【爆撒英雄サトルのガイア建国記】

池上 雅

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*** 4 俺の大切な大切な夢が、わずか一時間足らずですっかり叶っちまった…… ***

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「ふぃ~……」

 やっとの思いで体を洗い終わり、浴槽に沈むとシスティも入って来た。

「はぁ~……
 これ、すっごく気持ちいいわ。
 お姉さまがハマっていらっしゃるのもわかる気がする……」

 浴槽内に脚を投げ出して座る俺の隣にシスティが座った。
 体の一部分だけを隠すように存在する羽毛が湯の中でゆらゆら揺れている。

 俺はぼんやりと考えていた。
(そう言えば昔読んだ漫画家のエッセイに書いてあったっけ……
 その漫画家のアシスタントたちはものすごく絵が上手いんだけど、何故かデビュー出来ないんだそうだ。
 もちろん原因は物語の作り方がヘタだからなんだけど。
 具体的にどういうことかって言うと、彼らはすぐに主人公の願望や目的を達成させちゃうんだそうだ。
 だから読者のカタルシスが小さくてダメなんだと。

 例えば物語の中で、主人公に気になるあの娘をデートに誘いたいっていう願望を持たせたとしても、すぐに成功させちゃあいけないらしい。
 それよりも何度も何度も失敗させて、5回に1回ぐらいの割合でようやく達成させてやる方が、感情移入した読者の達成感が大きくなるそうなんだ。
 まあ読んでて面白い話ってそういうもんなんだろう。

 だが……
 わずか16歳で闘病の果てに死んでしまった俺。
 家や学校で過ごすよりも病院にいる方が長かった俺の願望……

『健康になって、これも健康で死別しないで済む可愛い女の子とお知り合いになる』
『二人っきりとかでコーヒーを飲んだりする』
『何かを真剣にお願いされて、それを叶えてあげようとしたりする』
『ときには風呂場でラッキーエッチ♪』

 俺の大切な大切な夢が、わずか一時間足らずですっかり叶っちまったじゃねえか!
 俺まだなんの努力もしてないぞ!
 なんだかなぁ……)


「どうしたの? なに黙っちゃったの?」

「あ、い、いや。ちょっと考え事してただけだ……」

「ふう~ん。どんなこと?」

「ああ、健康って素晴らしいな、ってさ……」




 俺たちはまたソファに座った。

「これより戦略会議を始める。
 まずは条件の確認だ。
 我々の『勝利条件』は、まずはこの世界ガイア幸福ハピネスポイントを引き上げて、罪業カルマポイントを増やさないことだ。
 そのためには、ヒト族の国々の支配者を打倒して、新しい平和な国を作るべきだと思う」

「でっ、でも……」

「そうだ。もちろん『制約条件』もある。
 それは俺たち自身が殺戮を行えないことだ。
 そんなことしたらこの世界ガイア罪業カルマポイントがハネ上がるからな」

「うん……」

「この制約条件はけっこうキツいんだ。
 1対1の戦いでは、相手より少しでも能力が上なら勝つことが出来る。
 だが、敵が俺を殺せるのに対して、俺が敵を殺せないのはキツい。
 余程の戦力差が無ければ無理だろう。
 敢えて数値で言えば、少なくとも倍以上の戦力差だな」

「それってサトルと同じ戦闘力の相手を殺さずに無力化するには、サトルが2人以上必要っていうこと?」

「そうだ。それでもギリギリだろうけどな。
 しかもこれが団体戦になればさらに難易度が上がるだろう。
 1万人の集団を殺さずに鎮圧するには2万人でも無理だろうからな。
 5倍から10倍の戦力で包囲して降伏を促すしか無いだろう」

「でも……」

「そう、ヒト族の強みはその数だ。
 俺ではとても奴らに数倍する戦力は用意出来ないだろう」

「やっぱりもう無理なのかしら……」

 システィがまつ毛を伏せた。

「諦めるのは早いぞ。
 そんな俺たちにも優位な点が一つだけある」

「なにかしら?」

「それはシスティが神さまから預かった管理用のポイントだよ。
 ポイントさえ用意出来ればたいていの望みは叶うんだろ?
 それにシスティ自身の『天使力』もあるからな」

「うん……」

「つまり俺たちが勝利するためには、『ポイントで何を授かるか』、『天使力をどう使うか』っていう事前準備を考えることが、いちばん重要なんだよ」

「そうね…… それしか無いわね」

「それでシスティ、そのポイントで俺を『最強の魔法使い』にすることって出来るか?」

「えっ…… 『魔法使い』?」

「そうだ。たとえ相手が3万人の軍勢でも、優秀な魔法使いなら1人で無力化出来るかもしれん。
 それに罪業カルマだらけの国の支配層を打ち破っても、今度はその国の民を喰わせていかなければならんからな。
 そのためにも俺が優秀な魔法使いであることが必要だ。
 というよりもう魔法が無ければ不可能だろうな。

 もしシスティが、『ガイア管理用ポイント』を使って俺を優秀な魔法使いにしてくれるなら、俺は誰も殺さずにガイアに平和で豊かな統一国家を作れるよう努力することを誓うよ」

「そ、そうなのね……
 と、ところで…… 『30歳までDTでいること』で、どうやって敵を制圧出来るの?」

「違っがぁ~うっ!」

「ち、違うのね…… お姉さまがそう仰ってたんだけど……
 だから魔法使いなんてロクなやつじゃあないのよって……」

「だから違うんだってば!!!」

「そ、そう…… それじゃあ『魔法』ってなに?」

(そっからか……)



 ------------------------------



 俺はシスティに言って、また【株式会社エルダーシスター】を通じてPCを買ってもらい、ネット環境も準備してもらった。
 どうやら電源ケーブルもネットのラインも地球の【株式会社エルダーシスター】社内に繋がっているらしい。
 この世界への電力供給は他世界への過剰関与になるので出来ないそうだが、ここはシスティの本拠地である天使領域なのでまったく問題無いそうだ。

(そうか…… このケーブル、地球に繋がっているのか……
 ということはもしかしたら俺も……)

 だが、俺は頭を振ってその思いを振り払った。

(今さら地球に帰っても両親以外にろくに知ってるひとはいないしな……
 それに、もう俺の墓もあるようだし、いまさら父さんや母さんを混乱させてもだ……)


 俺は頭を切り替えてシスティに向き直った。

「さあ、これが投稿小説サイトだ。
『異世界に転生した主人公が魔法を使って生き延びる、もしくは周囲に幸福をもたらす』っていう話がいっぱい掲載されてるんだ。
 今、『魔法チート』と『内政チート』ものをいくつかピックアップしてブクマするから、それを読んで勉強してくれ」

「うん、わかった……」

「俺はその間、この世界のことを学びたいんだが、なにか参考になるものはあるか?」

「それじゃあサトルをわたしの『使徒』にして、この世界ガイアの管理権限を授けてあげるわね。
 そうすればあなたも少し『天使力』が使えるようになって、管理システムさんに接続出来るようになるから、頭の中で考えるだけでこの世界の情報はほとんど手に入るわよ」

「おお、そりゃすごいな」

「それから『使徒』になってもらえたら、大したものではないんだけど、自動的に私の『加護』もつくの」

「おお! どんな『加護』なんだ?」

「あの…… たとえば事故なんかでHPがゼロになって死んでも、10秒後には生き返ることが出来て、HPも全回復されるの」

「不死身か! そりゃスゴいな」

「でっ、でもでも、それってこの私の天使域内限定なのよ。
 ま、まだわたし、未熟者だから……
 ほんとに大したことなくてごめんなさい……」

「そうか、この天使域内限定か……
 それでも、少なくともこの領域内で訓練している限り、事故死は無いんだよな」

「え、ええ……
 もしサトルが地上界に拠点や街を作ってくれれば、そこもわたしの領域に出来て、有効範囲が広がるんだけど……
 でも、今はこの領域でしか有効な加護でしかないの……」

「それで十分だよ。本当にありがとう」

「ど、どういたしまして……
 だってサトルはわたしのパートナー(一緒に仕事をするひと)だもの」

「パ、パートナー(一緒に子孫を残したりするひと)だと……」

 俺は自分の顔が赤くなったのがわかった。

(天使って…… ヒト族と子供作ったり出来るのかな……
 任務達成の成功報酬で、『オレの子を生んでくれ!』とか言ったらどうなるんだろ?)

「どうしたの? だいじょうぶ?」

「あ、ああ、なんでもないよ」
(なんで俺、俄然ヤル気になってるんだ?)


「そ、それじゃあ情報はどうやって入手すればいいんだ?」

 途端に俺の目の前に大きなスクリーンが現れた。

「アダムさん。
 こちらのサトルに、わたしの『使徒』として管理者権限を付与しますのでよろしくね」

 若い男性の声が応えた。
(かしこまりましたシスティフィーナさま。
 サトルさま、わたくしはこの世界ガイアの管理システム、アダムと申します。
 よろしくお願いいたします)

「お、おお、よろしくな」

「このアダムさんにお願いしたら、たいていのことはやってくれるわよ」

「そ、そうか……
 それじゃあとりあえずこの世界ガイアの地図を見せてもらえるかな」

(畏まりました、サトルさま)


 スクリーンには、横に長い楕円形のような形をした大きな大陸の地図が現れた。
 その周囲には島々がたくさん存在している。

 大陸中央部北寄りには白い部分が見える。
 どうやら雪に覆われた山岳地帯のようだ。
 そこから南下するとしばらくは薄い緑色の地域があり、中央部には灰色がかった地域があった。砂漠地帯だろうか。
 そこからさらに南下すると緑色が濃くなっていき、海に近づいたところではまた薄い緑色になっていた。

 大陸中央部と東部の間には、南北に暗い灰色の地形が走っている。
 たぶん山脈だろう。
 その山脈の東側は、ところどころに暗い灰色の部分はあるものの薄い緑色が広がっている。
 大陸西部も同様な地形だった。

 俺はその地図を詳細に観察した。
 戦に地形情報は重要だからな。

 そうした俺を見て微笑んだ後、システィはデスクの方に行ってPCをいじり始めているようだ。




 アダムの機能は優秀だった。
 地図は縮尺も自由に変えられる。
 なんと最大縮尺は実物大以上だ。地上のヒトの毛穴まで見える。
 さすがは創造天使の持つ世界管理用の力だな。


「ふむ……
 それじゃあこの地図を国別に分けてもらえるかな」

(はい、サトルさま)

 地図にカラフルな色分けが加わった。
 東には中央に大きな国が見える。
 その周囲はたくさんの小国が集まっているようだ。
 そのやや南西側には中規模な国があった。

 中央部はほとんど白色だ。国が無いのかな?

 大陸西部には一面の同系色があるが、それも線でたくさんの国々に区切られていた。同盟国家や連合国家なのか。
 大陸西部には赤く塗られた大きな国があった。

 俺はアダムに頼んで主だった国の解説をしてもらった。
 ときおりちらちらとシスティを見やると、彼女は真剣にPCを見ているようだ。
 くすくす笑ったり泣いたり考え込んだりしながらPCにかじりついている。
 はは、すっかりラノベが気に入ったようだな。
 ときおり嬉しそうに翼がぱたぱた動いてるし……


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