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第三章
神様が激突する
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パワーアップを果たした俺達はパンテオンの≪神々の遊戯≫試合場へと戻った。
決勝戦に間に合わなかったら承知しない…ポセイドンはそう言っていたが。
「やぁ2人とも。無事に草薙の剣を手に入れたようだね」
「オモイカネ様、試合の状況はいかがですか?」
「今から準決勝が始まる所だよ」
「準決勝はスヴァルガ(インドラ&ハンヌマン)vsアスガルド(オーディン&シグル)か…ゼウスめ、負けてしまうとは情けないドン!」
ふぅ、決勝には間に合ったな。
しかし…
「なんだよ、残りのチームはオッサンと野郎だけじゃねぇか。どうせだったら女の人と戦いたかったぜ」
つーか女戦士ゾネスと魔術師メスーネの試合は見たかった。
「タイチくん、準決勝の勝者があたし達の相手なんだからちゃんと試合を見ないと…」
ブツブツ言いながらも一応試合に目を向ける俺。
おいおい、インドラのオッサンまだ残ってるじゃねぇか。
インドラかオーディンか。
この2択ならオーディンのオッサンの方がまだマシだ。
頑張れオーディンのオッサン!
「それでは準決勝、はじめてくださぁい~!」
サラスの掛け声で試合が開始された。
「ウキッ!」
試合開始と同時に猿王ハンヌマンは驚異的なスピードで動き回り、チームアスガルドを翻弄。
神とはいえ隻眼のオーディンにはこの動きをとらえるのは厳しいようだ。
しかしスピードなら英雄シグルも負けてはいない。
剣を抜くとハンヌマンに向けて疾風の如き剣技を撃つ。
シグルの宝剣『キログラム』は切りつけた物に1kgの重さを付与する魔力を持っている。
斬撃の威力は問わず、一撃につき+1kgだ。
つまりその刃は相手にかするだけで良い。
衣服が、体が、どんどん重くなりハンヌマンのスピードを封じる。
「オーディン様! 今です!」
「うおおおっ!」
動きの鈍ったハンヌマンにオーディンが神槍グングニルで襲い掛かる。
「やらせんっ!」
しかしこれはインドラの放つ雷に防がれた。
「ちっ、インドラめ。小癪な!」
「好機だウキッ!」
ハンヌマンは得意技の一つ、風操術でオーディンとシグルの動きを止める。
「なんだこの風は…動けん…!」
「ウキッ! 今ですインドラ様、我に雷の力を!」
「よし!」
「ウキキー! 奥義『雷鳴咆哮』ッ!」
インドラの雷をその身に浴びると、ハンヌマンは口から轟雷を吐き出した。
狙いはシグルだ。
「させぬわ!」
オーディンが大地を拳で突くと、割れた岩の塊が壁となった。
岩塊と轟雷が宙でぶつかる。
「うおおおおっ!」
2つの魔力の衝突、そのエネルギーにオーディンもシグルも吹き飛ばされた。
「ふふっ、さすがは雷神。凄い威力だわい!」
「お前こそ、我らの合体攻撃を防ぐとは大した魔力だ」
だが…。
「がはっ!」
オーディンは無事だったが、シグルは雷撃の威力に耐えられなかったようだ。
その場に崩れ落ちた。
「シグル、戦闘不能! 勝者チームスヴァルガ!」
サラスが勝利チームを宣言した。
観客席からは割れんばかりの声援が起こる。
「ありゃ。根性がないのう」
「申し訳…ございません、オーディン様…」
「ふっ、まぁそう言うな。なかなか楽しめたぞ」
「ウキキッ! お手合わせありがとうございました!」
…根性がない、じゃねぇよ!
なんだよ今の戦いは!
つーかあの攻撃を受けて何で生きてるんだシグルは!
神様だけじゃない、人間もハンパねぇ…!
神器の剣を借りたからって、こんな連中を相手に戦って無事ですむのか!?
決勝戦に間に合わなかったら承知しない…ポセイドンはそう言っていたが。
「やぁ2人とも。無事に草薙の剣を手に入れたようだね」
「オモイカネ様、試合の状況はいかがですか?」
「今から準決勝が始まる所だよ」
「準決勝はスヴァルガ(インドラ&ハンヌマン)vsアスガルド(オーディン&シグル)か…ゼウスめ、負けてしまうとは情けないドン!」
ふぅ、決勝には間に合ったな。
しかし…
「なんだよ、残りのチームはオッサンと野郎だけじゃねぇか。どうせだったら女の人と戦いたかったぜ」
つーか女戦士ゾネスと魔術師メスーネの試合は見たかった。
「タイチくん、準決勝の勝者があたし達の相手なんだからちゃんと試合を見ないと…」
ブツブツ言いながらも一応試合に目を向ける俺。
おいおい、インドラのオッサンまだ残ってるじゃねぇか。
インドラかオーディンか。
この2択ならオーディンのオッサンの方がまだマシだ。
頑張れオーディンのオッサン!
「それでは準決勝、はじめてくださぁい~!」
サラスの掛け声で試合が開始された。
「ウキッ!」
試合開始と同時に猿王ハンヌマンは驚異的なスピードで動き回り、チームアスガルドを翻弄。
神とはいえ隻眼のオーディンにはこの動きをとらえるのは厳しいようだ。
しかしスピードなら英雄シグルも負けてはいない。
剣を抜くとハンヌマンに向けて疾風の如き剣技を撃つ。
シグルの宝剣『キログラム』は切りつけた物に1kgの重さを付与する魔力を持っている。
斬撃の威力は問わず、一撃につき+1kgだ。
つまりその刃は相手にかするだけで良い。
衣服が、体が、どんどん重くなりハンヌマンのスピードを封じる。
「オーディン様! 今です!」
「うおおおっ!」
動きの鈍ったハンヌマンにオーディンが神槍グングニルで襲い掛かる。
「やらせんっ!」
しかしこれはインドラの放つ雷に防がれた。
「ちっ、インドラめ。小癪な!」
「好機だウキッ!」
ハンヌマンは得意技の一つ、風操術でオーディンとシグルの動きを止める。
「なんだこの風は…動けん…!」
「ウキッ! 今ですインドラ様、我に雷の力を!」
「よし!」
「ウキキー! 奥義『雷鳴咆哮』ッ!」
インドラの雷をその身に浴びると、ハンヌマンは口から轟雷を吐き出した。
狙いはシグルだ。
「させぬわ!」
オーディンが大地を拳で突くと、割れた岩の塊が壁となった。
岩塊と轟雷が宙でぶつかる。
「うおおおおっ!」
2つの魔力の衝突、そのエネルギーにオーディンもシグルも吹き飛ばされた。
「ふふっ、さすがは雷神。凄い威力だわい!」
「お前こそ、我らの合体攻撃を防ぐとは大した魔力だ」
だが…。
「がはっ!」
オーディンは無事だったが、シグルは雷撃の威力に耐えられなかったようだ。
その場に崩れ落ちた。
「シグル、戦闘不能! 勝者チームスヴァルガ!」
サラスが勝利チームを宣言した。
観客席からは割れんばかりの声援が起こる。
「ありゃ。根性がないのう」
「申し訳…ございません、オーディン様…」
「ふっ、まぁそう言うな。なかなか楽しめたぞ」
「ウキキッ! お手合わせありがとうございました!」
…根性がない、じゃねぇよ!
なんだよ今の戦いは!
つーかあの攻撃を受けて何で生きてるんだシグルは!
神様だけじゃない、人間もハンパねぇ…!
神器の剣を借りたからって、こんな連中を相手に戦って無事ですむのか!?
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