クラウディアの絵本

Olivia

文字の大きさ
上 下
1 / 8

親切な魔女

しおりを挟む
旅の途中、女性に会って少し話をしました。



「魔女を訪ねて旅をしてきました。」

「そう、この森の奥にたしか魔女が住んでいたらしいね」

「住んでいた、ですか?」

「たぶん、まだいると思うけれど」

「けれど?」

「私はあったことがないから」

「そうですか」

「あなたは魔女に会って何をするの?」

「魔法を教えてもらおうと思って」

「そう、その後は何を?」

「そうですね、自分が楽をしたり、人を助けたり」

「・・・いい考えね」

「はい」

「でも、どうなのかしら?」

「何がですか?」

「そんな考え方の魔女がいたらもう少し世界が違うと思うの」

「そういえばそうですね」

「会いに行くのは止めないけど」

「けど?」

「人を簡単に信用しないほうがいいわ、とくに魔女は」

「そうかもしれませんね・・・あなたは」

「ん?」

「あなたは、魔法を使いたいって思ったことはないんですか?」

「ない・・・かな」

「そうですか」

「それじゃあ」

「はい、ありがとうございました。さようなら。」

「さようなら」
しおりを挟む

処理中です...