにしたのよ。もし、自分が女の子だと気付き、女として生きて行く道を選んだ場合、抵抗感がなくなるように。普段から女の子の服を着ていれば、違和感を覚えなくて済むから」
サザンクロスが自分は男だと思い込んでいた時、抵抗なくスカートとかを履いていたのはそんな訳があったのか。
「でも、なんでゴスロリ衣装なのですか?」
「そんなの決まっているじゃない。可愛いからよ。私も若かったら、あんな服を一度は着てみたかったわ」
確かにゴスロリの服は可愛い。サザンクロスのような可愛い容姿の子が着れば、お人形のような華やかさが出てくるだろう。
「それでね、シャカール君に協力して欲しいことがあるのだけど」
「何ですか?」
「私、もう1人子どもが欲しいのよ」
「お断りします」
「えーなんで!」
「当たり前じゃないか。子どもが欲しいのなら、まずは再婚相手を見つけてください」
「お、何やら賑やかタイ。何を話していると?」
子作りを断ると、サザンクロスが戻ってきた。彼女が会話に混ざってきた以上、下手に手を出そうとはしてこないだろう。
「サザンクロスちゃんも弟か妹か欲しいわよね?」
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