会社にいけない

本の虫

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はじまり

唐突な出来事

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「もうすぐ病院に着くから大丈夫だよ」
車の中で何回も繰り返された言葉

私は平凡な社会人のはずだった。
新卒で就職した銀行。
勤続6年目にもなれば、仕事にも慣れて後輩も出来た。
20代 女 平均年収程度の賃金 車有り
実家暮らし 特に変わったことも無い日常を過ごしていた私。ある日までは、、、



社会人5年目の3月
4月からの人事異動の発表の時間が近付くにつれて、何となく支店内の空気もピリピリしたものに変わっていた。

夕方17時きっかりに発表された人事異動
何人もの名前が並ぶ中から必死に自分の名前を探す。

「あ!先輩異動ですよ!」
一つ下の後輩が私よりも先に名前を見つけた。
異動になった支店は自宅からは20キロ程離れた忙しいと評判の場所
「支店遠いなぁ~通うの大変ですね!」
後輩の話を聞きながら、ひそかに私は喜んでいた。

新卒で入社して配属された支店
後輩も増えて、大きな仕事も任されるようになり不満などは無かった。

ただ、新しい仕事がしたかったのだ。
毎日毎日同じ仕事の繰り返しに飽きていた。

誰も私の事を知らない場所に異動して、働いてみたい。
異動の多い銀行員ならば簡単に叶う願いを心の中で育てていた。

異動の準備を済ませて、4月から心機一転頑張ろうと決意を固めた。




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