逃げて。

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逃げて。

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「眠い」

ベッドに倒れかかる。

携帯が震える。

今は深夜2時。こんな時間にメール送ってくる馬鹿がいるかよ。

愚痴を言いながらも、仕事の相談だと見逃せないと開く。


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タイトル : なし
本文 : .us or o k o w ata na ar aka mI .ia na sur u y ow ata n A 
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「は?」

思わず声がでた。

迷惑メール...か。

無視した方がラク、と判断しブロックした。

スマホを確認する。

充電は70%。全然大丈夫だな。

よし、寝よう。


新規メール : 一件


イライラする。

さっきブロックしたはずじゃねえか。

開く。


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タイトル : なし
本文 : x   x 県 x x市 xx 町 xxx マン シ ョ  ン 0 04号  室 
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おいおい。悪質な悪戯か?

なんで俺のマンションを知っている。

何か気味が悪い。寒気がする。

念のため、鍵を確認する。

大丈夫。全部かかっている。

また携帯が震える。


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タイトル : なし
本文 : 鍵 をか け ない と、危 ない よ。
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何のことだよもう!さっき鍵は確認したばっかだ.....


振り向いて固まった。

さっき確認したはずの鍵が。開いていた。


新着メール : 1件


震える手で開く。

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タイトル : なし
本文 : あなたを許さない。今からあなたを
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突如、画面が暗転した。

一瞬、かなり焦った。充電切れか......

いや、なんだこの嫌な感じは。

何かがおかしい。

さっき、充電は70%まであったじゃないか。

なぜ暗転した?

スマホを見つめる。

死を。予感する。

思考が停止する。

逃げて。そう心の中で叫ぶ。

真っ暗な画面に写っているのは自分。

なぜ赤い?どうして包丁がある?

後ろで口が裂けるほどの笑みを浮かべている......お前は誰だ?
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