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第二章 美少女剣士
第5話 パイプオルガンのような音
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「でも、ケンタローさんもあの時、私に声をかけてくれましたよね……やっぱり、その、ありがとうございました」
セナは健太郎にも改めて礼を言い頭をさげた。
「……セナさん……」
その言葉は間違いなく健太郎の行動に向けられたものだったからだろうか。最初に聞いたお礼よりもじんわりと健太郎の心に沁みた。
そうだ、感謝されるというのは嬉しいことなのだ。
「っと、そうだ。アタシ様は今、オマエの願いを探している最中なんだよな」
アアアーシャは困ったように頭を掻きながら健太郎の方を見た。
「……僕なら大丈夫ですよ。セナさんの願いを叶えてあげてください」
「健太郎……」
「別に僕には願いなんてないですし」
「バカヤロウ! 諦めんなよ! 願いは絶対叶うって!」
いや何を言っているんだこの魔人は。熱血教師か。
諦めるとかそういうのじゃなくて、叶うも何も最初に言ったとおり健太郎には願いなど無い。
そんな自分にアアアーシャを付き合わせるより(どちらかと言えば健太郎が『付きまとわれている』のだが)
セナのように深刻な問題に直面している人の願いを叶えた方が良いに決まっている。
「よし! セナ! 願い事を言えよ! この魔剣の魔人アアアーシャ様が叶えてやるぜ!」
「魔人さま……!」
両手を広げるアアアーシャの姿は、ヒトの願い事を聞き届け救済を与える神の如き威厳を感じた。
セナの表情もすっかり降臨した神と対峙する人間のそれである。
もちろんアアアーシャが人間を超越した存在であることは間違いない。
しかし実際は破壊と殺戮系の願いしか叶えられない、神と言うよりは破壊神だ。
「で、でも……ツノオオダコ、魔人さまが言われたようにとても強いんです……怪我をしてしまうかも……それに、その……大したお礼もできないのですが……」
なかなか言い出せなかったのはお礼を用意できないということもあるだろうが
相手が強敵だというのも理由のようだ。
「大丈夫だ! タコになんか負けねーし、お礼もいらねーよ!」
「! ありがとうございます……!」
セナは両手を組むと祈るように願いを告げる。
「魔人さま! どうかセナ達の村をお救いください!」
「よし! 任せろ!」
どこからともなくパイプオルガンのような音が鳴り響いた。
これが『魔剣へ願い事をした』という証のようなものなのかもしれない。
「わぁ……! ありがとうございます!!」
全身で嬉しさを表し喜ぶセナ。
先ほどまでは笑っている時もどこか張り詰めた表情をしていたが今の笑顔は年相応の少女のものだった。
セナは健太郎にも改めて礼を言い頭をさげた。
「……セナさん……」
その言葉は間違いなく健太郎の行動に向けられたものだったからだろうか。最初に聞いたお礼よりもじんわりと健太郎の心に沁みた。
そうだ、感謝されるというのは嬉しいことなのだ。
「っと、そうだ。アタシ様は今、オマエの願いを探している最中なんだよな」
アアアーシャは困ったように頭を掻きながら健太郎の方を見た。
「……僕なら大丈夫ですよ。セナさんの願いを叶えてあげてください」
「健太郎……」
「別に僕には願いなんてないですし」
「バカヤロウ! 諦めんなよ! 願いは絶対叶うって!」
いや何を言っているんだこの魔人は。熱血教師か。
諦めるとかそういうのじゃなくて、叶うも何も最初に言ったとおり健太郎には願いなど無い。
そんな自分にアアアーシャを付き合わせるより(どちらかと言えば健太郎が『付きまとわれている』のだが)
セナのように深刻な問題に直面している人の願いを叶えた方が良いに決まっている。
「よし! セナ! 願い事を言えよ! この魔剣の魔人アアアーシャ様が叶えてやるぜ!」
「魔人さま……!」
両手を広げるアアアーシャの姿は、ヒトの願い事を聞き届け救済を与える神の如き威厳を感じた。
セナの表情もすっかり降臨した神と対峙する人間のそれである。
もちろんアアアーシャが人間を超越した存在であることは間違いない。
しかし実際は破壊と殺戮系の願いしか叶えられない、神と言うよりは破壊神だ。
「で、でも……ツノオオダコ、魔人さまが言われたようにとても強いんです……怪我をしてしまうかも……それに、その……大したお礼もできないのですが……」
なかなか言い出せなかったのはお礼を用意できないということもあるだろうが
相手が強敵だというのも理由のようだ。
「大丈夫だ! タコになんか負けねーし、お礼もいらねーよ!」
「! ありがとうございます……!」
セナは両手を組むと祈るように願いを告げる。
「魔人さま! どうかセナ達の村をお救いください!」
「よし! 任せろ!」
どこからともなくパイプオルガンのような音が鳴り響いた。
これが『魔剣へ願い事をした』という証のようなものなのかもしれない。
「わぁ……! ありがとうございます!!」
全身で嬉しさを表し喜ぶセナ。
先ほどまでは笑っている時もどこか張り詰めた表情をしていたが今の笑顔は年相応の少女のものだった。
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