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【第一部】戦士誕生
3.悪の組織
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「君は知らないと思うけど、今この日本には世界征服を企む組織が実際に存在するんだ。地球防衛軍は、そいつらから、日本の、いや、世界の平和を守る秘密組織ってわけ」
細い身体や、優しい口調に似合わない案外男らしいきりっとした太い眉毛を持つ野々村剣に至極真面目な表情でそう言われて、千里は笑うことも出来ず、唸るしかなかった。
特撮ヒーローものではそんな話はお約束の設定だが、現実にあると言われて「へえ、そうなんですか!」と簡単に納得できるはずがない。
もしかして、特撮オタクの集団にからかわれているのだろうか。
そう考えた方がまだリアリティがある。
だとしたら、こんな山奥にバカでかいセットを組むくらいだ、かなりイッちゃってる連中に違いない。
ここはしばらく調子を合わせてヒーローごっこを続け、隙を見て逃げるのが得策かもしれない。
「君さあ、疑ってるでしょう?オレたちのこと。どうせ特撮オタクの集まりだとか思ってんじゃない?」
見透かされたように指摘されて、千里はブンブンと首を振った。
「いいんだよ、みんな最初はそうだから。ほんとに地球防衛軍が存在するなんて知ったら、世の中の人パニくっちゃうよ」
しかし、それほど秘密にしなければならない組織の隊員募集の広告がアルバイトニュースに載っていたのはなぜだ。
どう見ても悪人には見えないが、それでも剣の言うことは簡単に信用できる類いのものじゃなかった。
もしかりに、世界征服を企らむ組織が本当に存在しているとしても、そもそもなぜ民間人が、そんな得体の知れない恐ろしい敵と戦わねばならないのだ。
そこだけはどうしても気になったので、思いきって聞いてみた。
「どうして警察とか自衛隊が戦わないんですか」
「あのさ、わかんないかなあ。悪の組織つっても、敵が怪獣の格好してるとか、わかりやすく『オレたちはワルモンだあ!』って暴れてくれるわけじゃないんだよ?そんなさあ、テレビの戦隊ものドラマじゃないんだから」
バカにされたように言われて千里はムッとした。
「巧妙な手を使って来るわけ。巧妙で、卑怯なヤツらなワケよ。自衛隊や警察機関っていうのはさ、いくら数がいて武器も揃っているって言っても、基本的に法律に基づいてしか取り締まり出来ないじゃん?そこで、政府に属さない影の組織、防衛軍が必要なんだよ。言ってみれば仕置人みたいなもんかな。うん。オレたちはやつらの悪の企みを阻むためにはなんでも出来る、真の、正義の味方なんだ!」
話しているうちに興奮してきたのか、鼻の穴を膨らませて拳を握りながら剣は言った。
まだ半身半疑ではあったが、千里は野々村剣という青年には好感や親近感を感じた。
「まだ信じられない?」
剣にそう聞かれ、千里は首を振った。
「わからないけど、でも、剣くんはいい人みたいだなって思う」
剣は照れたように頭をかいて「でもこれは全部、涼の受け売りだよ」と言って笑った。
細い身体や、優しい口調に似合わない案外男らしいきりっとした太い眉毛を持つ野々村剣に至極真面目な表情でそう言われて、千里は笑うことも出来ず、唸るしかなかった。
特撮ヒーローものではそんな話はお約束の設定だが、現実にあると言われて「へえ、そうなんですか!」と簡単に納得できるはずがない。
もしかして、特撮オタクの集団にからかわれているのだろうか。
そう考えた方がまだリアリティがある。
だとしたら、こんな山奥にバカでかいセットを組むくらいだ、かなりイッちゃってる連中に違いない。
ここはしばらく調子を合わせてヒーローごっこを続け、隙を見て逃げるのが得策かもしれない。
「君さあ、疑ってるでしょう?オレたちのこと。どうせ特撮オタクの集まりだとか思ってんじゃない?」
見透かされたように指摘されて、千里はブンブンと首を振った。
「いいんだよ、みんな最初はそうだから。ほんとに地球防衛軍が存在するなんて知ったら、世の中の人パニくっちゃうよ」
しかし、それほど秘密にしなければならない組織の隊員募集の広告がアルバイトニュースに載っていたのはなぜだ。
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もしかりに、世界征服を企らむ組織が本当に存在しているとしても、そもそもなぜ民間人が、そんな得体の知れない恐ろしい敵と戦わねばならないのだ。
そこだけはどうしても気になったので、思いきって聞いてみた。
「どうして警察とか自衛隊が戦わないんですか」
「あのさ、わかんないかなあ。悪の組織つっても、敵が怪獣の格好してるとか、わかりやすく『オレたちはワルモンだあ!』って暴れてくれるわけじゃないんだよ?そんなさあ、テレビの戦隊ものドラマじゃないんだから」
バカにされたように言われて千里はムッとした。
「巧妙な手を使って来るわけ。巧妙で、卑怯なヤツらなワケよ。自衛隊や警察機関っていうのはさ、いくら数がいて武器も揃っているって言っても、基本的に法律に基づいてしか取り締まり出来ないじゃん?そこで、政府に属さない影の組織、防衛軍が必要なんだよ。言ってみれば仕置人みたいなもんかな。うん。オレたちはやつらの悪の企みを阻むためにはなんでも出来る、真の、正義の味方なんだ!」
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「まだ信じられない?」
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