美人でヤンキーな魔剣の魔人が願わない社畜の願いを叶える物語

浅田椎名

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第五章 魔剣と魔人

第9話 世界征服!?

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「ちっ、やべぇぞこれ! 健太郎、手を出せ!」

 アアアーシャも魔剣の姿に戻り健太郎の手に飛び込む。

「あの魔剣、まだ魔力が上がるのかよ!」

 魔剣『エーツファレオ』が放つ魔力が爆発的に膨れ上がる。
その力に惹かれるように次々と魔獣が呼び出された。

 地にはツノネズミ。空にはツノワシ。多様な種族、多様なサイズの魔獣が次々と現れる。
サルだけでも小型魔獣のツノザル、中型魔獣ツノツノザル、さらには大型魔獣ツノオオザルまでいる。

「はははっ! どうだ魔剣『エーツファレオ』の力は!」

 魔剣に惹かれた魔獣たちの中心でボスが笑っていた。

「しかし驚いたぞルルルシア! こんなに、こんなに魔獣が呼べるなんてなぁ!」
「あなたの望む力が強いからよゼシィ。やはりあなたはすごい人、私の運命の人だわ!」

 魔獣はまだまだ集まってくる。
そのうちこの広場を埋め尽くすのではないか。

「オマエ、俺の世界を作りたいって言ったよな? つまりオマエは世界征服が望みなのか!?」
「……アアアーシャさんの得意分野じゃないですか……」
「ああ……って別に得意じゃねぇよ? 征服したことねぇし! できるけど!」

 なんということだ。
アアアーシャが冗談で勧めてきた(確認すると怖いから冗談ということにしておこう)世界征服を本当に狙っている人間と出会ってしまうとは。

「世界征服か。間違っていないが言葉の響きが好きじゃないな」
「へっ、じゃあアタシ様はそれを止めねぇとな!」
「なんでだ?」
「アタシ様のマホルの願いも世界征服だからだよ!」

 はぁぁ!? そんなの願ってないし!
どういう事かと抗議しようとする健太郎にアアアーシャは「集中しろ!」とか言ってくる。誰のせいなのか。

「ちょ、ボス? これ大丈夫なんすか!」

 集まってくる魔獣に盗賊たちも怯えはじめた。
この数の魔獣に囲まれれば恐怖でしかない。

「お前達はどこかに隠れてな。あとは俺がやる」
「へ、へぇい!」
「了解っすボス!」

 ボスに言われて盗賊達は慌ただしく動き出した。
黄色い屋根の建物に入るつもりだ。
この村で一番頑丈で安全な場所であることを知っている。

「おっとお前ら! ちゃんと村の人たちも連れていけ! 俺の国の民なんだか……」
「今だ!」

 場が混乱している隙をついて、ジンメイと数人の仲間は近くにいた盗賊から武器を奪った。

「げっ! お前ら!」
「やっと隙を見せたな!」

 ジンメイ達は戦えない村人を守るように前に立ち、それぞれが武器を構える。
盗賊はどうしていいか分からなくなってしまい立ちつくしている。
早くこの場から離れたいが、村人をこのままにしておくわけにもいかない。

「おっ! やるじゃねぇかジンメイ!」
「……アアアーシャさん、チャンスですよ……!」

 小さく呟く健太郎。
これでボスにも隙ができれば……。

「くそっ、俺達どうしたらいいんだ!」
「お前ら何をやってる! 本当、お前らは俺がいないとダメだな!」
「ぼ、ボスぅ~!」

 ボスの意識が村人の方に向いた。

「ここだっ!」
 
 健太郎は突然走り出した。
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