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【第二部】戦士覚醒
10.交信
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涼は重い身体を引きずるように新宿に向かっていた。
ベッドの中で北城に身を任せながら、気づかれないように北城をリーディングした。
裸にされたとき、手首のブレスレットまで外してくれたのが幸いだった。
それでも相手は同じ能力者、距離があれば難しかったと思う。
身体を密着したために、接触感応することが出来た。
そして信じられない計画を知った。
東京を大地震で壊滅させる。
いったい組織にはどれだけの能力者がいるのだろう。
涼の認識では、力で地下深いマグマを誘発することなど想像も出来ない。
しかし組織は今まさにそれをやろうとしているのだ。
「蓮……」
当然、計画には蓮が係わっているはずだ。
そんな無差別殺人を蓮にさせるわけにはいかない。
止めなければならない。
右手でリミッターのない左手首を押さえて、涼は蓮と戦う決意を固めていた。
***
一方、終夜も新宿にいた。
すでに涼の思念を捕らえて、涼の呼ぶ方向に向かっている。
「どこにいるんだよ…涼!」
確かに近付いているはずだが、そこは東京の中心であまりに人間が多過ぎる。
スクランブル交差点に立つ終夜は、行き交う無数の人間の中にたった一人の思念を探すために、必死で神経を集中した。
「…涼!」
一億の人間がいても、たった一人の人間を探し出してみせる。
その存在が、一億人と引換えにしてもいいと思えるほど自分にとって価値があるから。
人が聞いたら大したエゴだと怒るか笑うかするだろう。
それでも構わない。
もし。
涼が蓮と同じ道を選んだら、自分は命をかけて涼と戦うだろうか。
自分なら、涼と同じ道を選ぶ。
正しいとか、間違ってるとか、そんなこと関係ない。
涼を失ってまで、守りたいものなんかない。
そんな男が正義を名乗るのは間違っているだろう。
けれど終夜にとっては涼だけが、涼を想う心だけが自分の良心であり、正義だった。
そのとき、交差点を囲む3つのビルの壁に埋め込まれた大型液晶画面が一斉に同じ映像を写した。
記者会見のようだ。
しかし芸能人の婚約会見のような浮ついた雰囲気ではない。
画面には、先日、アミューズメントパークを先導して破壊したとして緊急指名手配の出ていた少女が、写っている。
アップで写ると、まるで人形のような美しい顔立ちの少女だった。
少女は自分の名を、叶未来と名乗ったあとで唐突に言った。
『あと1時間で東京に大地震が来ます』
交差点を歩いていた人たちがざわめく。
まさか、こんな戯言を信じる人間はいない。
終夜がそう思って唇を歪めたとき、回りの人間はパニック状態に陥っていた。
「嘘だろ?!なんで、んなこと、信じるんだよっ!」
遠くからサイレンの音が近付いている。
人々は悲鳴を上げながら、八方に逃げ惑う。
終夜はもみくちゃに身体を押され、その場に踏み留まることで精一杯だ。
「涼!ヤバイぜ。応えてくれ!どこにいるんだ!」
不意に終夜の脳裏に地球の軌道を回る衛星から眺めた映像のように青い空と流れる雲が浮んだ。
映像は一点を目掛けて真っ直ぐに、まるで宇宙から急降下するように変化する。
あまりのスピード感に立っていることすら出来ず、終夜はこめかみを押さえてその場に片膝をついて蹲った。
落下していた映像の焦点がビルの屋上で止まる。
それは2つの塔が空に突き出た特徴のある高いビルだった。
「……都庁か」
終夜は逃げ惑う人波をかきわけて走り出した。
ベッドの中で北城に身を任せながら、気づかれないように北城をリーディングした。
裸にされたとき、手首のブレスレットまで外してくれたのが幸いだった。
それでも相手は同じ能力者、距離があれば難しかったと思う。
身体を密着したために、接触感応することが出来た。
そして信じられない計画を知った。
東京を大地震で壊滅させる。
いったい組織にはどれだけの能力者がいるのだろう。
涼の認識では、力で地下深いマグマを誘発することなど想像も出来ない。
しかし組織は今まさにそれをやろうとしているのだ。
「蓮……」
当然、計画には蓮が係わっているはずだ。
そんな無差別殺人を蓮にさせるわけにはいかない。
止めなければならない。
右手でリミッターのない左手首を押さえて、涼は蓮と戦う決意を固めていた。
***
一方、終夜も新宿にいた。
すでに涼の思念を捕らえて、涼の呼ぶ方向に向かっている。
「どこにいるんだよ…涼!」
確かに近付いているはずだが、そこは東京の中心であまりに人間が多過ぎる。
スクランブル交差点に立つ終夜は、行き交う無数の人間の中にたった一人の思念を探すために、必死で神経を集中した。
「…涼!」
一億の人間がいても、たった一人の人間を探し出してみせる。
その存在が、一億人と引換えにしてもいいと思えるほど自分にとって価値があるから。
人が聞いたら大したエゴだと怒るか笑うかするだろう。
それでも構わない。
もし。
涼が蓮と同じ道を選んだら、自分は命をかけて涼と戦うだろうか。
自分なら、涼と同じ道を選ぶ。
正しいとか、間違ってるとか、そんなこと関係ない。
涼を失ってまで、守りたいものなんかない。
そんな男が正義を名乗るのは間違っているだろう。
けれど終夜にとっては涼だけが、涼を想う心だけが自分の良心であり、正義だった。
そのとき、交差点を囲む3つのビルの壁に埋め込まれた大型液晶画面が一斉に同じ映像を写した。
記者会見のようだ。
しかし芸能人の婚約会見のような浮ついた雰囲気ではない。
画面には、先日、アミューズメントパークを先導して破壊したとして緊急指名手配の出ていた少女が、写っている。
アップで写ると、まるで人形のような美しい顔立ちの少女だった。
少女は自分の名を、叶未来と名乗ったあとで唐突に言った。
『あと1時間で東京に大地震が来ます』
交差点を歩いていた人たちがざわめく。
まさか、こんな戯言を信じる人間はいない。
終夜がそう思って唇を歪めたとき、回りの人間はパニック状態に陥っていた。
「嘘だろ?!なんで、んなこと、信じるんだよっ!」
遠くからサイレンの音が近付いている。
人々は悲鳴を上げながら、八方に逃げ惑う。
終夜はもみくちゃに身体を押され、その場に踏み留まることで精一杯だ。
「涼!ヤバイぜ。応えてくれ!どこにいるんだ!」
不意に終夜の脳裏に地球の軌道を回る衛星から眺めた映像のように青い空と流れる雲が浮んだ。
映像は一点を目掛けて真っ直ぐに、まるで宇宙から急降下するように変化する。
あまりのスピード感に立っていることすら出来ず、終夜はこめかみを押さえてその場に片膝をついて蹲った。
落下していた映像の焦点がビルの屋上で止まる。
それは2つの塔が空に突き出た特徴のある高いビルだった。
「……都庁か」
終夜は逃げ惑う人波をかきわけて走り出した。
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