花よ。届けておくれ。

咲 カヲル

文字の大きさ
3 / 9

しおりを挟む
いつものように、煌びやかなショーが幕を開け、ジルとハジの共演もあり、大いに盛り上がった。
だが、団員達は、どこか沈んだ雰囲気で、ハジとジルも、寂しそうな笑顔を浮かべていた。

「気が散ってるみたいね」

「致し方ない」

「…紫苑」

「やってみよう」

黄色い花を1つ、手のひらに乗せ、カヨが、花の数を増やし、シオンが、風を起こして、舞台に向かわせた。
花を見上げ、ジルとハジは、視線を合わせて、眉尻を下げて、小さな笑みを浮かべ、小さく頷き合うと、花の中でショーを続け、団員達も花が舞う中、ショーを続けた。
いつもと違う演出に、沢山の歓声が上がり、穏やかでも、煌びやかで、華やかなショーは幕を閉じた。
シオンとカヨは、閉幕と同時に部屋に戻り、早々に眠りに落ちた。
宴会が始まり、とても穏やかな雰囲気で、ジルとハジも、団員達と酒を酌み交わした。

「…ねぇ、ハジ」

「ん?」

「東南、の、花、何か、知って、る?」

「俺に聞くな」

「ん~…カヨ、達の、国の、花、どっか、に、ない、かな?」

「ルクスと話せよ」

「ルクス、知って、る?」

「さぁ?」

「あ!ドクターなら、分かんじゃねぇか?」

「あ。そっか。ドクター、物、知り」

「確かに。ちょっと聞いてみよう」

穏やかな雰囲気の宴会は、早々に終わりを告げ、ジルだけでなく、ハジやルクス、団員達も、早々に眠りに落ち、次の日になると、ルクスは、買い出し前に医者の所に立ち寄った。

「ドクター」

「ん?どうした?こんな朝早く」

「ちょっと聞きたい事があってね」

「なんだ?」

「ドクターは、東南の国には、季節があるのを知ってるかい?」

「あぁ。確か、4つの季節が、順番に回ってるって話だが」

「なら、それぞれの季節で花が咲くのは?」

「あぁ。春が薄いピンク色や白い花で、夏が紫で、秋が黄色の…そういえば、サーカスの裏手にある花だったような気がするな」

「冬は、どんな花が咲くか知ってるかい?」

「確か、白や黄色の花があったような」

「名前は知ってるかい?」

「あ~と~、なんだったかな。こう、ちょっと不思議な名前だったような…え~っと」

「どんな花かは、分かるのかい?」

「こう、バラのような感じなんだが、あまり大きくなくて、白い花と、こんなもんの黄色い花だったと思うが」

「それらを市場で見た事はあるかい?」

「いや。絵で見た事はあるが、実物はないな」

「もし、買うとしたら、どこに行けばありそうかな?」

「それなら、マルクルス夫人の方が詳しいぞ」

「なるほど。夫人か。分かった。ありがとう」

「そういえば、あの子、カヨと言ったかな。彼女は元気か?」

「あぁ。元気に過ごしてるよ」

「そうか」

「カヨが、どうかしたのかい?」

眉間に眉を寄せ、眉尻を下げたドクターに、ルクスは、眉尻を下げて、首を傾げた。

「連れて来られた時、お腹に、子供がいたんじゃないかと」

「そんな」

「下腹に残ってた痣、一部は鬱血までしていた。あれは、いくらなんでも異常だ。もし、買われる前に、その事がバレたとしたら、商品価値がないと考えた商人にやられ、買われた後も、同じように」

ルクスは、拳を揺らして静かに目を閉じた。

「それに、背中や腕にあった切り傷や痣は、お腹の子を必死に守ろうとした為に、付けられたとしたら納得出来る。でも、どんなに守ろうとしても、守れなかったんじゃないかと思ってな」

「なんて酷い事を」

「あんな風にされてしまったら、また子供を作るのは難しくなる。出来たとしても、体が耐えられるかどうか」

息をするのも辛い程、重苦しい空気が辺りに漂った。

「もし、何かあったらすぐ連絡してくれ。何があっても、すぐに行くから」

「分かった。ありがとうドクター。また来るよ」

「あぁ」

小さく微笑み合い、ルクスは、市場に向かい、必要な買い物に加え、呪術師の道具やカヨの棍を探し、昼近くには、サーカス小屋に戻り、裏手の花を見上げた。
香水のような花の香りが、強く漂い、黄色かった花は、オレンジ色に変わり始めた。

「ルクス」

「ハジ」

目尻を下げたまま、振り返ったルクスに、ハジは、眉間に眉を寄せた。

「花は見付かりそうか?」

「あぁ。マルクルス夫人なら、知ってるんじゃないかって事だったよ」

「そっか。マルクルス夫人なら安心だな」

「あぁ。後で連絡してみるよ」

「早く見付かるといいな」

「見付けるよ。何があってもね」

しばらく無言のまま、2人は、花を見上げて、それぞれ、稽古場や書類整理部屋に戻り、ルクスは、マルクルス夫人に手紙を書いた。
数日後。
花が散り始めると、カヨとシオンの言葉が、途切れて聞こえ、ジルやハジ、団員達の言葉も、途切れ途切れに聞こえた。
互いに首を傾げる日々が増え、2人は、ハジやジル、ルクスに、少しずつ言葉を教えてもらい、少しの単語は分かるようになったが、想像以上に、時の流れが早く、教えてもらってる間にも、首を傾げていた中、1人の女性がサーカス小屋を訪れた。

「ようこそ。マルクルス夫人」

聖母のように、柔らかく、穏やかで、暖かな雰囲気の女性に、カヨは、眉尻を下げた。

「こんにちは。ルクス」

マルクルス夫人に見つめられ、カヨは、目を伏せた。

「この子が?」

「はい。カヨです」

「そう…貴女が」

眉間に眉を寄せながら、眉尻を下げて、マルクルス夫人は、カヨを抱き寄せた。

「もう大丈夫よ」

マルクルス夫人の優しい声色に、カヨの頬を涙が滑り落ちた。

「わたくしに出来る事なら、なんでもするわ。遠慮なく、言ってちょうだい」

「ありがとうございます。マルクルス夫人。早速なんですが、先日のお手紙での」

「分かってるわ。1つだけ心当たりがあるの。カヨ、貴女の国で、サンセツバナと言う花は、あったかしら?」

「サンセツバナ?」

「これよ」

小さな鉢植えに、細く弱々しい枝のような木が、小さな蕾と深緑の葉を携えていた。

「まだ蕾だけれど、冬になると、白い花を咲かせるのよ」

「…紫苑、これって」

「あぁ。雪影梅ユキカゲバイだ」

シオンが喋り、ルクスやハジが、目を大きく開きながら、視線を向けると、マルクルス夫人も、目を大きく開いて、シオンとカヨを見つめた。

「…そちらの蛇様は?」

「マルクルス夫人。彼は、シオンと言い、元は、カヨの」

「もしかして、ヤマガミ様?」

キラキラと、マルクルス夫人の瞳が輝き、薄っすらと頬が赤くなった。

「ヤマガミ様ね?」

「…はい。そうですが」

「やっぱりヤマガミ様なのね!嬉しい!わたくし、1度でいいから、ヤマガミ様に、お会いしたかったの」

「貴女は、何故、山神を知ってるのですか?」

マルクルス夫人は、目尻を下げながら、目を伏せて、唇に力を入れた。

「わたくしのお父様は、若い頃、1度だけ東南の小さな島国に行った事があったの。本来ならば、別の国へ行く予定が、嵐で船が転覆してしまい、偶然、流れ着いただけなのけれど。そこで、お父様は、1人の青年に助けられ、その青年から、色々な事を教えてもらったのだとか。とても不思議な所で、多くの緑があって、人々は優しく、まるで夢のような場所だったと仰ってたわ。でも、誰もお父様のお話を信じてくれなかったの。それどころか、事故のせいで、頭がおかしくなったと言われてしまい」

スカートを握るマルクルス夫人の手に、手を重ねて、カヨは、そっと顔を近付けた。

「私達の国は、誰も知らないような小さな島国です。信じられないのは、当たり前の事でしょう。どうか、そんな顔をしないで下さい」

マルクルス夫人の頬を涙が、ポロリと流れ落ちた。

「とてもお辛かったでしょう。でも、私達の国は、郷は、確かに存在してました。貴女の御父様の話は、嘘ではありません」

「…ねぇカヨ。今度、シオン様と一緒に、わたくしのお父様に会ってくれるかしら?」

「勿論です」

「ありがとう。きっと、お父様も喜ぶわ」

「いえ」

優しくて、穏やかな雰囲気になり、2人が微笑み合う中、あの香りを連れて風が流れた。

「良い香りね」

「これは、金陽木蘭の香りです。ご覧になりますか?」

「ぜひ!」

サーカス小屋の裏手に移動し、咲き誇るオレンジ色の金陽木蘭を見上げ、マルクルス夫人の瞳が、キラキラと輝いた。

「なんて綺麗なのかしら。まるで宝石のようね。それに、この香り。香水のように甘いのに、とても爽やかで、心が洗われるようだわ」

「金陽木蘭は、秋にしか咲かぬ故、この香りが山から流れると、山間に住む者達は、冬支度を始める」

「フユジタク?」

「四季の一つです。私達の国では、冬になると雪が降り、山を歩き回れなくなるので、雪が降る前に、食料や薬草、呪術に使う材料などを少しずつ増やします」

「そして、先程の花は、冬を告げる雪影梅。あれが咲き始めたら、誰もが、静かに春が来るのを待つ」

「春になれば、また新たな緑が芽吹き、新たな生活を始めるんです」

「素敵。自然と寄り添って、共に生きているのね」

「はい。多分、貴女の御父様は、呪術師の郷で過ごされたのでしょう。だから、山神や草花の事を知っていたのだと思います」

「しかし、呪術師の郷は、国に住む者でも、知らぬ者が多い。嘘だと言われようと致し方ない」

「そうなのね」

「だが、呪術師の郷は確かに存在する。ここにいる花葉が、その証明になる」

シオンが視線を向けると、カヨは、金陽木蘭の隣に、基本の陣を描き、その中央に、雪影梅の鉢植えを置いた。
ブツブツと何かを呟きながら、胸の前で、指を組み替えると、陣から光が溢れた。

「…耳となりて、声を成せ。咲き来る花よ。言の葉を届けておくれ」

風が舞い、光が落ち着くと、弱々しかった枝のような木は、金陽木蘭にも負けない程、大きくなり、しっかりと大地に根を張った。

「…すごい…すごいわ!」

「カヨ、すごい」

ジルがカヨの隣に立ち、雪影梅を見上げると、小さな蕾に触れた。

「どんな、花が、咲くの、かな。楽しみ」

「はい。私も楽しみです」

「見た、事、ない?」

「雪影梅が咲くには、条件が揃わねばならん」

「どんな?」

「乾いた土と豊富な水、昼は暖かく、夜は寒い、しかりと陽の光が当たる。そんな場所でなくば、花は咲かん」

「呪術師の郷の周りでも、山の頂上付近でしか、見られないような花なんです」

「そうなのね。だから、今まで咲かなかったのね」

「夫人が、育てていらしたんですか?」

「えぇ。でも、蕾は出来ても、花が咲かずに落ちてしまっていたのよ」

「広い大地で育つので、小さな器の中では、あれが限界です」

「…ねぇ、良かったら、わたくしの温室にいらっしゃらない?」

「え」

明るい笑顔を見せるマルクルス夫人に、カヨは、シオンと視線を合わせた。

「どうかしら?」

「それは」

「マルクルス夫人、ちょっと、よろしいですか?」

ルクスが、マルクルス夫人を連れて離れると、ジルとハジが、2人を挟むように並び、花を指差して、視線を向けた。

「上の方が、蕾が多いんだな?」

「なんで?」

「それは、雪影梅が育つ場所によって」

眉尻を下げたまま、小さく微笑み、2人と一緒に花を見上げるカヨを見てから、マルクルス夫人は、ルクスに視線を向けた。

「ルクス、わたくし、何か悪いことでも?」

「いえ。俺が、先にお話しておくべきでした。カヨの郷は、最近、植民地化された国にあったそうで、そこで、父母は、殺されてしまったようです」

「そんな…なんて事を」

「郷は消滅してしまい、カヨ自身も、人身売買に因って、無理矢理、この国に連れて来られ、その時、お腹にいた子供も」

マルクルス夫人の顔色が、真っ青になり、口元を手で覆った。

「本来であれば、シオンも、姿を変えられたそうですが、郷の消滅と共に、山が汚されてしまい、もう、その力がないのだとか」

「な…んて…なんて…ひどい事を」

「ここに来た時のカヨは、本当にひどい状態で、シオンが現れてくれなかったら、彼女は、死んでいたかもしれません」

「そんなにも…ひどかったのね」

「シオンが現れてからは、元気になりましたが、ここに来てから、2人は、外に出た事がないんです。俺は、2人が出たいと思うまで、外に出す気はありません」

「そうなのね。分かったわ。ありがとう」

「いえ。お願いしておきながら、大変、申し訳ありません」

「いいえ。ルクスやハジがいるのなら安心よ」

「ありがとうございます。では、1つ、お願い出来ますか?」

「花の事ね?任せてちょうだい。お父様にも聞いて探してみるわ」

「ありがとうございます」

振り返ると、オレンジ色の花が、風に乗って舞い、その花を追うジルとカヨを見つめ、ハジとシオンが、優しく微笑んでいた。
そこには、夢のように儚い世界が広がっていた。

「…お父様は、きっと、もっと素敵な世界を見たのでしょうね」

「…カヨ」

「はい」

「アレをやってくれないかい?」

「ルクス!!」

「マルクルス夫人に、お見せしたいんだ。どうかな?」

「…分かりました」

マルクルス夫人を見つめ、小さく微笑んだカヨと一緒に、稽古場に移動すると、沢山の団員達が脇へと避けた。

「紫苑」

「あぁ」

オレンジ色の花が舞い、その香りが辺りを包むと、多くの団員達は、優しく、穏やかに微笑み、マルクルス夫人は、その光景に、キラキラと瞳を輝かせた。
カヨが黒蝶扇で花を舞わせ、力強く芽吹く緑が、色鮮やかな金陽木蘭の花を咲かせて、風に揺られると、シオンが移動して出来た溝に、水が、そっと囁くように流れた。

「…素敵。なんて美しいのかしら」

香りだけを残し、全て消え去って、元に戻ると、カヨは、金陽木蘭の花が敷き詰められた小箱を手に、マルクルス夫人に近付いた。

「どうぞ」

小箱が手に乗せられると、甘く、爽やかな香りが溢れ、マルクルス夫人を包んだ。

「こんな事しか出来ませんが、どうか、御父様へのお土産として、お持ち下さい」

「ありがとう。お父様なら、きっと大喜びよ」

大事そうに小箱を抱き、ニコッと笑うマルクルス夫人の目元に、薄っすらと涙が浮かんでいた。

「私こそ、花を有難うございます」

「夫人よ」

「あらやだ。カヨもシオン様も、どうか、わたくしの事は、マナと呼んで?」

「…マナ…貴女の名前は、マナと言うのですか?」

「えぇ。わたくしの名前は、マナ・フィラルド・マルクルスよ」

「その名前は、誰が付けたのですか?」

「お父様よ?どうかしたの?」

目を大きく開き、ポカンと口を半開きにして、視線を合わせたカヨとシオンは、眉尻を下げて、ニコッと微笑みを浮かべた。

「…貴女の御父様は、確かに、呪術師の郷に訪れてます」

「え?」

「マナとは、呪術師の間では、信愛マコトノアイの意味を持つ」

「きっと、救った青年が御父様に贈った言葉でしょう。ね?紫苑」

「あぁ」

小さな花を手に乗せ、カヨとシオンが、ブツブツと呟くと、砂煙が優しく舞い上がり、宙に浮いた小さな花が集まり、包むように、周囲から水の雫が集まり、光を放った。
全てが混ざり合い、幾重にも重なる光の線が、それらを飲み込んだ。

「…信愛マナの名の元に、集いし廻れ」

「大地よ」

「水よ」

「風よ」

「火よ」

「優しき心、届けておくれ」

光が落ち着くと、太陽のような暖かな輝きを放ち、雫型の宝石が、カヨの手に舞い降りた。

「どうぞ」

「でも、それは」

「これは、貴女の物です」

カヨは、ニコニコと微笑みながら、マルクルス夫人の手に宝石を乗せた。

「汝を取り巻く信愛マナ。それらを集めて、儂と花葉で形にしただけの事」

「御父様と青年から、信愛マコトノアイを注がれた貴女の心が無ければ、作れませんでした。だから、これは貴女の物です」

手の中の宝石を見つめ、小さく微笑むマルクルス夫人を見てから、カヨは、シオンと視線を合わせた。

「マナさん」

カヨとシオンは、視線を上げたマルクルス夫人に、抱きついた。

「どうか、その心を忘れないで」

「…ありがとう…本当に、ありがとう。わたくしは、これから、お父様と共に、お2人の力になれるよう、頑張るわ」

太陽のように、明るく照らす、聖母のような笑みを浮かべるマルクルス夫人に、カヨが、優しく微笑むと、シオンは、宝石に顔を寄せた。
蔦のような光が、宝石から伸び、首飾りへと姿を変えると、マルクルス夫人は、それを首から掛けた。

「近い内に、お父様を連れて、また会いに来るわ」

「はい。待ってます」

ルクスと視線を合わせて、頷き合うと、マルクルス夫人は、周囲に頭を下げてから、カヨに背中を向けた。

「あ。マナさん」

ルクスと並んで、稽古場から出ようとしたマルクルス夫人の耳元に、カヨは、顔を寄せて、口元を黒蝶扇で隠した。

「もし、御父様が、呪術師の郷を訪れた時の品があったら、見せてもらえませんか?」

「えぇ。お父様なら、喜んでお持ちになるわ」

「有難うございます。では、また」

「えぇ。またね」

「…僕も、欲しい」

手を振り合って、マルクルス夫人を見送るカヨの隣に、ジルが並ぶと、ハジも、逆側に並んだ。

「あれは、彼女の父からの贈り物。汝等には作ってやれん」

ジルが、ガクンと肩を落とすと、ハジとカヨは、苦笑いを浮かべた時、ルクスが稽古場に戻った。

「だが、儂等からの贈り物なら作ってやれる」

「ほんと?」

「材料さえ揃えば」

「材料?」

「集められそうな物でなら、金陽木蘭の枝と濁りのない水、あとは私の棍ですかね」

「ルクス」

「そんな簡単に見付かるなら、こんな苦労しないよ」

頬を膨らませるジルの頭を力任せに、ハジが、撫で付けると、2人は、戯れ合うように走り回った。

「…っ!カヨ!」

ルクスが、崩れるように、座り込んだカヨを支え、顔を覗き込むと、血の気が失せたように、真っ青になっていた。

「カヨ!」

「俺、ドクター呼んで」

走り出そうとしたハジを尻目に、シオンが、カヨの額に口付けを落とすと、2人から淡い光が放たれた。

「…大丈夫か?」

「うん。有難う」

「少し寝た方が良い」

「うん」

静かに目を閉じたカヨの頬に赤みが戻り、ジルとハジは、ホッと、胸を撫で下ろし、ルクスは、グッと奥歯を噛み締めた。

「シオン、もしかして、カヨ達の扱う力って」

「自らの生」

「生って…んじゃ、カヨは、自分の命を削ってんのかよ」

「カヨ、死ん、じゃう」

「死なん」

「でも、命なんだろ?そしたら、いつか」

「死なせん。花葉は死なせん。儂の命に変えても死なせはせん」

「…今のは、シオンの生を与えたんだね?」

「あぁ。呪術を行うにも儂の生も削る」

「シオン、死ん、じゃう」

「儂は十分生きた。山神と成れる程に」

「シオンにとって、カヨは、命よりも大事なんだね?」

「あぁ。儂は大蛇。山神とて、大蛇は、人々は受け入れられん。ただの怪物。だが、儂が恐れられ、嫌われ、怖がられようとも、花葉と、花葉の住まう郷の者達だけは、儂を受け入れてくれた。儂には、もう花葉しかおらん。花葉しか」

宝物に触れるように、カヨの頬を尻尾で撫でるシオンが目を細めると、3人は、眉尻を下げた。

「頼む。花葉を部屋へ」

何も言わずに、ハジがカヨを抱えて、部屋に連れて行き、ベットの小上がりに、そっと寝かせて、部屋から出ると、シオンは、包むように寄り添って、静かに目を閉じた。
盛大な音楽と歓声で、目が覚めたカヨは、シオンと一緒に舞台袖に向かい、ルクスと並んで、煌びやかな世界を見つめた。

「カヨ。あそこ」

ルクスが指差した客席に、優しく微笑みながら、ショーを観ているマルクルス夫人の胸元で、あの宝石が輝いた。

「…紫苑」

シオンに向かって差し出した手に、シオンが顔を寄せると、ルクスの手が重ねられ、カヨは、視線を向けて首を傾げた。

「実は、近々、マルクルス夫人の誕生日なんだけど、特別演出にしようと思っててね。その時に、手伝ってくれるかい?」

「…はい」

「なら、今日は、何もしないでくれるかい?」

「分かりました」

ニコッと微笑んでから、ルクスが視線を戻すと、幕が降りるまで、カヨは、ずっと舞台と客席を見つめた。

「…シオン。ちょっと」

ルクスは、食事をしながら、ジルとハジの話に、夢中になってるカヨにバレないように、シオンと少し離れた席に移動した。

「カヨのような人達が使う道具は、どのくらいの影響があるんだい?」

「基本の陣が施された物は、基本的な呪術ならば、差程負担にはならんが、大きな呪術を行うには、それ相応の道具を使わねば、負担は大きくなる」

「じゃ、カヨが倒れたのは、負担が大きかったからかな?」

「あぁ。自分の陣を施した道具ならば、倒れる事は無い」

「そっか。呪術師にとって、道具は、本当に大切なんだね」

「あぁ。道具も、材料も、自然からの恩恵から成り立つ。呪術師は、自然から与えられた物、その全てを自らの命と同じくらい大切にしとる」

「…その道具を手放すって事は」

「聞かん方が良い」

ルクスが眉尻を下げ、眉間に眉を寄せて、顔を歪めると、視線を反らして、シオンは、カヨの所に戻り、横顔を見上げた。

「ん?どうしたの?」

「いや」

「ねぇ、人間の、シオン、って、どんな?」

「お!それ、俺も気になってたんだよ。かっけぇの?」

「えぇ。とっても。ね?」

「そんな事は」

「黒くて、艶やかな長い髪に、色白の肌に、紅い眼が、すごく綺麗なんです」

「花葉」

「見たい」

「なら、見ますか?」

「シオン、姿、変え、られる、の?」

「いえ。紫苑の姿を変えるには、棍がないと無理です」

「んじゃ、どやって?」

カヨは、空になった器を綺麗に拭き、水を張ると、自分の指を噛んで、小さな傷を作った。

「カヨ!?」

「何して」

カヨは、2人を無視して、プクッと溢れた血を水に垂らして、ブツブツと呟きながら、胸の前で、指を組み替えた。

「…水よ。見せておくれ」

器から淡い光が放たれると、水の中に、長い黒髪に、切れ長の紅い眼を細め、色白の頬を薄っすら、ピンク色に染めたシオンの姿が映された。

「花葉…これは」

「良いじゃない。私は、この時の紫苑が、一番素敵だと思ったんだから」

「だからって、これは」

「この後の笑顔は、可愛かったなぁ」

「花葉!」

「あと、父様と母様に、頭下げてる時の紫苑は~」

「花~葉~」

「ねぇ、これ、ジュジュツ?」

「そうです。最初に習うんですけど、自分の血に刻まれた記憶を水の力を借りて、映し出す呪術なんです」

「これ、誰でも、出来る、の?」

「何か、見たい記憶でもあるんですか?」

「…うん」

「なら、ちょっと待って下さい」

カヨが、器の上で手を振ると、笑顔のシオンが消え、水を替えてから、ジルの前に器を置いた。

「血を垂らしたら、見たい記憶を思い出し下さい」

ジルも、自分の指を噛んで、血を垂らすと、カヨは、器を包むように触れて、ブツブツと呟いた。

「…水よ。見せておくれ」

淡い光を放ち、目尻を下げながら、唇を噛む美しい女性が映された。

「この方は?」

「ジルのお袋さん」

「…お母さん」

ジルが目を細めると、女性の映像が変わり、猛獣のような鋭い目付きで、煌びやかな光の中に立っていた。

「ジルのお袋さん、ここのダンサーだったんだよ」

「…お母さん…お母…さん…」

何度も映像が変わり、煌びやかな中、命を燃やすように踊る女性は、常に、眉尻を下げながら、眉間に眉を寄せていた。

「…ジルの父親は、コイツが生まれる直前、蒸発しちまったんだ。莫大な借金を残して。母親は、それを返す為に、死ぬまで踊り続けたんだ」

「そう…だったんですね」

涙を浮かべながら、器を見つめるジルを見て、カヨは、隣に座り、そっと肩を抱き寄せた。

「…僕…お母さん」

「私の母様は、私と紫苑を逃す為、自ら、戦いの場へと向かわれました」

ジルが見上げると、カヨは、ニコッと微笑んで、頬を撫でるように、流れる涙を拭った。

「母様も、父様も、私に生きろとも言ってました。きっと、貴方のお母様も、貴方に生きてほしいと思ってますよ」

「でも…僕」

「お母様は、きっと喜んでます。立派に、舞台に立ち、沢山の仲間と幸せに過ごしている貴方は、お母様にとって、誇りであり、何にも変え難い、大切な人なのですから」

「…カヨ…僕」

「だから、そんなに哀しまないで」

カヨが手を翳すと、ジルの母親は、幸せそうな笑顔を浮かべた。

「血に刻まれた記憶は、思い出せなくなってしまった記憶も、しっかり憶えているんですよ。これは、きっと貴方が生まれた時に、向けられたんでしょうね」

見つめていたジルの頬を涙が伝い落ちて、乾いたテーブルを濡らした。

「大丈夫。誰も、貴方を責めていませんから」

「う…うん…あり…あり…が…とう」

「辛い時は、泣いて良いんですよ」

ジルは、顔を手で覆いながらも、大声で泣き、ルクスとハジは、鼻を啜った。
その後、和やかに食事を終え、カヨが、部屋に戻って、少しすると、コンコンとノックの音が響いた。

「ハジ?どうしたんですか?」

「俺も、ちょっと見たい記憶があって」

「なら、器と」

ハジが、水を張った器を差し出すと、カヨは、眉尻を下げながら、小さく微笑んだ。

「用意周到」

「なんだ?それ」

「なんでもないですよ。どうぞ」

部屋に招き入れ、目の前に器を置いて、ハジが血を垂らすと、カヨは、器を包むように触れて呟いた。

「…水よ。見せておくれ」

淡い光を放ち、映し出された人物に、カヨの顔から、血の気が引いたように青ざめた。

「コイツ、知ってんだろ?」

「…えぇ。私を売った人です」

「そうか」

「貴方は、この人と」

「俺の親父は、コイツに殺された」

目を大きく開き、手で口元を覆って、息を飲んだカヨの肩を抱くように、シオンが、体に巻き付き、ハジに顔を向けた。

「この国は、昔、貧しくて、小さな村から子供を攫って、売ってたんだ。俺も、小さい時に攫われそうになって…親父が助けてくれたんだけど」

震える拳が包まれ、ハジが視線を上げると、カヨは、目尻を下げながら目を細めた。

「…正直、今も憎いと思ってる。でも、それだけだ」

「なら、何故、記憶を?」

「忘れたくねぇんだ。コイツに復讐したくて、闘士になったんだけど、どうしても、勝てなかった奴がいたんだ。ソイツに勝てたら、コイツを殺すって、決めてたんだけど、ソイツが突然消えちまって。しばらく、本気で戦える奴がいなくて、どうしようもなくなってた時、風の噂で、ソイツが、ここで働いてるって聞いて、ここに来たんだ」

「もしや」

「ルクスだよ。勝ったら、今度こそ、コイツを殺しに行く。そう決めてた。でも、ルクスは、自分が勝ったら、俺も、ここで働けって言いやがって」

「負けたんですね?」

「完敗だった。んで、俺も、ここで働き始めたんだけどな?ここにいると、コイツの事も、親父の事も、お袋の事も、忘れちまいそうになんだ」

「…この呪術は、本来、会いたい人を思い浮かべて行うんです。貴方が、本当に会いたい人は、誰なんですか?」

ハジが、ジッと水を見つめると、豪快に笑う男性と優しく微笑む女性が浮かび上がった。

「親父…お袋」

ハジの頬を1粒の涙が、ホロリと流れ落ちると、カヨは、眉尻を下げたまま、小さく微笑んだ。

「憎い男より、2人との記憶の方が、ずっと幸せですよ?」

「あぁ…そうだな」

小さく微笑んだハジは、器をそっと撫でて、小さなため息をついた。

「ずっと、思い出せなかったのに」

「血に刻まれた記憶は、その人が生きた時を憶えているんです。また、会いたくなったら、いつでも言って下さいね」

「あぁ。ありがとう」

穏やかな笑みを浮かべたハジは、部屋に戻ると、脳裏に残る両親の笑顔に、小さく微笑んで、静かに目を閉じた頃、カヨとシオンも、静かに眠った。
次の日の朝。
サーカス内は、慌ただしく、シオンとカヨは、蕾が膨らみ始めた雪影梅を見上げていた。

「シオ~ン。カヨ~」

 「はい。どうしぃ!?」

2人が顔を出すと、ハジがカヨを抱え、ジルがシオンを抱き締めて、稽古場まで走り抜け、忙しそうに動き回っていた団員達が集まっていた。

「ど、どうしたんですか?」

「ハジ、ジル、こっちこっち」

団員に手招きされ、2人に、木箱の上に座らせられると、カヨとシオンは、視線を合わせて首を傾げた。

「んん!では、これより、特別公演を始めます」

突然、大きな音楽が流れ、舞台袖から観ていたショーが、目の前で始まり、次々に行われる演目に、カヨは、キラキラと瞳を輝かせ、時折、シオンと一緒になって、小さな歓声を上げた。
最後の演目になり、胸当てや脛当てを着けて、ハジは大剣を持ち、ルクスは、針のように細い剣を持って現れた。
ガラッと音楽が変わり、2人は、踊るように剣を振るい、ハジの剣が空を切り、ルクスの剣が柔らかくしなり、時折、ぶつかり合う音が響き、火花が散った。
音楽が終わると同時に、ハジの剣が地面に刺さり、ルクスの剣が高く掲げられた。

「…どう?すごい?」

「えぇ。とっても」

シオンが尻尾で箱を軽く叩き、カヨが、小さな拍手をすると、多くの団員達がハイタッチして、ハジとジルは、視線を合わせて、ニコッと笑い、ルクスは、ポリポリと頬を掻いた。

「演武なんて久しぶりね」

「あぁ。あれは見応えがある」

「エンブ?」

「演じる武術」

「ん?別に演じてる訳じゃねぇぞ?」

「確かに。真剣な顔してましたもんね」

「ねぇ、ブジュツを、演じる、って、どうゆう、事?」

視線を向けると、シオンが小さく頷き、カヨは、着ていたマントを外して、3人から少し離れた場所で腰を落として構えた。
カヨが、舞うように体術を始めると、その俊敏で力強い動きと射抜くような視線に、ハジとルクスは息を飲んだ。

「…こんな感じですかね」

「すごい。カヨ、踊ってる、みたい」

「見えない相手を想定し、型と言われる動きを披露するのが演武です」

「視線や表情、流れや止めなど、細部も気を抜かず、最初から最後まで集中し続ける。武を身に付ける者は、それだけを得るのではなく、心・技・体の全てを得なければならん」

「私達の郷では、呪術を習う前に、必ず体術を習い、精神と体を整えてから、呪術を習い始めるんです」

「セイシン?」

「心が乱れれば、呪術にも影響が出る。昨夜の呼水呪コスイノジュも薄れ」

「コスイノジュ?」

「昨日、お二人に記憶をお見せしたのが、呼水呪です」

ジルとルクスの視線に、ハジは、頬を赤くして視線を泳がせた。

「ハジ、やった、んだ?」

「あぁうん。ちょっとな」

「何、見た、の?」

「あ~ん~」

「怒りや悲しみ、苦しみや憎しみ、多くの感情に流され、心が乱れれば、どんなに高い技術を身に付けても、満足に扱う事が出来ん。事を成すならば、シンを制して、を以て。さすらば、自ずと大成タイセイを得る」

「なに?なになに?コト?ナス?」

「物事を始めたいなら、落ち着いて、気持ちを強く持てば、きっと成功するって意味です」

「へぇ~」

「シオンの話って、たまに、難しいんだよなぁ」

「儂は、普通に」

「確かに。私達の訓条クンジョウって、こっちの人達には、難しいのかも」

「クンジョウ?」

「簡単に言えば心得です。私の場合は、呪術師として、どうあるべきか、どうすべきかを父様や母様、紫苑から教えてもらいました。ハジは、闘士になる時に、そんな教えはなかったんですか?」

「あ~ん~…いや。基本的に、教わる事はなかったような」

「ハジ、名前」

ハジが首を傾げると、ジルは頬を膨らませた。

「僕も、呼んで、ほしい、のに」

「ジル?」

「違う。カヨに」

「へ?え?…あ…え…おぉーーー!!」

「何を今更、騒い」

「え?えぇ?えええ?俺、今呼ばれた?呼ばれた?え?」

「ハジ、頭、大丈夫?」

自然な流れで、初めて名前を呼ばれたのを理解しきれず、大混乱しているハジを見て、ジルは目を細め、ルクスは苦笑いを浮かべて、他の団員達は、大笑いをして、シオンとカヨも、クスっと、小さく笑った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】悪の尋問令嬢、″捨てられ王子″の妻になる。

Y(ワイ)
ファンタジー
尋問を生業にする侯爵家に婿入りしたのは、恋愛戦略に敗れた腹黒王子。 白い結婚から始まる、腹黒VS腹黒の執着恋愛コメディ(シリアス有り)です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...