大東亜戦争小噺

kyuta231

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南雲さん06

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エンタープライズ艦橋内 ハルゼーは索敵機からの日本軍発見の報告を今か今かと
待っていた。
 「提督 ホノルルからの報告では日本軍は攻撃隊の機数から空母は少なくとも
  6隻で北西方向にいるものとのことです」
 「1:6か・・・ 詰んでるな」
 「「「・・・・」」」
参謀の一人が気を取り直して
 「日本軍はパールハーバーの攻撃に集中しているはずです 我々の接近に
  気づいていなければチャンスはあります」
 「そうです レディ レックスも恐らくパールハーバーに急行しているはずです」
 「レックスが我々と同程度の距離にいるならいくらか気休めになるが レックスは
  我々より先に出航したからUターンしてきたとしても我々の2倍強の距離にいる
  はずだ・・・ いざとなったらウェークかミッドウェーに駆け込むか」
 「「提督・・・」」
 「右後方よりスプルーアンス提督の重巡艦隊が接近してきます」
 「レイか ご苦労なこった」
ハルゼーは無線を開いた
 「レイ 遅いぞ ホノルルでのサパータイムに間に合わないぞ」
 「ははは 遅くなって済まん ビル 微力ながらフォローアップにきた」
スプルーアンスは4隻の新造重巡を引き連れてきていた。
 「レイ 宜しく頼む」
 「任せてくれ ビル」
この会話が二人にとって最期の会話になるとは神のみぞ知る。
 「索敵機を8機北西に飛ばせ」
 「アイサー」
そのころ人殺し多聞はウキウキとしてオアフ島を時計回りに迂回していた。 

 「千早を呼べ」
 「はっ」
タタタッ 軽快音をたてて千早大尉が艦橋内に入ってきた」
 「千早大尉入ります」
 「来たか 千早」
 「休む暇がなくてすまんが ちと 頼まれてくれ」
 「いいえ 自分はまだ戦えます」
 「うん 頼もしいな そこでだ お前にダイヤモンドヘッド山頂にあるはずの
  電探を破壊して貰いたい」
 「電探ですか・・・・」
 「魚焼きの網の様な四角いものだ見ればすくわかる それを破壊してくれ」
 「わかりました 千早大尉 電探攻撃に向かいます」
 「うむ 頼んだぞ」
挙手の敬礼をして千早大尉は駆け足で去っていった。
 「艦船に搭載された電探のほうはどうします」
 「我々の攻撃で半分は使い物にならないだろうし索敵範囲も狭いだろうと思う
  厄介なのは山にある電探だ あれさえ潰せば米国側は目くらになるはず
  この艦隊の初期位置はすでにわかっているだろがな 後の位置はわからな
  くなる 迫りくる敵空母の裏をかく」
源田はなるほどと頷いた。
千早隊が発艦していった。

ダイヤモンドヘッド上空
 「ん あれか 南雲司令が言ったとうり網みたいなものがみえる」
千早大尉はバンクを振る 4機が一本の紐のように連なって電探目掛けて急行下
していく。 周りからの対空砲火がアイスキャンディーを飛ばしてくる。
数発被弾したが無視して突っ込む・・・・
電探のが網キャノピー一杯に展開した。
 「て~っ」
25番が九九棺桶から放たれた。4発の25番は狙い違わず電探に吸い込まれていった。
爆発の後そこには瓦礫しかなかった。
4機の艦爆は山稜を利用しつつ対空砲火を回避帰投した。
 「千早大尉から報告 われ電探を破壊す」
 「でかした 千早」
 「淵田隊長から報告 港湾施設7割がた破壊 燃料庫破壊 我帰投する」
 「淵田もやったか うんうん」
源田はわがことのように喜んでいた。
 「攻撃隊を収容しだい 艦隊は北東に移動する 敵空母のケツを狙うぞ」
そういい放った南雲に艦橋内の全員が大きく頷いた。

 「ジャップの艦隊はまだ発見できないのか」
ニュートン提督は索敵の成果がゼロなのを怒りをあらわにしていた。
 「ホノルルからの連絡が途絶えて その後の日本艦隊の位置が不明です」
 「地上レーダーがやられたのか・・・」
 「そのようです」
 「地上レーダーからの情報をもとに索敵ができなくなったのか」
 「まずいな・・・」
 「提督」
 「ホノルルの報告では敵は北西の位置だとありました」
 「確かにな しかし北西に飛ばしても見つからなかった」
 「敵は オアフ島北にいるのかもしれない」
 「索敵機を南120度の範囲で2段14機をだせ」
 「アイサー」
 「なんとしてもパールハーバーの仇を討ってやる」
ニュートン提督は拳に力を込めた。
 
 「提督 索敵機より敵艦隊発見の報告がありました」
 「来たか どこだ」 
 「北緯21度43分23秒 西経158度45分28秒とのことです」
 「ここから205kmの位置だな」
 「ギリギリだが・・・ 発艦させよう」
 「攻撃隊 発艦させます」
エンタープライズからSBD10機 TBD14機が発艦した。
攻撃隊が発艦した5分後 先ほどの索敵機から攻撃中止の連絡がはいった。
 「なに クジラの群れを艦隊と見間違えただと くそったれ」
ハルゼーは制帽をフロアーに叩きつけ悔しがった。
 「攻撃隊を帰投させろ 全く無駄をさせやがって」

人殺し多聞はハルゼー艦隊の横腹を突く位置に邁進していた。
両雄が戦火を交えるまで後4時間と迫っていた。









 





  
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