メルドリアスの遊戯世界 ~異世界転生ハーレムキャラバン~ 【健全版】

猫野 にくきゅう

文字の大きさ
7 / 170
農場奴隷編

第7話 冒険者の情報

しおりを挟む
「スライムやゴブリンと戦ったことかい? 勿論あるよ」
「強かった?」

 俺は昼の休憩時間に、クサンゴさんから話を聞いてみた。

「そいつらは魔物の中では一番弱いから、油断さえしなければ対処できる」
「俺でも倒せるかな?」

 俺が質問すると、クサンゴさんはちょっと慌てる。

「えっ! 戦おうとしちゃ駄目だよ。弱いと言っても魔物なんだから──ユージ君ぐらいの年齢で新人冒険者になるのはよくあるけど、一人で戦って死んじゃうのも結構いるんだ。ちゃんとパーティを組んで、しっかり準備してから挑まないとね」


 クサンゴさんは親身になって、忠告とアドバイスをくれた。
 見た目は冴えないが、いい人だ。


 クサンゴさんのアドバイスはさらに続く。

「スライムには窒息死させられるケースが多いし、ゴブリンは生命力が強くて倒しきるまで油断できない。肝心なのは敵を倒す事よりも、怪我をしないことなんだ。怪我の治療に時間やお金がかかると、一気に生活が破綻する。魔物を倒せればいいという訳でもないんだ。だから新人はパーティを組んで魔物に挑むんだよ」

 魔物を甘く見て、単独で挑むような新人はすぐに死ぬ。
 耳の痛い話だ。半分は当たっている。

 しかし、今の俺の環境だとパーティとか組めないしな──。


 まあ、当てがないわけでもない。

 女神メルドリアスの話が本当なら、俺の周囲には転生者が二人いることになる。
 それらしい二人組には、すでに目星を付けている。
 まだコンタクトは取っていないが──

 いきなり『一緒に魔物倒しに行こうぜ』と言っても、付いてこないだろう。
 二人とも女の子だしな。
 
 第一印象は大事だ。
 二人との接触は慎重にしたい。


 というわけで、少なくとも奴隷でいる間は、魔物との戦闘はソロで行く。
 
 俺には回復薬もあるし、スラ太郎もいる。
 何とかなるだろう。
 
 スラ太郎は、俺の奴隷部屋の地面の土を自分で溶かして穴を掘り、そこを住処にしている。上に藁をかけてカモフラージュしてあるから、間違って部屋に入る奴がいても、ぱっと見では気付かれないだろう。


「ところでクサンゴさんは、どんな職業なの? レベルは?」

 俺は結構踏み込んだ質問をしてみる。
 不快に思われるかな?

 こっちは子供だから、無邪気な感じでいけば平気だろう。


「最後に教会で鑑定してもらった時は確か──探索者と槍使いと行商人で、レベルは……、一番高いのが探索者で13だったな。槍が8で行商が5。うろ覚えだけどね」

 怒っている感じはしないな。
 杞憂だった。

 それにしてもクサンゴさん、今の俺よりはレベルが高いけれど……あんまり強くはなさそうだ。まあ、失敗して奴隷になってるしな
 ……いい人なんだけど。


 冒険者の強さの大体の目安として、戦闘職でレベル20に到達すれば、その分野で一人前といわれているらしい。


 そしてレベルの鑑定は、一般的には教会で調べて貰うのだそうだ。
 教会に紙を持参して持って行き、銀貨一枚お布施を支払うと、設置されている魔道具で測定して印刷してくれるそうだ。
 
 この国の紙の値段は一枚で銀貨一枚くらいだそうだから、一回の鑑定で銀貨二枚、日本円でいえば二千円程度はかかることになる。

 証明書の発行手数料だと考えれば、妥当な金額だと思う。


 俺は自己鑑定できるから、魔力を消費するだけで何度でも出来る。
 自分を鑑定できるという能力は地味に有能だ。
 



 休憩を終えた俺たちは、午後の農作業へと向かった。

 農作業も徐々に力仕事を割り振られるようになってきた。
 そのほうが借金の減りが早くなるから願ったりではある。
 疲労は回復薬があるし、筋力は魔力で増強できる。


 魔力の使用方法のバリエーションも増えた。

 魔力は単純に体に張り巡らせれば腕力を増強できるわけではない。
 自分の身体能力が向上するようにイメージして、そのイメージ通りの『変化』をもたらすのが魔法だ。
 

 魔力を身体の外に張り巡らせて、様々な情報を『探知』する使い方も覚えた。

 魔力を広げてその状態を維持し、自分の周りの空間を把握し続ける『空間探知』と、魔力を全方位に発して、跳ね返ってきた反応を拾うレーダーのような使い方の『広域探知』だ。

 空間探知は魔力を消費し続けるし、半径五メートルくらいを維持するのがやっとだが、精度が高い。
 広域探知は精度は大雑把だが、探知範囲が広い。






 さて、午後の農作業を終えた俺が部屋へと戻ろうとすると、スキル『危険感知』が発動した。少しピリッとした程度だったので大した脅威ではなさそうだが、念のため広域探知を使い周囲を探る。

 すると、俺の右側の丘の上に、誰かいるのを発見する。
 農場主の屋敷のある方角だ。

 そいつは何故か、こちらに向かって石を投げつけてきた。

 俺はそちらに視線を向けずに無視して通り過ぎる。
 石は何度か投げられたが、当てるつもりはなかったようで全部外れる。

 しかし、ここまでされて無視するのは不自然かと思い、俺は石の飛んできた方を見上げる。そこには俺と同じくらいの背丈の女の子がいた。
 
 ──農場主の娘だろうか?

 女の子は俺と目が合うと、顔を赤らめて逃げていった。


「なんだったんだ、あいつは……? 」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...