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第三章
神様がキレ気味です
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「ウズメ! 一つのパラメータだけでいい、パワーアップを頼む!」
「どこを強化するの?」
「スピードだ! 俺の合図で頼む!」
「オッケー!」
「さて、そろそろ終わらせようか。我が必殺の『インドラドッカンサンダー』でな!」
インドラのオッサンが右手を天にかざすと、空を黒い雲が覆い、雷鳴が轟く。
「ウッキー! インドラ様、決めちゃってください!」
「くらえ! インドラドッカンサンダー!」
天から放たれた巨大な刃のような稲妻が、地へと落ちてくる。
…そんな簡単にッ!
「今だウズメ!」
「えーい! ハッスルダンス・ショートバージョン~っ!」
ウズメがクルっとターンを決めると、力が高まるのを感じる。
よし!
「おらぁ!」
「何っ!?」
俺は間一髪、インドラのオッサンの攻撃をかわした。
落雷の衝撃が闘技場を穿つ。
うへぇ、こりゃ食らったら完全アウトだぞ…。
「へっ、どうしたオッサン?」
「…インドラドッカンサンダーを人間に避けられたのは初めてだな…」
今の技を避けられたのがよほど不満だったのか。
明らかに不機嫌になるインドラのオッサン。
「そんな恥ずかしい名前の技でやられてたまるかよ!」
「一度避けたくらいが何だというのだ! くらえ、インドラドッカンサンダー!」
天空から再び稲妻が落ちる…!
「とうっ!」
俺は大きく後ろに飛んで攻撃を回避した。
よし、威力は凄いしスピードも速いが、落ちてくるのは必ず上からだ。
避ける事に集中すれば何とかなる!
「おのれ! インドラドッカンサンダーを二度も!」
「その技名を聞くのは4回目だけどな…さてはオッサン、その名前気に入ってるな?」
「うるさい! カッコいいだろうが!」
うおおおっ、オッサンがキレたぞ!
雷系攻撃を手当たり次第に放ってくる!
「ウキッ、インドラ様、私も…」
「お前は手を出すな!」
「ウキキッ! は、はい!」
怒りと共に激しさを増すオッサンの攻撃。
しかしその分、かなり単調な技ばかりになってきた。
さっきよりも避けるのは簡単だぜ…!
「げっ、やばいやばい! 効果が切れそう!」
俺はいったん、ウズメの元まで引いた。
「ウズメ、もう一度ハッスルダンスでスピードを強化してくれ!」
「うん…って何か作戦があるんだよね? 避けてばかりじゃ勝てないよ!?」
「ああ、今考えてる!」
「えぇ!? 作戦があるんじゃないの?」
「お前なぁ…フツーの高校生だぞ俺は! 異能バトルマンガの主人公じゃあるまいし、こんな時に神様の裏をかくような作戦を持っているわけないっつーの!」
「いや、まぁ…それはそうかもだけど…」
『なんと…貴様、策はないと申すか…!』
ん?
なんだこの…声?
「どこを強化するの?」
「スピードだ! 俺の合図で頼む!」
「オッケー!」
「さて、そろそろ終わらせようか。我が必殺の『インドラドッカンサンダー』でな!」
インドラのオッサンが右手を天にかざすと、空を黒い雲が覆い、雷鳴が轟く。
「ウッキー! インドラ様、決めちゃってください!」
「くらえ! インドラドッカンサンダー!」
天から放たれた巨大な刃のような稲妻が、地へと落ちてくる。
…そんな簡単にッ!
「今だウズメ!」
「えーい! ハッスルダンス・ショートバージョン~っ!」
ウズメがクルっとターンを決めると、力が高まるのを感じる。
よし!
「おらぁ!」
「何っ!?」
俺は間一髪、インドラのオッサンの攻撃をかわした。
落雷の衝撃が闘技場を穿つ。
うへぇ、こりゃ食らったら完全アウトだぞ…。
「へっ、どうしたオッサン?」
「…インドラドッカンサンダーを人間に避けられたのは初めてだな…」
今の技を避けられたのがよほど不満だったのか。
明らかに不機嫌になるインドラのオッサン。
「そんな恥ずかしい名前の技でやられてたまるかよ!」
「一度避けたくらいが何だというのだ! くらえ、インドラドッカンサンダー!」
天空から再び稲妻が落ちる…!
「とうっ!」
俺は大きく後ろに飛んで攻撃を回避した。
よし、威力は凄いしスピードも速いが、落ちてくるのは必ず上からだ。
避ける事に集中すれば何とかなる!
「おのれ! インドラドッカンサンダーを二度も!」
「その技名を聞くのは4回目だけどな…さてはオッサン、その名前気に入ってるな?」
「うるさい! カッコいいだろうが!」
うおおおっ、オッサンがキレたぞ!
雷系攻撃を手当たり次第に放ってくる!
「ウキッ、インドラ様、私も…」
「お前は手を出すな!」
「ウキキッ! は、はい!」
怒りと共に激しさを増すオッサンの攻撃。
しかしその分、かなり単調な技ばかりになってきた。
さっきよりも避けるのは簡単だぜ…!
「げっ、やばいやばい! 効果が切れそう!」
俺はいったん、ウズメの元まで引いた。
「ウズメ、もう一度ハッスルダンスでスピードを強化してくれ!」
「うん…って何か作戦があるんだよね? 避けてばかりじゃ勝てないよ!?」
「ああ、今考えてる!」
「えぇ!? 作戦があるんじゃないの?」
「お前なぁ…フツーの高校生だぞ俺は! 異能バトルマンガの主人公じゃあるまいし、こんな時に神様の裏をかくような作戦を持っているわけないっつーの!」
「いや、まぁ…それはそうかもだけど…」
『なんと…貴様、策はないと申すか…!』
ん?
なんだこの…声?
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