36 / 81
36散らして絡まる① ※
しおりを挟む
それから幾度となくルイはレオポルドに唇を奪われた。軽いものだと楽観視していた行為は、しだいに長く深いものとなっていく。王子はがむしゃらにルイの口を暴き、口内を犯す。
「ルイ、これでいいか」
「ん……たぶん」
ルイの上で馬乗りになっているレオポルドは、細かく具合を確かめてくる。力がうまく是正されているのか、ルイを囲う剛腕には隙間が作られる。キスをされて気持ちが精いっぱいのルイに比べ、王子の方がよほど気遣いが行き届いていた。
「舌を入れてもいいか」
「まっ、まって……。ちょっとだけ」
手で距離を稼ごうとしても無駄なことはわかっている。わかっていてもルイは手をレオポルドの肩にかけて、ぐいと力を込めた。抵抗は虚しく、やはり相手はビクともしなかった。
中肉中背のルイでも押し返すことが敵わない。改めて、なんて肉体をしているんだろうと身ぶるいがした。筋骨隆々の腹部から、盛り上がった胸筋にかけての男らしい体躯。その威圧感は際立っている。
首筋、耳の先、髪にいたるまでを王子は唇に押し当てて、その勢いのままに迫ってくる。先ほどの口づけが嘘のように、激しい。首とあごの中間をやさしく掴まれて、ルイは身動きできないままに愛撫を受けた。
「ふっ……、んんっ」
口のなかに流れてくる唾液の量に、ルイは背筋にぞくりと寒気が走った。一滴漏らさず、レオポルドは巧みに相手との交合を繰り返してくる。
(なんでこんなに上手いんだ)
初めての人間の仕込みとは思えない。彼が儀礼に向けて、入念に準備をしていたということだろうか。この日のために技能を磨くなんて馬鹿げている。しかし、レオポルドならばそれもやりかねないという、謎の説得力があるのも確かだった。
「まっ……てよ。激しっ……」
「恥なんて、捨てちまえよ」
肩を叩いても止めてくれる気配はない。見上げた先には獣のようなレオポルドの双眼、見るだけで足がすくんでしまう。頭のなかが水のように溶けていき、ぐらぐらと視界が揺らぐ。
「これも、いらないよな」
レオポルドはルイの下着のなかに手をいれて、するりとはぎ取ってしまう。ルイは肌を隠すものがないことを知っても、焦りも困惑も相手に示すことはできなかった。
なおも舌と舌を交じり合わせてくるから、王子に訴えかける術はない。
まどろっこしさに身体がむずむずする。ルイは口元が緩み切って、疼いた身体も急速に王子に開かれていった。
「ふ……んぅう!!」
不意に身体を撫でられて、ルイは驚き飛び跳ねた。上半身をくまなく触られるのが、これほど不愉快なこととは知らなかった。屈辱と、ほのかに身体が熱くなっていく感覚。きっと相手がレオポルドでなかったなら、舌を噛みちぎって腕の関節をひねっているところだった。できるかできないかはさておき、同性に愛撫されている現実から逃げたくなっていただろう。
「足を広げてもいいか?」
「まって……やだ。ほんとに、やすませて……」
久しぶりに口が自由になって、外の空気を十分に味わった。ぜいぜいとルイが息をつく横目には、レオポルドが獲物を狙うような目をしていた。
「こわいから。まってよ……、レオポルド様」
「ルイの裸体を見て、俺が待てるわけがないだろう」
ぐっと顔を寄せられて、キスを交わす。水の渇きを訴えるように、レオポルドはルイの唾液に執着した。
「ルイ、これでいいか」
「ん……たぶん」
ルイの上で馬乗りになっているレオポルドは、細かく具合を確かめてくる。力がうまく是正されているのか、ルイを囲う剛腕には隙間が作られる。キスをされて気持ちが精いっぱいのルイに比べ、王子の方がよほど気遣いが行き届いていた。
「舌を入れてもいいか」
「まっ、まって……。ちょっとだけ」
手で距離を稼ごうとしても無駄なことはわかっている。わかっていてもルイは手をレオポルドの肩にかけて、ぐいと力を込めた。抵抗は虚しく、やはり相手はビクともしなかった。
中肉中背のルイでも押し返すことが敵わない。改めて、なんて肉体をしているんだろうと身ぶるいがした。筋骨隆々の腹部から、盛り上がった胸筋にかけての男らしい体躯。その威圧感は際立っている。
首筋、耳の先、髪にいたるまでを王子は唇に押し当てて、その勢いのままに迫ってくる。先ほどの口づけが嘘のように、激しい。首とあごの中間をやさしく掴まれて、ルイは身動きできないままに愛撫を受けた。
「ふっ……、んんっ」
口のなかに流れてくる唾液の量に、ルイは背筋にぞくりと寒気が走った。一滴漏らさず、レオポルドは巧みに相手との交合を繰り返してくる。
(なんでこんなに上手いんだ)
初めての人間の仕込みとは思えない。彼が儀礼に向けて、入念に準備をしていたということだろうか。この日のために技能を磨くなんて馬鹿げている。しかし、レオポルドならばそれもやりかねないという、謎の説得力があるのも確かだった。
「まっ……てよ。激しっ……」
「恥なんて、捨てちまえよ」
肩を叩いても止めてくれる気配はない。見上げた先には獣のようなレオポルドの双眼、見るだけで足がすくんでしまう。頭のなかが水のように溶けていき、ぐらぐらと視界が揺らぐ。
「これも、いらないよな」
レオポルドはルイの下着のなかに手をいれて、するりとはぎ取ってしまう。ルイは肌を隠すものがないことを知っても、焦りも困惑も相手に示すことはできなかった。
なおも舌と舌を交じり合わせてくるから、王子に訴えかける術はない。
まどろっこしさに身体がむずむずする。ルイは口元が緩み切って、疼いた身体も急速に王子に開かれていった。
「ふ……んぅう!!」
不意に身体を撫でられて、ルイは驚き飛び跳ねた。上半身をくまなく触られるのが、これほど不愉快なこととは知らなかった。屈辱と、ほのかに身体が熱くなっていく感覚。きっと相手がレオポルドでなかったなら、舌を噛みちぎって腕の関節をひねっているところだった。できるかできないかはさておき、同性に愛撫されている現実から逃げたくなっていただろう。
「足を広げてもいいか?」
「まって……やだ。ほんとに、やすませて……」
久しぶりに口が自由になって、外の空気を十分に味わった。ぜいぜいとルイが息をつく横目には、レオポルドが獲物を狙うような目をしていた。
「こわいから。まってよ……、レオポルド様」
「ルイの裸体を見て、俺が待てるわけがないだろう」
ぐっと顔を寄せられて、キスを交わす。水の渇きを訴えるように、レオポルドはルイの唾液に執着した。
289
あなたにおすすめの小説
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
【完結】おじさんはΩである
藤吉とわ
BL
隠れ執着嫉妬激強年下α×αと誤診を受けていたおじさんΩ
門村雄大(かどむらゆうだい)34歳。とある朝母親から「小学生の頃バース検査をした病院があんたと連絡を取りたがっている」という電話を貰う。
何の用件か分からぬまま、折り返しの連絡をしてみると「至急お知らせしたいことがある。自宅に伺いたい」と言われ、招いたところ三人の男がやってきて部屋の中で突然土下座をされた。よくよく話を聞けば23年前のバース検査で告知ミスをしていたと告げられる。
今更Ωと言われても――と戸惑うものの、αだと思い込んでいた期間も自分のバース性にしっくり来ていなかった雄大は悩みながらも正しいバース性を受け入れていく。
治療のため、まずはΩ性の発情期であるヒートを起こさなければならず、謝罪に来た三人の男の内の一人・研修医でαの戸賀井 圭(とがいけい)と同居を開始することにーー。
何も知らない人間兄は、竜弟の執愛に気付かない
てんつぶ
BL
連峰の最も高い山の上、竜人ばかりの住む村。
その村の長である家で長男として育てられたノアだったが、肌の色や顔立ちも、体つきまで周囲とはまるで違い、華奢で儚げだ。自分はひょっとして拾われた子なのではないかと悩んでいたが、それを口に出すことすら躊躇っていた。
弟のコネハはノアを村の長にするべく奮闘しているが、ノアは竜体にもなれないし、人を癒す力しかもっていない。ひ弱な自分はその器ではないというのに、日々プレッシャーだけが重くのしかかる。
むしろ身体も大きく力も強く、雄々しく美しい弟ならば何の問題もなく長になれる。長男である自分さえいなければ……そんな感情が膨らみながらも、村から出たことのないノアは今日も一人山の麓を眺めていた。
だがある日、両親の会話を聞き、ノアは竜人ですらなく人間だった事を知ってしまう。人間の自分が長になれる訳もなく、またなって良いはずもない。周囲の竜人に人間だとバレてしまっては、家族の立場が悪くなる――そう自分に言い訳をして、ノアは村をこっそり飛び出して、人間の国へと旅立った。探さないでください、そう書置きをした、はずなのに。
人間嫌いの弟が、まさか自分を追って人間の国へ来てしまい――
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
愛され少年と嫌われ少年
透
BL
美しい容姿と高い魔力を持ち、誰からも愛される公爵令息のアシェル。アシェルは王子の不興を買ったことで、「顔を焼く」という重い刑罰を受けることになってしまった。
顔を焼かれる苦痛と恐怖に絶叫した次の瞬間、アシェルはまったく別の場所で別人になっていた。それは同じクラスの少年、顔に大きな痣がある、醜い嫌われ者のノクスだった。
元に戻る方法はわからない。戻れたとしても焼かれた顔は醜い。さらにアシェルはノクスになったことで、自分が顔しか愛されていなかった現実を知ってしまう…。
【嫌われ少年の幼馴染(騎士団所属)×愛され少年】
※本作はムーンライトノベルズでも公開しています。
【完結】「奥さまは旦那さまに恋をしました」〜紫瞠柳(♂)。学生と奥さまやってます
天白
BL
誰もが想像できるような典型的な日本庭園。
広大なそれを見渡せるどこか古めかしいお座敷内で、僕は誰もが想像できないような命令を、ある日突然下された。
「は?」
「嫁に行って来い」
そうして嫁いだ先は高級マンションの最上階だった。
現役高校生の僕と旦那さまとの、ちょっぴり不思議で、ちょっぴり甘く、時々はちゃめちゃな新婚生活が今始まる!
……って、言ったら大袈裟かな?
※他サイト(フジョッシーさん、ムーンライトノベルズさん他)にて公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる