青は藍より出でて藍より青し

フジキフジコ

文字の大きさ
61 / 99
三代目の結婚

4.情事

綾瀬が部屋に来たのはそれからわずか三十分後くらいだった。
「随分短い見合いだな。こんな時間で相手のなにがわかったんだ」
ドアを開けた高谷がそう言うと、綾瀬はロビーで別れた時と同じ表情で立っている。
自分の手でドアを閉め、高谷の脇を通りすがりに不意に足を止めた。
振り返り、高谷を壁に押しつける。

「綾瀬…」
綾瀬は高谷を脅すように睨みつけながら高谷のネクタイをほどき、自分のネクタイも首から抜き取った。
それから高谷の上着に手をかけ肩から落とし、シャツのボタンを外す。
あまりに突然の行動に高谷はなす術もなく綾瀬の好きにさせている。

綾瀬の指が高谷の首に触れ、そのまま後ろに移動して後髪を握る。
身体を密着させながら、噛みつくようなキスをしてくる。
驚きながら、高谷は拒もうとはしない。
綾瀬の舌を受けいれ、絡めとるうちに身体に火がついていった。

「…あ、やせ」
抱きしめようとした高谷の腕を乱暴に払って、綾瀬は高谷のシャツを広げ、立ったまま高谷の胸に口づけていく。
跡を残すように、痛いキスが身体を滑り落ちる。
膝を折って、ズボンのフロントを緩め引きずり出したものを躊躇う素振もなく口に含んだ。

「うっ…」
瞬く間に高谷のそれは綾瀬の口の中で存在感を増す。
咥えきれなくなると綾瀬は口から出して、先端を甘噛みした。
「……っ…ちょっと…待てって」
高谷はやっとの思いで綾瀬を引き剥がし、そのまま綾瀬の身体をその場に組み敷いた。

強引にしかけてきたくせに、綾瀬の目の中にはまだ怒りの色がある。
その原因が原因だけに、高谷はかえって楽しい気持ちになった。
「ベッド行くか?」
押さえつけて、顔を至近距離に近づけて訊く。
綾瀬は返事の代わりに高谷の首に腕を回し、引き寄せて再び口づけた。
口づけながら片手は高谷の下腹部に伸ばし、いきり立ったそれを扱く。
「ちくしょう、もたねえ…」
呟いて、高谷は慌しく自分と綾瀬のズボンを下げ、綾瀬の両脚の膝の裏に手をかけ屈伸させながら開いて自身を進めた。
まだ濡れてもいない綾瀬のそこは抵抗するように高谷を容易には受けいれない。
それでも高谷は強引に身体を繋ぐ。
そうすることを、今、綾瀬が望んでいることがわかっているから。

「……つっ…」
根本まで押し込むと、きつい締めつけに高谷の口からは喘ぎが漏れる。
痛みに眉を寄せる綾瀬は、瞳を開いてそんな高谷をどこか勝ち誇ったように見ている。
この快楽を手放せないだろう、まるでそう言っているような目で。
「お互いさまだろ…」
高谷は綾瀬を追いたてるように腰を使った。

ベッドの上で二度目の欲望を満たしたときには、二人の間の些細な揉め事は解決していた。
誤解を解くのに言葉は必要なかった。






感想 8

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

元カレに追い出された専門学生がネカフェでP活相手のパパちんぽに理解らせられてトロトロのメロメロになっちゃう話

ルシーアンナ
BL
既婚子持ちバイ×専門学生 Pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27436158 ムーンライトノベルズ https://novel18.syosetu.com/n1512ls/ fujossy https://fujossy.jp/books/31185