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ゴブリンの巣穴
第64話 ナンパ A
しおりを挟む僕たちは、ダンジョンのボス『ゴブリン・キング』を倒した。
ボスの消えた後に、ドロップアイテムが三つ残されている。
ドロップアイテムは、宝石と剣と腕輪だった。
アイテムの名前は『転生のオーブ』『栄誉の剣』『黄金のブレスレット』、ボスモンスターが落としていく装備品は、冒険者装備よりも性能が低い──
おそらく、販売用の換金アイテムだとは思うのだが、売らずに取って置く。
何かの役に立つかもしれないし、お金に困ることも少ないので、いざという時の『へそくり』として仕舞ってある。
今回のドロップアイテムの中で、『転生のオーブ』という装備品は、その名前からして異色のアイテムだ。
何かに使えるのか────? と疑問に思うと『このアイテムを使用できません』という表示が現れる。
使えないらしい……。
僕は今回のドロップアイテムを、アイテムボックスに仕舞う。
心愛さんの取り分はどうしようか、と悩む……。
戦闘では使えない装備だが、コレクションとして集めたくもある。
アイテム分のお金を払って、譲って貰おうか────?
まあ、その辺りの事は、後で話し合って、交渉すればいい……。
ボスの顔に突き刺した短剣が、少し離れた場所に落ちていたので、拾って回収する。
「ぷひぃ~~、マジ死ぬかと思った!! あんなん反則っしょ?」
ボスの姿が消えて、緊張が解けた心愛さんが感想を述べる。
確かに、ゴブリン・キングは反則級の強さだった。
ボスが強い上に、前哨戦もきつかった。
────ゲームの開発者は、クリアさせる気があるのだろうか?
そう疑いたくなる難易度の迷宮だった。
……だが、僕たちは、それをクリアしたのだ。
ちょっとは、胸を張っても良いだろう。
「ジローちゃん! あの、でっかいの、よく倒したね! 偉いぞぉ~~!!」
地面にへたり込んでいた心愛さんが、立ち上がり僕に抱き付いてきた。
美人に褒められたことと、抱き付かれたことで、僕の顔に熱が籠る。
褒められ慣れていないので、照れ臭い……。
────でも、嬉しくもある。
僕が勝利の余韻に浸っていると、心愛さんが何かを思い出したように、『あっ!』と呟いた。
そして、真剣な顔で、僕に問いかけて来た。
「ウチさ~、ちょっと、匂わない……?」
「あっ、……いえ、別に、いつも通りですけど……」
────何の話だろう?
いつも通り、心愛さんからは、女子特有の良い匂いがする。
「────そう? ────ホントに? なら、良いんだけど……実はね、ウチ、あいつに睨まれた時に、おしっこ、チビッちゃったんだよね~~。ほら」
心愛さんは失禁を自己申告して、スカートをめくり上げる。
僕はその中身が見える前に、慌てて目を逸らして、後ろを向いた。
「見せなくて、いいですから!」
「んー、いちおー、確認しておこうと思って────いいじゃん、ここには、私とジローちゃんしか居ないんだし────」
……僕がいるから、問題なんです。
「あー、思ったほど洩れてなかったわ。……セーフ!」
「────いや、アウトですよ!」
僕は珍しく、心愛さんにツッコミを入れる。
「え~~? やっぱ、アウトか、しゃーない────脱ぐわ。ちょっと、待ってて」
……脱ぐのか?
────本当に??
後ろを振り向いて、確認する訳にもいかない。
僕は心愛さんの作業が終わるまで、そのまま待機する。
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