あの遠く輝く星に僕は君を思う

霧雨 椛

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あの、光り輝く星へ

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ー美琴姉ちゃんー!遊んでー!
わかったよ、おいで!ー
ああ、懐かしい記憶だ。美琴姉ちゃん、か、、
あまりにも不愉快になった。こんな夢を見ている自分に腹が立った。
目がさめると、俺の頬を流れていく暖かいもの。美琴姉ちゃんは、ある日、突然俺の前から消えた。何も言わずに忽然と
暖かいものを拭い、ベッドの後ろの時計を見る。
➖02:34➖
『うわ、まだ夜中じゃん』
寝る気も消え失せるような夢。もういいや、と寝ることを諦めてベッドから起き上がった。やることもないまま、のんびりと時間は過ぎていく。
『ゲームでもしよ。暇だし。』
暇なら寝れば良い。と思うだろ?寝れたらとっくに寝てるんだな、これが。
つまんねぇ。ゲームってこんなにつまんなかったか?
『やめた。はぁー、、あの夢のせいで』
大人しくベッドでゴロゴロしようっと。
ベッドに戻ろうとした時、ふと、外を見る。

『おー、、綺麗、、』
つい口に出た。きっと誰が見ても綺麗だと言うであろう星空だった。そういえば、美琴姉ちゃんも星空好きだったな
確か、俺が小1の時に近くの山へ行って星空を見上げながら歩いた気がするなぁ。月詠山だったかな?
~ピロリンッ、ピロリンッ!ラインが来たよ!~
誰だよ、こんな夜に。まあ、あらたじゃないかな(笑)
~あらた~
「緊急事態発生!やばい。寝れない!」
『まじ?俺もだよ!さっすが親友だな!』
新も眠くないのか。新、やっぱ、最高だよ。君は!
「まじか!めっちゃ暇だよ。」
( T_T)\(^-^ )よしよし
『じゃあ、救いの楽しいことに誘おう。今から、月詠山行かね?』
「いいよー?でも、急に何でだ?」
『久しぶりに行きたくなったし、星空が見たいんだ。空、めっちゃ綺麗だよ!』
「んー。わかったよーじゃ、すぐおいでー。」
新がいて助かった!マジ感謝!        数十分、自転車をこいで月詠山近くの新の家を目指す。
月詠山に初めて行ったのは、まだ俺が6歳の時。その日もこんな風に綺麗な星空だったっけ、、
そもそも、月詠山は、色々な伝承がある、この街だけの山だ。その伝承の中にこんなものがある。
ー此処には遥か昔、時を操る、月詠  蓮華神という人が居た。その方が亡くなったとき、抜け殻はこの山に納め、いつでも神が戻って来れるようにする。ー
というもの。嘘っぽいけど。だいたい、蓮華神って、、本当にいるなら、美琴姉ちゃんに会わしてくれよ。
はあ。とため息をつき、前方を見れば、遠くに手を振る新の姿が。下り坂を一気に滑る。夜は涼しいし、気分爽快!
『あーー!止まんねー!いやーーー!』
「あーあ。待てー!」
、、、数分後
『ここだよな?暗くてよく、、うーん、、?』
「そうだな。えと、、月詠山入口。」
『自転車、停めてくか。懐中電灯あるし、まあ、大丈夫っしょ』
「だな。ここらへんでいっかね。」
辺りは、真夜中なのに月明かりに照らされて、程良く明るく見える。だが、入口は月に照らされず《闇》で包み込まれている。本当に、月詠姫なんていたのかってぐらいに月とは正反対のオーラを漂わせる山だ。
「どした?さっきから。山の方見てボーっとしてね?」
『ん?あぁ、いやーこの山さ、真っ暗だけどさ、本当に月詠姫なんていたのかって頭に浮かんでさ。』
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