【ラスト・パラダイス】 一人ぼっちのダンジョン攻略 少年は命がけのゲームを、孤独に戦いぬく

猫野 にくきゅう

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古の神殿

第94話 『古の神殿』の情報 A

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 僕はゲーム世界の、宿屋の部屋で目を覚ます。

 目を覚ました僕の隣には、何故だか怜悧が一緒に横になっている。

 手が暖かい────

 彼女が、僕の手を握っていた。


 ────これは、どういう状況だ?


 なにがどうして、こうなった……。

 宿は一人につき、一部屋取っている。
 昨日、ログアウトした時は、一人で眠っていたはずだ。

 ということは──
 怜悧は僕より早くログインして、この部屋に来て、そしてベッドの中に潜り込んだのだろう。

 何の為に、こんなことをしているのかは分からないが、ここまでは間違いないだろう。……だが、彼女は何故、眠っているんだ?

 ひょっとすると──
 何か用事を思い出して、現実世界に戻ったのかもしれない。

 
 ────まあ、そんな所か……。

 僕は怜悧の寝顔を見ながら、そんな推測をした。

 ────そういえば以前、彼女から『挑発』された時、キスする寸前で心愛さんにストップをかけられたことがあったな。


 彼女の寝顔を間近で見ていると、そんなことを思い出した。


 途中で止められてしまったせいで、消化不良だったのだ。

 …………。

 ……。


 僕の目の前には、怜悧の寝顔がある。
 ほんの少し顔を寄せるだけで、彼女にキスできる位置だ。
 
 この状況で、良からぬことを考えない男が居ようか?

 ────居ないだろう。


 僕だって男だ。
 だから、僕は怜悧にキスしようと思った。

 でも、『寝込みを襲うのはなぁ……』とも思う。


 そこで、彼女がログインして、目を覚ましてからキスすることにした。

 この状況なら、きっといい雰囲気になって、自然とキスできるはずだ。


 僕は怜悧の目覚めをじっと待った。

 ……。

 …………怜悧が目を覚ます。


「……ちょっと、ジロー。────なんで、キスしないのよ? フツーするでしょ? なんでしないのよ!?」

 ────怒られてしまった。

「寝てる内は、どうかと思って……、起きてから、しようとは思ってました」
 
 僕は何故か、敬語で弁明した。


「なら、いっか────じゃ、早速して貰いましょうか」

 僕と怜悧は、ベットの上に腰かけて座る。

 怜悧が、こちらを向いて目を閉じる。

 僕はキスする為に、彼女に唇を近づけていく────

 そこで、『がちゃ』という音が聞こえた。
 ────部屋の扉の開く音だ。

 僕たちは慌てて距離を取り、顔を逸らす。

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